労働基準関連法規(1)
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労働基準法
主旨・目的
原則としてすべての労働者を対象とした労働者保護法で昭和22年に制定された
概要
基本原則=第1条~第7条
キーワード | ||
基本原則 | 第1条~第7条 | 人間らしい生活、労使は対等、均等待遇、賃金差別禁止、労働の強制禁止、中間搾取禁止、公民権行使 |
法を守らせるための諸制度 | 強行的補充的効力 | 労働基準法より低い基準→無効であり、労働基準法の定める基準に置き換えられる |
罰則の設定 | ||
監督機関 | 労働基準監督機関の設置 |
最近の法改正
①「時間外労働の限度に関する基準」の見直し
限度時間(1ヶ月45時間、年間360時間)を超える時間外労働に対する法定割増賃金率(25%)を引きあげる。
②法定割増賃金率の引き上げ(一定の中小企業は適用猶予)
1.月60時間を越える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
2.月60時間を越える法定時間外労働を行った労働者の健康を確保するため、割増賃金の支払いに代えて、有給の休暇(代替休暇)を付与することができる。
③時間単位年休制度の創設
1年に5日分を限度として、年次有給休暇を時間単位で取得することが可能になった。
労働安全衛生法
主旨・目的
労働者の安全と健康を確保+快適な職場環境の形成を促進。
体制や施策 | 内容・キーワード |
安全衛生管理体制 | 総括安全衛生管理者→安全管理者(安全衛生推進者)、衛生管理者(衛生推進者)、産業医、作業主任者、安全衛生委員会(安全+衛生委員会) |
機械等および有害物に関する規制 | 特定機械等(ボイラー、ゴンドラ)は製造の許可、検査が必要 |
特定機械等以外(プレス機械、防じんマスク)は譲渡などの制限 | |
黄りんマッチ、ベンジンなどの有害物は製造禁止物質。ジクロルベンジンは厚生労働大臣の製造許可が必要 | |
安全衛生教育 | 雇入れ、作業内容の変更、一定の危険有害業務に就かせた時 |
健康診断 | 雇入れ、定期・特定の危険有害業務に従事、海外派遣前、帰国後、給食業務に従事等の各段階で行う |
安全管理者の資格要件の見直し | 安全管理者は、厚生労働大臣が定める研修(9時間)が必要 |
面接指導等の実施 | 月80時間を超える法定時間外労働をした労働者からの申出があれば医師による面接指導が必要。(高度プロフェッショナル制度適用者を除く) |
最近の法改正
①労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施が義務付けられた(従業員50人未満の事業場については努力義務)。希望者には医師による面談指導を実施する
②受動喫煙防止のため、全面禁煙や換気扇の設置等、適切な措置を講じることが努力義務とされた
最低賃金法
項目 | 内容・キーワード |
最低賃金額 | 時間によって定められる |
最低賃金の効力 | 達しないものは無効、最低賃金と同様の定めをしたとみなされる |
減額の特例 | ①障がいにより、著しく労働能力が低い |
②試の使用期間中(参考:法律用語であり、具体的には14日間) | |
③職業能力開発促進法の認定を受けて行われる職業訓練 | |
④軽易な業務 | |
周知義務 | 適用を受ける使用者は、概要を常時見やすい場所に掲示 |
地域別最低賃金の原則 | 全国各地域で地域別最低賃金が決定される |
地域別最低賃金の決定 | 厚生労働大臣(中央最低賃金審議会)または都道府県労働局長(地方最低賃金審議会)が決定 |
派遣中の労働者の地域別最低賃金 | 派遣先の事業または産業に適用される最低賃金 |
労働契約法
主旨・目的
労働契約をめぐるトラブルを防止するための基本的なルール。労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的としている。
概要
項目 | 内容・キーワード |
労働契約の原則 | 対等の立場で締結または変更 |
就業の実態に応じて均衡を考慮しつつ締結または変更 | |
仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結または変更 | |
安全への配慮 | 生命、身体等の安全を確保しつつ労働できるよう配慮。 |
労働契約と就業規則 | 労働契約の内容=就業規則で定める労働条件による |
就業規則 | 労働者と合意することなく、就業規則を変更して労働条件を変更することはできない。(周知と合理性によっては、この限りではない。) |
解雇 | 客観的に合理的な理由、社会通念上相当であると認められない場合は無効。 |
有期労働契約 | 通算5年を超えたときは、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる。最高裁「雇止め法理」の規定。有期契約と無期契約の間に不合理な労働条件の相違を設けることを禁止。 |