社会認知的キャリア理論について

社会認知的キャリア理論について述べよ。【過45回】

答案の素(キーワード)

・バンデューラの三者相互作業+「自己効力感」、「結果期待」、「個人的目標

・自己効力感に影響を与えるもの=個人的達成、代理学習、社会的説得情緒的覚醒

・結果期待における成果=物理的成果、自己評価的成果、社会的成果

答案の案

SCCTは、バンデューラが提唱した三者相互作用の考えを基盤としています。この三者相互作用とは、「個人的要因」、「環境的要因」、そして個人の起こす「行動」が互いに影響し合うという考え方です。

そして、レント、ブラウン、ハケットの3人は、この三者相互作用に対し、「自己効力感」、「結果期待」、「個人的目標」の相互関係も追加することで、人の認知がどのように意思決定キャリア発達に影響を及ぼすかについて理論を展開させました。

追加された3つの概念について、自己効力感とはバンデューラは、「課題に必要な行動を成功裡に行う能力の自己評価」と定義しています。この自己効力感の形成や変容に影響を及ぼすものとして、個人的達成代理学習社会的説得情緒的覚醒があります。なかでも個人的達成が最も強い影響があります。

そして結果期待とは特定の行動を遂行した後の成果についての個人の予測であり、報酬や賞といった物理的な成果、自己の内的基準を達成したことへの満足感である自己評価的成果、褒められる、地位が高まるなどの社会的成果があります。なかでも人が最も満足する結果は、自己評価的成果だといわれています。

最後に個人的目標は、人が特定の課題に対し、結果を出すために設定する達成地点のことです。達成地点を設定することにより、人は自分の行動を制御します。(557文字)