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試験範囲の変更内容をまとめました。

キャリアコンサルタント試験には、試験範囲の一覧表があることはご存知でしょうか。見たことが無いという方も少なくないのですが、登録試験機関のホームページに掲載されています。これは、試験対策をする間に、一度は見ておいた方が良いです。

試験範囲の表をご覧ください。

この「試験範囲」ですが、2020年度(令和2年度)に改訂されました。そうです、今年度の試験、次回11月の第15回試験から適用されます。

試験範囲の改訂は2018年(平成30年)に報告された、「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し等に関する報告書」を受けたもので、科目・範囲の項目立てについては従来のものを踏襲しつつも、多少の変更があります。

結論から言うと、大きな変更は無いのですが、気になっている方もいると思いますので、検証の結果をお伝えいたします。

2020年6月現在、キャリアコンサルティング協議会のホームページには、2019年度までの旧試験範囲と、2020年度からの新試験範囲の2種類の試験範囲が掲載されています。なお、日本キャリア開発協会(JCDA)では新範囲のみが掲載されているようです(両機関で内容は同様です)。

キャリアコンサルティング協議会

日本キャリア開発協会(JCDA)

この試験範囲の表の文章に記載されていることが出題されたこともあります。この資料自体で学べる内容もあり、ひとつの教材としても活用することができます。

出題範囲改訂の影響は?

今回、2020年度(令和2年度)の試験から新しい試験範囲がスタートするにあたり、その変更内容についてじっくりと検証しましたので、その結果をレポートします。

検証の方法は、オーソドックスに、新旧の2種類の試験範囲表を並べて、一字一句を比較検討し、変更や追加箇所を確認しました。

作業の内容を少し紹介すると、下の写真ではブルーが以前と変更が無い箇所、オレンジが変更箇所です。雰囲気を掴んでいただければと思いますが、概ね、新試験範囲は旧試験範囲を踏襲しています。

ページ数(枚数)の増加を除いては、大きな変化は感じられませんでした。

え?ページ数?増えたの?って思いますよね。

説明します。

主な変更箇所について

主な変更は以下の内容です。

総ページ数の変更

試験範囲資料のページ数が、改訂前の4ページから改訂後は10ページへ大きく増加しました。ページが増加している要因は下記の実技試験の内容(3ページ分)が追加されたことと、一部の項目が詳細に表示されるようになったためです。

実技試験の試験範囲が初めて記載

旧試験範囲には全く記載が無かった、実技試験の試験範囲が3ページ分新たに記載されました。ただし、内容は学科試験の試験範囲の一部分と同様の内容です。

具体的には、学科試験の試験科目及びその範囲である、試験科目のⅢ「キャリアコンサルティングを行うために必要な技能」が、8ページから10ページにかけて、実技試験の試験科目及びその範囲として再度記載されています(記載内容は学科試験の内容と同様です)。

科目の名称の一部変更

例えば、旧試験範囲の第2科目「キャリアコンサルティングの理論」は新試験範囲の第Ⅱ科目「キャリアコンサルティングを行うために必要な知識」に名称が変更されました。他にもいくつか名称変更はあります。

Ⅱ-2「カウンセリングに関する理論」の具体的な療法、方法の列挙

旧試験範囲には明記されていなかった、論理療法、行動療法、ゲシュタルト療法、交流分析などの具外的な療法の名称、グループワーク、グループガイダンスなどの具体的な方法が列挙されるようになりました。列挙されたために、分量が増え、ページ数にも影響しています。ただし、いずれもこれまでに出題されている内容ですから、特に意識する必要は無いでしょう。

Ⅱ-6「労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識」の詳細分類

「労働基準関係」や「女性関係」、「育児・介護休業関係」などの以前にはなかった分類がされました。また、具体的な法令では、働き方改革関連法案の、労働時間等設定改善法が追記されました。

この法律については、勤務間インターバル制度として既に出題されてます。また、国民年金、健康保険、介護保険の具体的項目が加わりましたが、いずれもこれまでに出題されている内容ですから、特に意識する必要は無いでしょう。

「能力要件の見直し」に関わる用語の明記

リカレント教育セルフ・キャリアドック、「治療中」というキーワードが明記されました。これらは「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し等に関する報告書」の要請によるものでしょう。

ただし、これらに関しては既に出題されていますので、新範囲として特に意識をする必要ありませんが、定番のトピックとなっていくことでしょう。

順序(科目)の変更

従来の試験範囲の第1科目③「キャリアコンサルタントの活動」は、改訂後は第Ⅳ科目の5「キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢」へ移動しました。序盤から終盤への移動でひょっとすると、出題順序の変更があるかもしれません。

以上が主な変更点となります。

気になる方は新旧見比べてみるのも良いでしょう。試験範囲の表自体が、キャリアコンサルタントが身につけるべき知識や技能の全体マップとも言えますから、じっくり目を通しておくことは決して無駄にはならないでしょう。

変更点のまとめ

旧範囲と新範囲の変更点をまとめると以下の通りです。

①実技試験の試験範囲が新規に記載されました。

②科目名の変更や章立て(順序)の変更が一部にありました。

③カウンセリング療法、技法や、法律名、用語等の名称の追加がありました。

②については試験対策上はあまり意識する必要はないでしょう。③についても、既に出題されている内容ばかりですから、過去に出題された内容を中心に理解を深めましょう。

①の内容は、どちらかというと、これまでのキャリアコンサルティング協議会の実技試験の出題内容に沿う内容が多いように感じます。反面、JCDAの試験内容には、あまり沿っていないようにも感じられます。JCDAの試験内容に置き換えると、やや違和感を感じています。次にお伝えする内容と関連しているのかもしれません。

技能検定と同一の試験範囲になった

2020年度(令和2年度)より、キャリアコンサルティング技能検定2級の試験範囲が同じく改訂され、その内容はキャリアコンサルタント試験のそれと全く同様のものになりました。

一字一句、同じです。実技試験の試験範囲の記載は、技能検定も含めた「キャリアコンサルティング協議会」が行う試験における一種の基準、試験範囲なのではないかと個人的には推測しています。公式見解は特にありませんので、私個人的には、と受け止めてください。

キャリアコンサルティング技能検定「試験の範囲」

2級技能検定の学科試験は、以前からキャリアコンサルタント試験と出題内容は似ており、相互に類題が出題される関係にありましたが、2級技能検定(学科)と国家試験(学科)の、ほぼほぼ一緒のシームレスな関係は、今後も続くことでしょう。

以上のように、試験範囲の表を比較検討した中では、具体的な学科試験対策として、これまでの内容や方法を大きく変える必要性などは感じられないと、みん合では捉えていますが、何かお気づきの点やご質問などがありましたら、お気軽にお伝えください。

引き続き、気になるトピックなどについては、まとめや問題を提供していきます。

応援しています。 

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