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5月の有効求人倍率と完全失業率について。

一般職業紹介状況(令和2年5月分)(厚生労働省)より転載

昨日、5月の有効求人倍率(厚労省)と完全失業率(総務省)が発表されました。

2019年後半より顕在化してきた景気の下降傾向に加え、コロナ禍による緊急事態宣言の影響を受け、有効求人倍率と完全失業率は前月よりも悪化をしています。上の表からも有効求人倍率が右肩下がりになっている状況がわかりますが、5月は非常時の数値であることも念頭に入れながら、確認をしましょう。

5月の有効求人倍率

出典:一般職業紹介状況(令和2年5月分)

有効求人倍率は、一般職業紹介状況により判明します。一般職業紹介状況は、厚生労働省が毎月調査、公表しており、有効求人倍率は、景気動向指数の「一致系列」とされています。一致系列は、一致=「今」の景気の現状に反応を示す指標とされています。

【2020年5月】

・有効求人倍率⇒1.20倍(前月比0.12ポイント低下)

・正社員有効求人倍率⇒0.90倍(前月比0.08ポイント低下) 

有効求人倍率は1倍超を維持していますが、正社員有効求人倍率は、前月4月に2年10か月ぶりに1倍を下回りました。

完全失業者数と完全失業率、非正規職員・従業員の割合

出典:労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)5月分(PDF)

完全失業率は、労働力調査により判明します。労働力調査は、総務省が毎月調査、公表していますが、厚生労働省ではない点に、試験対策上は注意してください。完全失業率は、景気動向指数の「遅行系列」とされています。遅行系列は景気の動きに遅れて反応を示す指標とされています。この遅れの理由は、景気が悪くなったからといって従業員をすぐに解雇することは法律においても制限されているためです。

【2020年5月】

・完全失業者数⇒198万人

前年同月比33万人の増加、前月比9万人の増加です。2019年12月は145万人ですから、この5ヶ月の動きに注目すると53万人もの増加がありました。200万人が目前となりました。

・完全失業率⇒2.9%

かろうじて2%台をキープしています。

・雇用形態別雇用者数と割合

正規の職員・従業員数は3,534万人に対して、非正規の職員・従業員数は2,045万人となり、雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は36.7%でした。過去にも出題はありますが、正規と非正規の割合は、6:4程度とおさえておきましょう。

試験への影響について

これまでのキャリアコンサルタント試験の出題タイミングの傾向は、完全失業率や有効求人倍率などの数値に関しては、試験実施年度の前年度や前年までの数値が出題されています。

そのため、今年度の試験においては、2020年3月までの「2019年度」や、2019年12月までの「2019年」の数値やトレンドの出題可能性が高く、直近のコロナ禍で悪化した数値の出題可能性は、みん合では、あまり高くないだろうと予測しています。

コロナ禍による一時的な悪化なのか、横ばいや改善の方向なのかも、公的資料等でもまだ明らかにされていません。そのため、出典に準拠した作問という点でも、しばらくの間は、試験委員も作問のしづらさがありますから、前年度や前年の資料からの出題が無難で手堅いのではないかと予測しています。

もちろん、来年度の試験になりますと、公的資料でのコロナ禍の影響に関する記述も増え、トレンドも明らかとなり、むしろ出題しやすいかもしれません。

そのため、最新の4月、5月や来月以降の数値には、試験対策上はあまり過敏に捉える必要は無いでしょう。むしろ時代を読む目として、ウォッチしていきましょう。

この雇用情勢や経済状況がどのようになっていくのかは、現役のキャリアコンサルタントはもちろん、未来のキャリアコンサルタントも、注意深く見ていく必要があるでしょう。既に、クライエントへの支援に大きな影響を及ぼしています。

試験対策のまとめと問題をご用意しています!

出題可能性の高い2019年度や2019年の雇用関連の指標については、楽習ノートプラスにまとめ編と問題編を既に作成しています。

試験対策にどうぞご活用ください。

2019年度の有効求人倍率と完全失業率【まとめ編】

≪会員限定≫2019年度の有効求人倍率と完全失業率【問題編】

問題編はみん合☆プラス会員限定公開となります。早めに問題編で知識を定着させてしまいましょう。試験直前になると、こうしたトピックは焦りますから、余裕のある今のうちに対策しておくと良いでしょう。

雇用関連指標の過去の出題実績

有効求人倍率や完全失業率、景気動向指数などの雇用関連の指標に関する出題は、これまでに多く出題されています。14回までの出題実績は下記になります。

第2回問21、第4回問23、第5回問24、第6回問23、第8回問22、第9回問22、第11回問22、問23、第12回問20、問23、第13回問22、第14回問24

ほとんど毎回といっても良い頻度です。

みん合では、いずれの過去問解説も、2019年度や2019年、2020年3月などの最近の数値に更新していますので、今後の試験対策に活用することができます。これらをヨコ解きをしておくと、苦手という方が多い、雇用関連指標の対策は盤石になることでしょう。トピックごとに固めていきましょうね。

苦手は少しずつでも補い、得意はどんどん伸ばしましょう。

試験まであと123日

雇用関連のデータへのアンテナを張りつつも、試験対策の知識も少しずつ確かなものにしていきましょう。

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本日お伝えした雇用関連指標、データのアップデートの情報も過去問解説にはたっぷり盛り込んでいますので、過去問を将来の出題に備えた「未来問」として活用することも可能になります。

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