これまでのキャリアコンサルタント試験で、最も多く出題されている官公庁資料は何か?
それは、毎年、厚生労働省により実施、公表されている「能力開発基本調査」です。
この調査は、企業における人材教育(研修やOJT、自己啓発)などの実態アンケート調査です。キャリアコンサルティングの実施状況なども知ることができ、受験者のみならず、資格取得後も活動の参考になる資料であり、国や地方自治体の人材開発関連の政策立案の基礎にもなる資料です。
まとめと問題を公開しました!
最新版の令和2年度版が6月末に公表されました。お待たせしてしまい失礼いたしましたが、みん合では「まとめ」と「問題編」を作成して楽習ノートプラスの掲載しました。資料の章ごとに、まとめ3編に問題編3編の合計6編です。内容理解と試験対策にお役立てください。
まとめ編でポイントを確認!
まとめ編は、過去の出題頻度や重要性でメリハリは付けているものの、今後の出題に備え、全編の各節の内容から、概ね網羅的に作成しています。
重要なキーワードや数字は赤字にしていますので、Check Sheet機能で数字やキーワードを隠しながら確認しましょう。
隠された文字や数字は一瞬、想像するだけで良いです。キーワードの暗記の必要はありませんし、数字や割合は大雑把にこれぐらい、とざっくり掴みましょう。
数字や割合を見たら、「へぇ~、そんなに多いの?」、「え?少ないけど、うちの会社はやってるぞ。」といった、ご自身の感覚と照らし合わせてみてください。
そこで違和感のあったものはよくインプットしておきましょう。逆に、「それはそうだろう。」というものは、出題されても十分対応できるでしょう。
まとめ編には過去問の問題番号を表記しています。
これまでの過去問での出題項目には、下のように出題回と問題番号を表記しています。同じ箇所から何度も出題されていることにも気づくでしょう。
問題はたっぷり63問!
これまでの出題箇所をすべてあらためて確認し、過去に出題された箇所はもちろん、今後の出題が考えられるものまで網羅しています(問題編は会員限定公開)。
1企業調査(14問)、2事業所調査(25問)、3個人調査(24問)の全63問です。
解答と解説は赤字にしていますので、Check Sheet機能で隠しながら確認しましょう。
過去問解説も改訂しました!
過去問題でこの資料に関する問題については、過去問解説を改訂し、令和2年度版ではどのように表記されているのか、変化がわかるように追記をしています。過去問でどのような問題が出題されているかを確認しながら、過去問解説で令和2年度調査の内容をインプットしていきましょう。
何年度版が出題されるのか?問題
キャリアコンサルタント試験には「法令」に関する出題基準日(4月1日現在)はあるのですが、出題される官公庁資料や時事的内容については、出題基準日はありません。登録試験機関のホームページには以下のような記載があります。
法令基準日
2021年度試験の問題の解答にあたっては、2021年4月1日の時点で既に施行(法令の効力発生)されている法令等に基づくものとします。なお、試験範囲に含まれる時事的問題など、キャリアコンサルティングに関連するものとして知っておくべき知識・情報については、基準日にかかわらず出題される可能性がありますのでご留意ください。
実際に、これまでには6月に公表された資料が11月試験に出題されたり、9月に公表された資料が3月試験に出題されることがありました。
ちなみに、能力開発基本調査は、平成30年度版までは3月末に公表されていたのですが、当時は5月の試験では出題されず(間に合わず?)、8月の試験から出題されるというのがかつての流れでした。
やや間隔は短いものの、今年6月末に公表された令和2年度能力開発基本調査が、10月末の第18回試験に出題される可能性は、十分にあるでしょう。
試験問題をいつ作成しているのかはわかりませんが、夏以降に作成したり、この秋にチェックをする機会があるのであれば、令和2年度版をおそらく盛り込むはずです。
ですから、最新の令和2年度版で試験対策をしていきましょう。
ただし、令和元年度版が出題される可能性はゼロではありません。
そのため、作成しているまとめでは、令和元年度版からの変化があったものは特に明記するようにしています。出題が予想される重要なトピックでも、いくつか前年度版からの変更点がありました。
資料は一読しましょう!
楽習ノートプラスのまとめ編と問題編を学習するだけでも、資料の要点を掴むことができるかもしれませんが、キャリアコンサルタントにとっては、資格取得後も参照することもある、研修や人材育成業務などに直結する貴重な資料ですから、是非、一読してみましょう。
移動時間に流し読みするだけでも良いです。調査結果の概要は、企業調査、事業所調査、個人調査と分かれていますので、少しずつでも読んでみましょう。読んでから、まとめ編、問題編と進みますと無理なく内容を把握することができるでしょう。
お手元に原本の資料が無い方は、厚生労働省のサイトよりPDFファイルをダウンロードしてください。こちらは刷りだしても損はない資料です。
気になる主な変化
人材育成、教育研修の実際は、年によって激変するものではありませんから、年度の違いにそれほど敏感になる必要は無いのですが、令和元年度→令和2年度への気になる主な変化を共有します。
調査公表項目の変更や追加
今回は章や節レベルの追加や削減はなく、細かな内容では以下が追加されています。
①1.企業調査の(3)労働者に求める能力・スキルについて【P5】
「最も重要と考える労働者の能力・スキル」に関する調査の対象について、前回の「正社員と正社員以外」の2分類から、「正社員(50歳未満)、正社員(50歳以上)、正社員以外」へ3分類へと変わりました。
②2.事業所調査の(1)教育訓練の実施に関する事項について【P15】
P15の「実施したOFF-JTの内容と今後実施したいOFF-JTの内容」について、「今後実施したいOFF-JTの内容」の項目が新たに追加されました。
令和元年度版から変化について
選択肢の文章表現に影響するような、%などの数値の大幅な変更はありませんが、例年に比べて、教育研修全般に関する企業の活動がやや弱い印象を受けました。
厚生労働省のサイトには、令和2年度調査が「令和2年12月1日時点の状況」の調査であることは明記されており、ここにもやはりコロナ禍の影響があるのかな、と感じました。
さらに「令和元年度に」というような調査項目もありますが、令和元年度の後半(1〜3月)もまた、コロナ禍の影響が始まった頃でもあります。
それについては特に、資料内では厚生労働省の見解や注意書きなどはありませんので、個人的な見解ですが、「やや減少している、弱含みな傾向」が感じられました。
ランキングの変化
令和元年度版と比べて、ランキングの目立った変化が今回いくかありました。詳しくはまとめ編で確認していただきたいのですが、以下が気になる変化です。
・「キャリアコンサルティングを行う目的」の正社員でのランキングの1位と2位が前回から逆転しています。
・「キャリアコンサルティングを行う上での問題点」の正社員の1位が変化しています。
・「技能継承の伝承について」の具体的な方法の1位が変化しています。
これらは次のまとめ編でお伝えしています。
・自己啓発の実施方法の順位が変わりました。eラーニング活用が1位になっていますが、これはコロナ禍を受けての動きかもしれません。
これは次のまとめ編でお伝えしています。
ヨコ解きリンクを公開します
資料の構成に合わせ、調査対象(章)ごとにヨコ解きリンクを整理しました。
出題された大問(選択肢4つ分の問題)を章ごとに分類しました。章ごとに攻略していきましょう。
過去問解説では、当時の解説に加え、令和2年度版の解説を追加していますので、令和2年度版の内容を理解しましょう。
過去問解説のページへリンクしています。直近3回分以外の過去問解説は、みん合☆プラス会員へ公開しています。
1.企業調査(P1〜P10)
2.事業所調査(P11〜P35)
第1回問17 第2回問2 第4回問17 第5回問3 第7回問17 第10回問1 第11回問17 第12回問4 第14回問16 第15回問12
3.個人調査(P36〜P61)
その他(調査全般に関する出題)
出題が多い章は、ご覧のように事業所調査の章ですが、中でも特に出題が多い箇所は、(3)の「労働者のキャリア形成支援について」の「①キャリアコンサルティングを行うしくみの導入状況」です。それは確かに、私達も、試験委員も気になるところ、ですよね。
出題箇所は参照ページを確認して、マーキングなどをしておくと、出題傾向を体感することができるでしょう。
やらなくても良い大問
この大問は、令和元年度版から調査公表内容から削除された内容の問題のため、試験対策上は回答、精査の必要はありません。
解かなくても良い問題の表記について
上記の大問の中には、選択肢によっては、同様に回答や精査の必要がないものが少しですがあります。それらは過去問解説の各回のトップページで次のように、ご案内しています。
また、過去問解説の本編でも次のように明記をしています。
いくつか、選択肢だけの出題もありますが、それらについても同じように注意や令和2年度版での変化の内容を記載していますので、過去の過去問も、無駄なく試験対策に活用することができます。
出題可能性の高い資料ですので、十分な対策を早めにしておきましょう。
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