第18回キャリアコンサルタント試験まで、あと28日(今日を含めず)。ちょうど4週間をどのように過ごすのか。みなさんの学習進捗度や理解度、達成度合いは様々と思いますので、各段階の皆様へ、エールに代えてアドバイスをお伝えします。
まだ間に合うのか?問題
これからでも間に合いますか?というご相談をこの土日に何件も頂いています。
間に合うか、間に合わないかはあなた次第です。
あまりお勧めはできませんが、試験直前一週間で、それまでの全回分の過去問を解き、テキスト&問題集を2回転させて合格した猛者もかつていらしゃいました。お仕事は一週間、あらかじめ計画して休んだそうです。
それは極端な例ですが、残り1か月から始動して、無事に合格した方もたくさんいますし、残念ながらやはり間に合いませんでした、という方もいますが、まずはこちらのデータを紹介します。
◇試験対策期間と合格率の関係
第17回試験のみん合☆アンケート結果から、学科試験の学習期間別の(自己採点)合格率を集計しました(有効回答数467名)。
学習期間 | 回答者数 | 割合 | 合格者数 | 合格率 |
6ヶ月以上 | 70 | 15.0% | 55 | 78.57% |
3ヶ月以上6ヶ月未満 | 165 | 35.3% | 134 | 81.21% |
2ヶ月以上3ヶ月未満 | 110 | 23.6% | 88 | 80.00% |
1ヶ月以上2ヶ月未満 | 72 | 15.4% | 58 | 80.56% |
1ヶ月未満 | 50 | 10.7% | 38 | 76.00% |
※第17回試験の公式発表の合格率は約55%。
他の学習期間に比べて少し合格率は下がりますが、みん合☆アンケート回答者全体の10.7%の方は、1か月未満の試験対策期間で受験をしています。
そして、そのうちの76.0%が合格していますので、合格可能性は十分にあると捉えて、前向きに準備をしていきましょう。ただし、時間はありません。寸暇を惜しんで対策を進めていきましょう。
では、何をしていくのか?
養成講座のテキストや頻出参考書の読み込みなどをしている時間はありませんし、それはマストではありません。
まずは学科試験を知りましょう。
具体的には、過去問解きをしてみましょう。まずは試験回単位で問1から問50までのタテ解きをしてみてください。出来は気にしません。
学科試験を知るためのプロセスです。
これを、1回~3回分程度やりますと、出題内容と試験範囲の全貌が見えてくるかと思います。また、直近3回分では新試験範囲になってからの出題順序を体感することができます。
直近3回分の過去問題は、登録試験機関のホームページにて公開しています。また、過去問解説については、当サイトにて公開しています(過去問解説のページ)。
直近1回~3回※のタテ解きが終わりましたら、解説をよく読み、出典資料や参考書で出題箇所を確認しましょう。マーキングをしておくと良いです。
ちなみに、第17回は前半に難しい問題が続出しています。心折れないようにご注意ください。トータルで35問獲得の試験合格の枠組みは意識しましょう。
参考書は木村先生と渡辺先生のものは手元にあったが方が学習がスムーズです。道具は早めに揃えましょう。
なお、キャリアコンサルタント試験とキャリアコンサルティング技能検定2級は、2020年度から新しくなり、全く同じ出題範囲になりました。
国家試験の第15回からの3回分は新試験範囲による出題となります。その出題内容は第14回以前とあまり変わっておらず、マイナーチェンジといった改訂ですが、出題順序や出題割合は、これまでの2級技能検定に寄せるかのような変更がありました。
直近1~3回のタテ解きが終わりましたら、その後は、出題範囲ごとのヨコ解きをすることによって、その出題範囲における頻出項目や頻出資料やサイトの把握に努めるとともに、得意は伸ばし、苦手を克服する作戦に移りましょう。
ヨコ解きって何?という方はこちらをご覧ください。
ヨコ解きをはじめとした過去問攻略には、問題ごとの出題範囲名を整理した表、出題範囲マトリックス・タテヨコくんをご活用ください。
出題範囲マトリックス・タテヨコくん(解説リンク付)[国家試験第1回~第17回]【PDF版】【Excel版】
で、何回分くらいやれば良いの?
何回分くらいの過去問をやれば良いのかは、第17回試験後のアンケート結果からは、概ね、たくさんの回を解くと合格率が高まる、回数比例的な関係があります。
過去問の回数 | 人数 | 合格者数 | 合格率 |
これまでのすべて(16回分) | 91 | 81 | 89.0% |
10回~15回分くらい | 67 | 57 | 85.1% |
4回~9回分くらい | 162 | 134 | 82.7% |
1回~3回分くらい | 135 | 97 | 71.9% |
過去問は特にやっていない。 | 3 | 2 | 66.7% |
合計 | 458 | 371 | 81.0% |
第17回アンケート結果(第17回受験のみなさんは何回分の過去問を解いたのか?)より
とはいえ、全17回も!となると、今からでは気が遠くなってしまうと思います。
まずは、直近3回に加えて、3回~6回程度を目標に、出題範囲ごとにヨコ解きをしてみてはいかがでしょうか。
過去問6回分をやれましたら、これで直近3回分とあわせて、9回の過去問にトライしたことになります。合格率としては、80%のゾーンに突入します。
そして、回数をより多く解くこともさることながら、間違えた問題や、自信の無い問題の復習が大切です。解説や出典資料、参考書を参照して、理解を心がけましょう。腑に落ちていないと、次に出題されたときに同じ誤りをしてしまいます。
本試験で最もダメージが大きいのは、未知の問題が出題されることよりも、解いたことがある既知の問題が出題されたにも関わらず、自信を持って解けないことです。
エイ、ヤー!と試験直前に覚えるしかない!という内容も中にはあることは、否定はしませんし、それもアリですが、今の時期は落ち着いて、内容理解を心がけましょう。
時には参考書や資料をじっくり読みこんでしまう、そんな探求や没入も良いでしょう。そうした学びは、全く無駄になりません。
専門性を高めるきっかけを作る期間
余談になりますが、現在、みなさんが行っている試験対策の学びは、資格取得後の専門性を高めるための学びに繋がっています。
養成講座から続く、この試験対策の中で、興味ある理論や療法は見つかりましたか?追いかけていきたいテーマなどは見つかりましたか?
資格取得後は、好きな理論、得意な療法などを、実務とともに極めていくことになるかと思います。実務での活用のシーンを想像しながら、クライエントに対面している自らを想像しながら、理論や療法の知識を整理していきましょう。
キャリア理論、カウンセリング理論のマスターには
キャリコンを目指す皆さんですから、理論や療法は好きという方も多いのですが、なかには、理論家が苦手、という方もいらっしゃいます。
人事制度や労働法規や時事問題に比べると、養成講座から学びを始めており、馴染みはあるはずなのですが、どうも得意になれない、という方は、この時期に参考書や、養成講座テキストやジル資料をじっくりと読み込んでみることもお勧めしています。
渡辺先生のキャリアの心理学、ジル資料は内容がよくまとまっていますし、試験にもよく出ます。
また、下記の参考書もわかりやすく各理論、理論家をまとめており、試験対策になる問題も付属していますので、試験対策に直結します。
以前にみん合を試験対策にご活用いただいた方も執筆スタッフとして加わっているようです。理論がどうも、イマイチ、という方はご検討ください。
なお、理論家対策は概ね大丈夫、という方には不要ですので、その場合には、ご自身の苦手克服に努めましょう。
2級技能検定の学科試験直近3回分はおすすめ
国家試験の過去問攻略が一段落した方は、試験直前期でも良いですから、2級技能検定の学科試験にチャレンジしてみましょう。中でも直近3回分(23、25、26回)がおすすめです。
ちなみに、2級技能検定の学科試験は、前述のように国家試験と2020年度より出題範囲が同一となり、出題順序や出題割合もとてもよく似ています。
ただ、レベル感でいうと、実は資格としての上位級である2級技能検定の方が、国家試験よりも、やや得点はしやすい(35問は確保しやすい)傾向があります。2級は実技試験が大変難しいです。
2級学科試験の直近の26回などはかなり難しいですが、国家試験の第17回の方がさらに難しい、という印象ですから、両試験の難易度の最近の上昇を感じます。
2級の最近の問題では、時事問題や、最近の出題傾向も体感でき、国家試験の良い予行演習になることでしょう。なお、2級技能検定はみん合☆プラス会員限定で、過去問解説のページで公開しています。
前述の国家試験の6~9回分と合わせると9~12回分の過去問をやったことになります。全450問から全600問。ここまでやりましたら、合格に必要な知識は身についていると考えてよいでしょう。
もちろん、それ以上やるに越したことありませんが、寸暇を惜しんで、過去問解きにトライしてみてはいかがでしょうか。
最初の1~3回分は解説の確認まで含めますと大変時間がかかりますが、以降のヨコ解きでは、大分、所要時間が短縮されるはずです。似たような問題も多く、いちいち解説を確認しなくても済む問題もあるでしょう。
ミニマムな過去問攻略には
そんな~、9~12回分なんて無理という方、とにかく時間がないという方は、国家試験と2級技能検定の新出題範囲をタテにヨコに解いてみてはいかがでしょうか。
そのうえで、苦手を克服するような戦略でミニマムな対策をするという方策も、無くはないでしょう。
そんなミニマムな対策のためのタテヨコくんもご用意しています。
出題範囲マトリックス・タテヨコくん(新出題範囲両試験版)[2級技能検定第25回〜26回&国家試験第15回〜第17回]【PDF版】【Excel版】
時事的な問題や資料問題に備える
時事的な問題や官公庁資料問題への対策に頭を悩ませている方は、とても多いのではないかと思います。過去問や各自お持ちの問題集に目途がついてきましたら、試験日までの残り期間は時事的な問題や資料対策に時間を割くようにしましょう。
とはいえ、何が出るかは神のみぞ知ります。
未知の問題対策は大変難しいと私も感じます。コスパという点では、既知、既出の問題対策の方が良いのですが、最近の試験ではコロナ禍の影響などの時事的な内容も比較的タイムリーに出題される傾向もあり、出来る対策はしておいた方が良いと感じています。
出来る対策として挙げられるのが下記になります。
・令和2年度能力開発基本調査(PDF)
・第11次職業能力開発基本計画(PDF)
この2種類については、(後者は読みづらいですが)じっくりと隅から隅まで精読をしましょう。移動時間、通勤時間などでも良いでしょう。また、精読の友として、楽習ノートプラスのまとめ編や問題編をご活用ください。
職業能力開発基本調査については、前回17回試験では、まさかの第10次でしたが、次はさすがに第11次でしょう。なお、内容的には第10次を踏襲した内容が多いですから、第10次の内容は、過去問で解いたものは確認しておきましょう。
そして、最近特にお問合せも多く頂いているのですが、気になる資料としては、下記があります。
・令和3年版労働経済の分析(PDF)
令和2年版の公開はなく、令和元年版の次が3年版となりましたが、今年7月中旬に公開された資料です。
これまでの傾向では、6月公開の資料が12月の試験で出題されたり、3月末公開の資料が8月上旬の試験で出題されたことがありました。
それを考えますと、7月中旬公開の資料が、10月末の試験に出題されるかどうか、という点では、試験までの期間が短く、出題可能性が高いとは言えないかもしれませんが、その内容は出題されそうな危険な内容が盛りだくさんのため、みん合では「要注意」と位置付けています。
なお、労働経済の分析は、労働力調査や一般職業紹介状況などの各種調査結果などの集大成の位置づけにもなる資料ですので、出典として、労働経済の分析からの出題ではなくても、2020年の統計資料の出題としての可能性はあるのではないかと考えています。
労働経済の分析の構成には特徴があります
PDFファイルが開ける方は、令和3年版の上記データを開き、巻頭の目次をご覧ください。
ここ数年の本資料の構成は、2部構成となっていまして、第Ⅰ部ではいつも「労働経済の推移と特徴」と題して、雇用指標のデータなどを振り返っています。
また、第Ⅱ部では毎回異なるトピックでの特集記事が掲載されます。令和3年版では、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大が労働者の働き方に及ぼした影響に関する課題」が特集記事として組まれています。
過去の出題内容を振り返りますと、第Ⅰ部からの出題のケースと第Ⅱ部からのケースの両方がありまして、各部から1問ずつ出題されたこともあります。
第Ⅱ部からの出題については、その年版固有にテーマとなりますので、対策としては、その年版の内容を読み込んでおくことしかありません。
半面、第Ⅰ部からの出題は、これまでは完全失業率や有効求人倍率、正規、非正規の雇用の状況、外国人雇用者の状況など、定番と言えるような出題実績があり、出題を予測した対策が可能です。
令和3年版に掲載されているデータは、2020年(暦年)までのデータですから、完全失業率や外国人雇用の状況などは、これまでにみん合でも取り扱っている内容も多いですが、第Ⅰ部の気になるデータについては、近日中にみん合でも情報提供を行います。
お待たせしてしまいすみませんが、ただいま分析を深めていますので、公開の折にはご活用ください。
また、第Ⅰ部では、これまでにはない新章、第5章「新型コロナウイルス感染症の感染拡大が雇用・労働に及ぼした影響」」や第6章「新型コロナウイルス感染症の感染拡大期における雇用対策」があります。
第Ⅱ部の特集記事とあわせて、気になる内容です。
膨大な資料、見出しをチェックしよう。
とはいえ、約400ページ近くある本資料の全部を精読、読み込むのは大変です。精読する、というよりも、文章の前の「見出しを確認する」方法をお勧めしています。
例えばですが、令和3年版のP20の見出し。
「求人・失業の情勢は長期的に改善傾向であったが、2020年には弱い動きとなった」
コロナ禍で、それはそうですね、と同意しながら、本文では紹介されている、完全失業率の数字などを確認しましょう。2019年と2020年の数値とアップダウンの趨勢をチェックしておきましょう。
そして、趨勢としてはダウン(悪化)だが、「思ったよりは下がっていない」とか、「いや深刻だ」などのご自身の感想も併せてもっておくと、数値が自分事として捉えられ、記憶の定着に役立ちます。
資料を読み込むときは、「そうだよね」とか、「え?そうなの?」という感想を大事にしてください。そして、違和感を感じたものは特にインプットしておきましょう。違和感がないものは、出題されてもスムーズに解けることでしょう。
また、過去の労働経済の分析の出題内容につきましては、過去問解説の中で「令和3年版」での記載内容の追記が先日完了しています。やらなくても良い問題などは出ていませんが、労働経済の分析の問題に関する加筆変更のポイントについては近日中に、気になるデータなどとともに、お知らせいたします。
そして、他の資料については、過去問の確認のなかで、出たところをチェックする、というのが基本動作となります。
合否をわける28日間
残り4週間。
キャリコン受験生は忙しい方ばかり。これは以前から言えることです。公私に及び、様々な役割や責任を負ったみなさんばかりです。
寸暇を惜しんで、得意を伸ばし、苦手を克服していきましょう。そして着手した問題については、自分のものにしていきましょう。
慌ただしい日々になるかと思いますが、ベストを尽くしましたら、良い成果がついてくるはずです。
そしてこれから、寒暖の差が大きくなる時期です。健康管理にはくれぐれも気をつけて、頑張っていきましょう。
また焦ってしまいそうになったら、深呼吸して、1問解きましょう。間違えた問題を見直しましょう。気分が下がってしまったら好きな理論家の問題を解きましょう。
学びの悩みは学びで解消しましょう。
応援しています。
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