第19回キャリアコンサルタント試験まで、あと49日。
過去問を基点とした学習を既にスタートしている方は、是非、出題範囲ごとに関連する問題をヨコ解きをして、得意は伸ばし、苦手を克服していきましょう。
苦手克服のためには、時に参考書や資料をじっくりと読み込むことも大切です。丁寧にその背景や理由、特徴を整理することで理解が深まり、苦手から得意へと転じることも少なくありません。
さて、本日は、みなさんからのご相談も多い、官公庁資料に関連する問題対策について、これまでの出題傾向(ランキング)や出題や対策のポイント、さらにはヨコ解きリンクをお伝えいたします。ヨコ解きリンクで紹介している直近3回分以前の過去問解説は、みん合☆プラス会員限定公開となります。ご了承ください。
これまで出題されている官公庁資料は、タイトル(表題)のある資料だけでも、みん合調べで、なんと100種類以上あり、また、新たな資料も試験実施の都度、追加的に出題されていますので、網羅的に事前に対策をすることは不可能と言えるでしょう。
ただし、明らかに、よく出題されている官公庁資料があります。
これまでの出題選択肢数を集計し、ランキングにて頻出資料を紹介します。【 】内の数字はこれまでの出題選択肢数です。
試験に出た!官公庁資料出題ランキング
これまでの試験でのベスト5を発表します。
第1位は…、やはりと言いますか…。
第1位:能力開発基本調査【96】
能力開発基本調査は、企業、事業所、労働者への調査により、能力開発や教育研修の実態を正社員・正社員以外別に明らかにし、職業能力開発行政に活用することを目的とした調査であり、厚生労働省が毎年行っています。
これまでの試験の中で出題されたことがないのは、たった一度、第3回試験のみです。
今後も、もちろん出題可能性が高い資料です。また、細かな内容も出題されることがあるため、この資料は、できればプリントアウトしてこれまでの出題箇所を中心に精査したり、移動時間などに見返したりすると良いでしょう。
なお、確認しておくべき版(バージョン)は、令和2年度版です。
楽習ノートプラスでは、能力開発基本調査のまとめ編と問題編(会員限定)をご用意しています。内容理解と問題演習にご活用ください。
過去の出題内容が多いため、下記よりご確認ください。過去の過去問解説についても、令和2年度版での調査結果を追記しています。
能力開発基本調査ヨコ解きリンク(国家試験+2級技能検定)
第2位:労働経済の分析【89】
経済や雇用、労働時間などの現状と課題について、統計データを活用して分析する報告書で、厚生労働省が作成しています。
通常は毎年作成されるのですが、令和元年版の次、令和2年版については、新型コロナウイルス流行の影響により作成が見送られ、最新版は令和3年版となっています。
過去の版に遡って出題されることは、時折あるために断言はできないのですが、新型コロナウイルスがもたらした社会経済、雇用経済、働き方等への影響を鑑みると、今後の試験では、最新の令和3年版が要注意です。
令和3年版は2021年9月に公開されており、そのデータの内容は2020年12月までのものが中心で、コロナの影響を受けているものが多いです。
完全失業率や有効求人倍率などの出題も、この資料から出題されることが多く、それらの2020年12月までのデータには要注意です。
なお、こちらの資料はページ数が膨大で、プリントアウトをして精読するのは現実的にはありません。雇用に関する内容を中心に通読して、楽習ノートプラスのまとめと問題で内容を確認しましょう。
令和3年度版は未出題のため、ヨコ解きリンクはないのですが、完全失業率や有効求人倍率など雇用指標に関する過去の過去問解説は、下記よりご確認ください。
なお、厚生労働省では本資料の要点動画を公開しています(You Tube)。内容理解に役立ちますので、スキマ時間や移動時間などにご覧ください。
「令和3年版 労働経済の分析」(労働経済白書)要点動画(全体版)※
※クリックするとYou Tubeに繋がり、音声が出ますのでご注意ください。
第3位:今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)【35】
こちらは出題範囲表のⅡ-7「学校教育制度及びキャリア教育の知識」でよく出題されている、学校におけるキャリア教育に関する中央教育審議会の資料です。平成23年の資料でやや古く、国家試験では第12回から出題は無いものの、キャリア教育の論点整理に役立つ、定番の資料といえます。
今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)
資料の分量は多く、学校教育関係者以外には、その内容は読みやすいとは言えませんし(ここだけのお話)、過去の出題箇所は限定されていますので、全体を通読するよりは、過去に出題された箇所を中心に確認しましょう。
特に、資料のP25からの「基礎的・汎用的能力」の内容の出題が多いです。
これは確認しておかないと、出題の際に対応ができませんので、試験直前期でも良いですから、この部分は過去問の内容と併せて、確認しておきましょう。
第4位:職業能力開発基本計画【29】
職業能力開発基本計画は、国の人材育成、職業能力開発の基本方針として、厚生労働省が5年毎に策定しています。
企業における人材育成を支援するとともに、労働者の主体的なキャリア形成を支援する人材育成戦略としてこの基本計画を位置付け、職業能力開発施策の方向性を定めています。本計画は5カ年計画であり、2021年度(令和3年度)から「第11次」計画がスタートしています。
キャリアコンサルタントとしては、国の人材育成の基本方針は頭に入れておいたほうが良いでしょう。能力開発基本調査と並び、プリントアウト推奨資料となります。
やや、読みづらいですが…(汗)
時期的にもこれまでの出題内容はすべて「第10次」でしたが、今後の試験においては「第11次」の内容が出題される可能性が高いでしょう。
なお、楽習ノートプラスでは、第11次計画のまとめ編と問題編(会員限定)をご用意しています。内容理解と問題演習にご活用ください。
「第10次」については、下記にて出題されています。出題可能性は低いのですが、第11次へと引き継がれた内容も多いため、正答と解説は、軽く確認しておきましょう。
第3回問1 第8回問2 第10回問17 第14回問1 第17回問13
なお、「第11次」は2級技能検定では、既に出題されています。
2級第26回問12 2級第27回問1(解説近日公開予定】
第5位:職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針【25】
職場におけるメンタルヘルスケアに関する基本的な考え方や、取り組むべき計画や仕組みづくりがわかりやすくまとめられたリーフレットです。
職場における心の健康づくり 労働者の心の健康の保持増進のための指針
なかでもセルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア、事業場外資源によるケアの、「4つのメンタルヘルスケアの推進」に関する出題が目立ちますので、特にP7の内容を確認しましょう。
出題内容は安定しており、ヨコ解きをしておけば対策は万全です。
以上がベスト5となります。
その他の資料は、過去問演習時に確認するのが基本戦略となりますが、下記の6位~7位の資料の出題は定期的にあり、特に最近、特に目立っているため、可能な限り対策しておいた方が良いでしょう。
第6位:年次経済財政報告【17】
年次経済財政報告は、総務省が毎年作成しており、経済の状況、課題と対策などについてがまとめられています。
最新版は、令和3年版が昨年9月に公開されており、コロナ禍の影響を踏まえて作成されています。特に第3章「雇用をめぐる変化と課題」を中心に移動時間やスキマ時間などに確認しておきましょう。内容は令和3年版労働経済の分析と重複するものもあります。
第7位:セルフ・キャリアドック導入の方針と展開【16】
企業におけるセルフ・キャリアドック導入、運用の際のマニュアル的な存在である、厚生労働省が作成しているリーフレットです。
セルフ・キャリアドックの定義や目的から、導入と実施のプロセス、キャリアコンサルタントの育成・確保や面談方法、フォローアップの方法に加え、面談シートの例やアンケート用紙の例など、実践的な内容で構成されており、企業内キャリアコンサルタントや企業へのキャリアコンサルティングを行う人にとっては、必ず目を通し活用すべきツールです。
今後ますます、出題の定番資料になるのではないかと感じています。
第7位(同数):インターンシップの推進に当たっての基本的考え方【16】
大学等におけるインターンシップの定義や在り方、大学での位置づけや受け入れる企業等の留意事項、労働関係法令の適用や、経費や報酬などに関する基本的考え方がわかりやすくまとめられた資料です。文部科学省、厚生労働省、経済産業省の連名での資料です。
10ページにも満たない資料ですから、過去問を解いた際に精読をしておきましょう。
以上、8種類の官公庁発信の資料について紹介しました。これらが特に要注意の資料です。その他の資料は、過去問演習時、問題演習時に出題箇所を中心に確認をする、という方法で良いでしょう。
みなさんの時間は有限です。メリハリを付けて対策しましょう。
資料御三家プラスワン
学科試験対策としては、1位の能力開発基本調査、2位の労働経済の分析、4位の職業能力開発基本計画を、資料御三家と位置づけています。
能力開発基本調査と職業能力開発基本調査は、プリントアウトをして用意して、出題箇所などをマーキングしたり、読み込んでおきたい資料と位置づけています。
労働経済の分析については非常にボリュームがありますので、雇用や働き方に関連する内容を中心に読んでおくと良いでしょう。
また、上記御三家については、出題可能性に合わせた対策ができるよう、楽習ノートプラスでまとめと問題(会員限定)をご用意していますので、ご活用ください。
また、第7位で紹介した「『セルフ・キャリアドック』導入の方針と展開」は、出題範囲「企業におけるキャリア形成支援」での頻出の資料になりつつあり、セルフ・キャリアドックの普及活用を重視している厚生労働省の姿勢からも、試験的にも実務的にも重要性が増してくると感じています。
幸い、添付資料を含めて38ページほどですから、これもプリントアウトして熟読すると良いでしょう。面談シートなどは、実務でも役立ちます。
数多くある官公庁資料からの出題ですが、雇用指標などのソースは労働力調査や一般職業紹介状況などの定番の資料であることも多く、同じ内容が重複して掲載されていることは少なくありません。
無限に出題される(かも)、という意識から、ある程度、出題可能性のある内容は有限である、と捉え、不安を緩和していきましょう。他の出題内容への対策も必要となりますので、バランス良く対策をしていきましょう。
第27回の過去問解説を制作中です。→完成しました!
昨年12月に行われた、キャリアコンサルティング技能検定2級(第27回)学科試験の過去問解説を現在制作しています。
2級技能検定は、国家試験と出題範囲が同様で、出題順序や割合もほとんど同じです。レベル感も程よく、また、時事問題などは国家試験よりもタイムリーに出題される傾向があり、2級で出題されてから、国家試験で出題されるものも、これまでには多くみられます。
上記でもピックアップしている、第11次職業能力開発基本計画は、国家試験ではまだ出題されていませんが、26回(昨年6月)、27回(昨年12月)に既に出題されています。
3月のキャリアコンサルタント試験対策に、是非ご活用下さい。なお、第18回から第26回までの過去問解説は、みん合☆プラス会員へ限定公開しています。特に25回、26回はやっておきましょう。
みん合☆プラス会員のご案内
キャリアコンサルタント試験の直近3回分以外(第1回〜第15回)の過去問解説や、試験傾向が非常によく似ている2級技能検定(第18回~第26回)や1級技能検定(第9~10回)の過去問解説、そのほか会員限定公開のページは、みん合☆プラス会員へ入会するとご覧になることができます。
学科試験対策のお伴に、是非ご検討ください。テキスト&問題集をお持ちでない方には、お得な書籍セットのコースもございます。
お気軽にご相談ください。
試験対策のご相談やご質問を、みん合☆では毎日、受け付けています。お気軽にお声をお伝えください。
コメントを残す