第27回キャリアコンサルタント試験を受験のみなさん、本当にお疲れさまでした。
合格を心よりお祈りしています。
第27回学科試験の過去問解説も完成しました。試験の振り返りに、または次回以降の試験合格を目指す方、そして12月8日の2級、1級技能検定を受験される方は、過去問研究の教材として、どうぞご活用ください。
出題範囲と出題数の検証
第27回過去問解説の完成に伴い、出題範囲マトリックス×タテヨコくんを更新しました。出題範囲マトリックス×タテヨコくんは、過去問解説のページから入手できます。
カバーしている試験の種類、回数により、バリエーションがありますが、国家+2級直近3回分(合計6回分)の「ミニマム」から活用してみてください。
出題範囲ごとの問題数や順序には、毎回、多少の変化はありますが、今回は第26回と比較して、どのような変化があったのかを検証します。
国家試験の直近3回分の出題順序や問題数を見てみましょう。【PDF版】【Excel版】
それを確認すると、今後受験する方は、試験の全体像をつかむことに役立ちます。
キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目
・冒頭の時事問題は、25回から2問体制が継続している。
・「キャリアに関する理論」が問4から問10まで「7問」連続するのは、出題範囲表改定後は初めて(通常は4問から5問程度)。
・ただしこれには理由、裏付けがあり、通常各1問程度の出題がある「中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識」と「人生の転機の知識」の出題がゼロであり、この2問分が「キャリアに関する理論」に置き換えられたと捉えることができる。
・つまり、「キャリア関連」の理論問題は通常通りの7問である。
・「カウンセリングに関する理論」は「2問」、「カウンセリングの技能」も通常の「2問」、「グループアプローチの技能」も通常の「1問」で、いずれも通常通りでした。
・「職業能力の開発の知識」は前回の3問から4問へ増加する一方、「企業におけるキャリア形成支援の知識」は4問から3問へ減少している。
・「学校教育制度及びキャリア教育の知識」は第23回から連続して3問体制。
・「仕事の理解の支援」は前回2問から1問へ減少する一方、「意思決定の支援」は前回1問から2問へ増加している。
・過去2回出題のなかった「自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識」が1問出題。
これらの後半の科目の変動はいつもあり、特に大きな変動ではない。
「キャリアに関する理論」の連続7問は異例でしたが、発達課題と転機の出題の代わりと捉えれば特に大きな変化はなかったと言えるでしょう。
出題順序についても、特に大きな変更はありませんでした。
・キャリア理論とカウンセリング理論、グループアプローチを含めたいわゆる理論(家)の問題は合わせて12問。これらの出題数はこうした傾向が続いています。
いわゆる理論に関する出題は、4分の1程度と捉えておきましょう。
みなさんのお声を聞くと、理論ばかり対策していた、というお声が少なくありません。理論の学習を優先させてしまう、お気持ちはわかる部分もあるのですが、理論対策に偏らないよう、意識しましょう。
費やす時間と得点の効率を考えた対策も大切です。
難易度は第25回からの難易度を維持
難易度が高かった第24回と比較しますと、第25回で若干易化したものの、その後の26回、そして今回の27回は第25回からの難易度水準を維持しているよう感じます。
詳細に見ると、私の主観コミではありますが、25回と26回の間くらいの難易度で、直近3回の難易度は似ている印象です。
過去問と似ていたり、ベースにしている問題はやはり多いものの、かつてのような過去問からのそのまま復活しているような問題はごく少なくなっており、「暗記よりも理解や読解力」の路線は第23回や24回から続いていると言えるでしょう。
難易度評価の一覧表も見てみましょう。過去問解説のページからでもご覧になれますが、こちらでもリンクしておきます。
第27回の難易度評価は、Aランク31問、Bランク15問、Cランク4問でした。これは、第26回の難易度評価と全く同じ結果でした。何の忖度や意図的な調整などはしていないのですが、私の主観的な印象も含め、難易度の印象は前回と似ていました。
自己採点合格率は84.4%
既報の通り、アンケートによる、みなさんの自己採点合格率は84.4%でした。
前回の第26回は86.5%(実際65.5%)、第25回は80.9%(実際63.7%)、第24回は77.3%(実際52.6%)でした。
【最近のみん合アンケートでの合格率と実際の合格率の差】
アンケート合格率 | 実際の合格率(2機関平均) | |
第24回 | 77.3% | 52.6% |
第25回 | 80.9% | 63.7% |
第26回 | 86.5% | 65.5% |
第27回 | 84.4% | ? |
上記のように、みん合のアンケートに答えてくださる方は、得点の高い、完成度の高い方が多い傾向があるため、自己採点結果は20%程度高くなることが多く、第27回の実際の合格率は65%前後になると予想しています。
詳しくは次のページで解説しています。
特徴的な出題について
キャリアコンサルタント試験は、概ね毎回、新しい資料や、初めての理論家や理論が登場しますが、今回の新資料、新理論家を整理しました。
【初出題資料】
・問1:令和5年高年齢者雇用状況等報告(厚生労働省)
内容的には高齢社会白書や他の資料などでもカバーできますが、本資料(報告)からの出題自体は初めてです。
・問2:第11回21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)の概況(厚生労働省)
これはマークしている人はいなかったのではないでしょうか。正解できなくてもやむを得ません。
・問30:令和4年度我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版過労死等防止対策白書)(厚生労働省)
こちらも他の資料でもカバーしている内容もありますが、初出の資料でした。
ほかには、問33の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」は、国家試験では第1回問13以来なので初出に近いですが、2級第31回問30で大問(選択肢4つ分の問題)として出題されていましたので、対策が出来ていた方もいるでしょう。やはり、2級はやるべしです。
その他の資料は、比較的定番のものが多かったです。
【資料御三家の出題】
今回は資料御三家、そろい踏みでした。能力開発基本調査は、最新の令和5年度版が出題されましたので、今後も来年夏の試験までは令和5年度版の可能性が高いです。能力開発基本調査は、もう一問くらい多く出ても良かった印象があります。
・令和5年版労働経済の分析→2問出題(問20、問22)
・能力開発基本調査→1問出題(問3)
・第11次職業能力開発基本計画→1問出題(問16)
労働経済の分析については、令和6年版の本格的な出題は夏(7月)試験からの実績が多いものの、私的には、内容的に気になっていまして、1月頃にまとめなどを楽習ノートプラスで公開する予定です。
【初出題理論家】
・問11:ジェンドリン(フォーカシング)
意外に思う方もいるかもしれませんが、フォーカシングを提唱したジェンドリンの人名自体は初出題です。
・問19:ハーシーとブランチャード(SL理論)
SL理論自体は、第11回問20に選択肢での出題がありますが、人名は初出題です。
そのほかでは、人名での出題はありませんでしたが、問45で「職場適応理論」が出題されました。職場適応理論を提唱したのは、ダウィスとロフキストであり、2級では第32回問9で出題されています。国家試験では未出題ですが、第27回みん合☆総仕上げ模試(問41)で出題、詳しく解説をしていました。
知らない内容も諦めずに考えてみる
毎回の試験において、ご自身が知らない、勉強していない内容が出題されることは「ある」と捉え、その場合には諦めずに思考してみることをおすすめしています。
例えば上記の問19のSL理論。
部下や後輩を育成する視点で選択肢を検討しましょう。そして、最もふさわしいと思うものを落ち着いて選びましょう。
また、問45の職場適応理論。
組織と働く人の関係性は、本来は、一方的なものではなく、双方向的な関係があってよいはずです。その視点で検討すると、選択肢1、2、4は一方通行的な捉え方をしていますから、消去法で3が残り、3は双方向的な関係を感じさせます。
矛盾のあるもの、辻褄が合っていないもの、という選択肢もあるものですから、○○理論はノーマークだった、と諦めずに選択肢を粘り強く検討しましょう。
今回受験されたみなさん、本当におつかれさまでした。
そして、次回受験のみなさんは、これから試験までの間、どうぞよろしくお願いします。
スタートページも、一部内容を改訂し、合格ルートマップを公開しましたので、是非ご覧ください。
応援しています。
みん合☆プラス会員のご案内
第28回(3月)試験対策のみん合☆プラス会員のご入会受付とご受講がスタートしています。次回合格目標の方は、どうぞご検討ください。
ご受講期間は、合格発表のある4月14日までです。
プラス会員への入会につきましては、詳しくは下記をご確認ください。
会員期限の延長について
第27回(11月)対策会員の方の会員期限は、合格発表のある2024年12月17日(火)までです。
その後も会員期間の継続を希望する場合には、有料(特別価格)にて第28回試験の合格発表がある、2025年4月14日(月)まで期限を延長できます。
また、これまでに会員だったすべての方は、延長手続きにてご入会(会員再開)が可能です。
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