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2級第33回学科試験を振り返る

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12月8日に行われた第33回キャリアコンサルティング技能検定の過去問解説が、先日完成しました。

完成とともに、ABCの難易度評価やタテヨコくんのアップデートも完了しました。それらのご案内も含め、今回の出題内容をなるべく多面的に振り返ります。

なお、今回の試験対策にプラス会員を活用していただいた方も多くいることから、会員期限が終了した方も、振り返りに活用できるよう、1月15日(水)までは、どなたでもご覧になれます。

そして、3月のキャリアコンサルタント試験合格を目指すみなさんにとっては、次回試験対策に役立つホットな教材です。どうぞご活用ください。

2級第33回過去問解説のページ

2級受験のみなさまへは、今週からスタートしている、面接試験でのご健闘と合格をお祈りいたします。

出題範囲と出題数の検証

2級第33回過去問解説の完成に伴い、出題範囲マトリックス×タテヨコくんを更新しました。出題範囲マトリックス×タテヨコくんは、過去問解説のページから入手できます。

カバーしている試験の種類、回数により、バリエーションがありますが、3月の国家試験や、7月の2級技能検定合格を目指す方は、国家+2級直近3回分(合計6回分)の「タテヨコくんミニマム」から活用してみてください。

出題範囲マトリックス×タテヨコくん

出題範囲ごとの問題数や順序には、毎回、多少の変化はありますが、今回は第32回と比較して、どのような変化があったのか(なかったのか)を検証します。

キャリアコンサルタント試験と同様に、2級技能検定も、出題範囲表に基づいて、出題範囲ごとに、概ね一定の割合で出題されています。

また、出題範囲表の内容は国家試験と同様です。

ですから、次回以降の国家試験対策にも役立つ内容が2級の学科試験にもたくさん盛り込まれています。

出題順序や出題割合の変化はほぼ無し

2級技能検定の直近3回分の出題順序や問題数を見てみましょう。【PDF版】【Excel版

主な出題範囲からの出題数に大きな変化はありませんでした。上記の資料をご覧になるとわかりますが、ほぼ変動がありません。

難易度は難化傾向がつづく

難易度については難化傾向がみられます。これは前回の32回も感じた印象です。

難易度評価の一覧表のABC評価を比較してみると、Cランクの難問が2級では多く出題される傾向があることがわかります。最近の国家試験では、Cランクは5問前後になることが多いです。

A(易しい) B(差が付く) C(難問)
第28回 24 21 5
第29回 25 19 6
第30回 31 11 8
第31回 27 19 4
第32回 29 13 8
第33回 26 15 9

全体的には前回と似た評価になりましたが、第32回よりもAランクが少なく、Cランクが若干多いことから、32回もさらに難しかったのではないかと捉えています。

ABC評価はあくまで独断と偏見による、みん合原田調べではありますが、そのような印象を持ちました。特に今回は、「重箱の隅をつつく」ような問いがいくつかありました。

最近の合格率の推移(前低後高?)

最近の試験の学科試験合格率は以下のとおりです。

学科合格率 実技合格率
第28回(前期) 57.40% 17.63%
第29回(後期) 68.87% 15.36%
第30回(前期) 58.18% 17.72%
第31回(後期) 74.05% 15.14%
第32回(前期) 52.30% 16.81%
第33回(後期)

実技試験は10%台半ばの合格率で安定しています。

一方、学科試験については、50%台の低い合格率になることもあれば70%を超える回もあり、不安定です。

また、後期試験の学科試験の合格率が高い傾向がありましたが、おそらく今回は32回並、またはそれ以下になるのではないかと予測しています。

難易度は、最近の試験の中で「」と位置づけています。

続いて、出題内容の特徴を洗い出していきましょう。

初出の理論家

初出の理論家にはトーンスタム、初出に近い理論家ではバルテスの出題がありました。

・トーンスタム(問26)

1級での出題はあるものの、2級・国家試験での出題は初。「老年的超越」の概念を提唱しました。これは、老年になり、起床、食事、排便、話す、歩く、寝るなどの日常の行為をするにも「ありがたい」という感覚が生じることをいう。すべてのものに感謝する、ということかと捉えています。

また、同じ問題で登場するバルテスについては、過去に一度だけ、2級技能検定で人名での出題がありました(2級第23回問27)。

バルテスは、それまでの発達心理学が幼児期から青年期を研究の中心としていましたが、それを老年期までの「生涯発達心理学」として捉え直した功績があります。

詳しくは過去問解説(第33回問26)でご確認ください。

他の理論家は頻出理論家が多く、問題も比較的解きやすいものが多かったです。

なお、上記の初出理論家は、国家試験へのスライド出題もこれまでにもありますので、要注意です。

初出の資料

2級、国家試験を通じて初出の資料は次の2種類です。

就職氷河期世代支援に関する行動計画2024(問1)

2級、国家試験を通じて、就職氷河期世代に関する本格的な出題は、意外にも初めてであり、今後の出題も予想されます。

長年、置き去りにされてしまった対策であるとともに、社会保障制度などとあわせ、今後ますます切迫した課題になると思われます。

今後の支援のためにも、一読しておくとよいでしょう。

特にP10からの採用企業側の受入機会の増加につながる環境整備は出題しやすそうな気がしました。

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版(問14)

ただし、内容的には三位一体の労働市場改革に関する問いで、最近の国家試験の第26回問22の知識でも対応が可能でした。

そのほかは定番資料からの出題でした。

資料御三家の出題

令和5年度能力開発基本調査(問2、問12、問42)

直近の第27回国家試験と同様に、最新の令和5年度版からの出題でしたが、問2はこの3年間の経年変化が問われる難しい内容でした。問2と問12は大問(選択肢4つ分)でしたが、問42は選択肢の一つとしての出題もありました。

令和5年版労働経済の分析(問17)

労働経済の分析からは1問のみ、第2部からの出題でした。

御三家のもう一つ、第11次能力開発基本計画からの出題はありませんでした。

その他の資料

その他の資料は、両試験において定番のものが多かったです。

一般職業紹介状況(問16)

2023年の有効求人倍率の趨勢が出題されました。2023年(度)までの主要な雇用指標は、楽習ノートプラスの次のページで確認しましょう。

2023年(度)までの完全失業率と有効求人倍率【まとめ編】

≪会員限定≫2023年(度)までの完全失業率と有効求人倍率【問題編】

『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(問16)

外国人労働者数(200万人超え)について出題されました。コロナ禍においても増加し続けている点にも注意しましょう。

対策は楽習ノートプラスで。

【令和5年】「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【まとめ編】

≪会員限定≫令和5年「外国人雇用状況」の届出状況まとめ「本試験レベル問題集」

令和5年度学校基本統計(学校基本調査)(問21)

現時点では令和6年度のものも公表されていますが、12月の公表のため、3月の国家試験はまだ令和5年度の出題可能性の方が高いかもしれません。

健康づくりのための睡眠ガイド2023(問25)

国家試験の第26回問31でも出題がありましたが、それに比べると今回の内容は大変、難しい内容でした。どこまで対策しておくかが難しい資料ですが、試験前に余力があれば、という位置づけと捉えています。

インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方(問29)

両試験で頻出の資料ですが、今回は「取得した学生情報の採用活動への活用」のテーマに特化した出題内容でした。

事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン(問30)

両試験で頻出の資料です。なんと、2級技能検定では29回から5回連続出題です。

落ち着いて35問の獲得を

全体像を改めて広い視野で俯瞰して、合格戦略を捉えます。

2級技能検定でも国家試験でも言えることですが、難問の登場(連続)に「心折れずに」、35問を獲得することが合格の秘訣です。

2級でも、国家試験でも言えることですが、難易度の高い問題が続くゾーンと比較的易しい問題が続くゾーンがあります。

問題ゾーン別の難易度評価

10問区切りで問題ゾーンを分けてみると、問11~問20、問21~問30においてはCランク(難)の割合が高く、逆にAランク(易)が特に少ないことがわかります。

第33回 Aランク Bランク Cランク 合計
問1~問10 6 4   10
問11~問20 2 5 3 10
問21~問30 2 5 3 10
問31~問40 7 1 2 10
問41~問50 9   1 10
  26 15 9 50

これまでの問題ゾーン別難易度の傾向を、第28回から第33回の6回分の合計で見てみましょう。全6回分(300問)でのABC評価の問題ゾーン別の割合です。

最もCランクの出題割合が高いのは「問11~問20」、ついで「問21~問30」でした。

一方、最もAランクの出題割合が高いのは「問41~問50」が際立っています。Cランクの難問は、毎回少ないです。

ブリッジス方式(終わりからはじめる?)

そのため、みん合では、本試験問題は「後ろから解く作戦」も推奨しています。

以前に国家試験についても分析して記事と動画にしていますが、2級でも同じ傾向があります。

問題は前から解くか?後ろから解くか?【出題範囲別難問率】

難問が続くゾーンは確かにありますから、Cランクの問題については、獲得できなくてもやむを得ない、他で取り返して35問を超える、という気持ちで試験に挑むことも大切です。

ただし、過去問や問題集などで学習済みの内容は必ず獲得しましょう。

2級も国家試験も、学科試験対策には両方の直近3回分(合計6回分)の過去問を対策の軸とすることをおすすめしています。

6回分で300問(1200選択肢)あります。これに合格問題集の200問(800選択肢)を加えますと、合格に必要十分な問題演習量として位置づけている500問(2000選択肢)に達します。

3月の国家試験、6月の2級を目指すみなさんは、この問題数のマスターを目標にすることをおすすめしています。

その際には、選択肢ごとに判断ができるかどうかを、マスターの目安にして、それが出来ない選択肢は、解き直しをしましょう。

今年も引き続き、合格に役立つ情報、教材提供を絶え間なく行います。

どうぞよろしくお願いします。

みん合☆プラス会員を募集しています。

第28回(3月)試験対策のみん合☆プラス会員を募集しています。

次回合格目標の方は、どうぞご検討ください。ご受講期間は、合格発表のある2025年4月14日までです。

なお、6月の2級対策の方は、3月2日から受講期間がスタートする、第29回(7月)試験対策のコースがおすすめです。

プラス会員への入会につきましては、詳しくは下記をご確認ください。

書籍をお持ちではない方は、みん合☆プラス会員と書籍のセットでお得に購入できます。

【テキスト&問題集(第3版)】出題範囲ごとのまとめと、一問一答の問題が収載されており、知識のインプットとアウトプットをバランスよく行えます。2023年7月に改訂版の第3版を刊行しました。第2版からの加筆箇所はこちらをご覧ください。特徴やレビューは、Amazonをご確認ください。2024年度の改訂予定はありません。

【合格問題集(第2版)】
かつての「総仕上げ問題集」を改訂、「合格問題集」へ名称を変更しました。本試験と同様の四肢択一式の問題集で、過去問を徹底研究した実践的な問題演習が出来ます。出題傾向分析のページと四肢択一式問題、模擬問題を収載。特徴やレビューは、Amazonをご確認ください。改訂にあたり全200問中、約40問を変更しています。

みん合サイト、会員限定ページを、次回試験に向けてさらにパワーアップさせてまいりますので、試験対策のお供に、どうぞご活用ください。

合格目指して一緒に頑張っていきましょう。