第18回問36~問40の解き方
第18回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
問36.カウンセリングの技能
「カウンセラーの資質」という切り口での設問は珍しいのですが、対人支援の基本姿勢から仲間外れを探しましょう。
1.○:カウンセラー自身の長所を自覚し、それを支援に生かすことは適切である。
2.×:「健康で素晴らしいキャリア」をベースに「人を救ってあげようという強い気持ち」での支援では、独善的で、指示的なものになってしまう恐れを感じる。
3.○:心の動きに敏感であることは大切なことである。
4.○:二律背反的なことはあるし、その葛藤を受け止められるような姿勢が必要である。
問37.グループアプローチの技能
グループアプローチに関する知識が問われたというよりも、問題文の読み方や解き方のみで不適切なものが判明してしまう問題でした。
選択肢のこんな表現に注意!
All表現=すべて、いつも、いかなるときも
Only表現=のみ、だけ
Must表現=しなければならない(義務)
Can表現=することができる(可能、容認)
1.×:リーダーの存在は大切だが、リーダーシップによって「のみ」、グループの効果が決まるものではない。
2.×:グループアプローチでは確かに「今ここ」に焦点をあてるアプローチが多いかもしれないが、過去の振り返りや未来への思いを共有することもある。今ここ「のみ」とは言えないだろう。
3.×:例えば、構成的グループエンカウンターのルールの一つには「沈黙の自由を守るために発言を強要しない」とある。「いつも」オープンでいる必要はない。【ジルP120】
4.○:グループアプローチによる、感情的交流や互いを受け入れ合う体験を通じて、対人関係スキル等が身につき、日常生活への影響や心境、行動の変化はあるだろう。
問38.キャリアシートの作成指導及び活用の技能
ジョブ・カード制度に関する問題は、問14でも出題があり、2問目です。いずれもサイトに表記されている内容ですが、ジョブ・カードの役割、活用法を整理しておきましょう。
1.○:ジョブ・カードは、個人のキャリアアップや、多様な人材の円滑な就職等を促進するため、労働市場インフラとして、キャリアコンサルティング等の個人への相談支援のもと、求職活動、職業能力開発などの各場面において活用するものである。【マイジョブ・カード】
2.○:学生のメリットとして、キャリア教育プログラムの実施、就職活動の際にインターンシップ、キャリア教育等の状況、自らの目標等をジョブ・カードに記入することにより、学生自らのキャリア・プランニング等のためのツールとして活用することができる。【マイジョブ・カード】
3.○:在職労働者のメリットとして、生涯を通じたキャリア・プランニングのためのツールとして、個人の履歴や、キャリアコンサルティング等の支援を通じた職業経験の棚卸し、キャリア・プラン等の情報を、ジョブ・カードに蓄積するとともに、その後のキャリアコンサルティング等の際には、蓄積した過去の情報を抽出し活用できる。【マイジョブ・カード】
4.×:職場での仕事ぶりについての評価への活用は難しいが、ジョブ・カードを活用して在職労働者の実務成果、職業能力を評価することにより、在職労働者のキャリア形成の促進、職業能力の見える化の促進を図ることができる。人材の育成や、求人による人材の確保に活用することができる。【マイジョブ・カード】
問39.相談場面の設定
最近では第12回や第16回で出題されている、ラポールに関する問題です。
ラポールは「信頼関係」の方がお馴染みかもしれませんが、ラポール=「親和関係」という表現も、第3回問36でも出題がありますから、インプットしておきましょう。傾聴など支援の基本姿勢からアプローチしましょう。
1.×:「説得力に満ちた指導関係」は不適切。支援は指示的ではなく、支持的に。
2.×:分析しようとする姿勢より、理解しようとする姿勢が大切である。
3.○:ラポールは全過程において重要であるが、初回面談でのラポールづくりは特に重要といってもよいだろう。
4.×:できる限り同情するように聴く、は不適切である。相手を受容したり、共感することは同情ことではない。
問40.自己理解の支援
自己理解のためのアセスメントツールから、職業レディネス・テスト(VRT)に関する出題です。第17回に続いてのVRTでしたが、第17回よりは解きやすい内容でした。
1.○:全体的に低い、もしくは高い状態は「未分化」といえる。無理に「分化」していると解釈してはいけない。
2.○:興味や適性の傾向を確認することが目的であり、得点の高さが望ましいわけではない。
3.○:職業興味や自信度は変化する。
4.×:タイトルにもあるように仕事に就くためのレディネス(準備)のためのアセスメントツールであり、マッチング的に活用するための適職診断ではない。
基礎的志向性と職業志向性を測ることにより、職業に対する準備度(レディネス)を把握し、職業に関する自分のイメージをチェックしたり、進路選択への動機付けを促すことができる。【雇用問題研究会】
参考文献・資料