【技能検定】第27回問26~問30の解き方

第27回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問26.中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識

 スーパーの発達段階に関する出題です。スーパーは暦年齢に(ゆるく)関連する発達課題とそれとは関係のない、それぞれの異なる発達を歩む、心理社会的な発達課題を分けて捉えています。

1.○:個人のキャリアは、心理社会的成熟や環境適応についての課題を達成するにともない発達していく。【渡辺先生P44】

2.×:内容が逆である。

キャリア発達は、暦年齢にゆるく関連した予測可能な発達的課題、あるいは年齢との関係をもたず不連続で予測不能な適応課題によって促される。【渡辺先生P44】

3.×:キャリアを「外的キャリア」と「内的キャリア」の2つの軸から捉えたのは、スーパーではなく、シャインである。【渡辺先生P157】

4.×:自らの限界を受容するのは、維持段階(45歳~)の発達課題である。【渡辺先生P47】

問27.中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識

 続いても、スーパーに関する出題です。問3もスーパーでしたから、この27回2級試験では、大問として3問、スーパーからの出題でした。なお、ライフ・キャリア・レインボーからの出題は、両試験を通じてあまり多くありません。

1.×:ライフ・キャリア・レインボーの図表から、「子ども」としての役割は、一般的には両親が亡くなる中高年期まで続く。【渡辺先生P49】

2.○:確立段階における「向上期(31~44歳)」には、キャリアパターンが明確になるにつれて、職業生活における安定と保全のための努力がなされる。多くの人にとって、創造的な時期である。【渡辺先生P47】

3.×:ライフ・キャリア・レインボーの図表から、労働者であるとともに、家庭人であり、市民でもあり、余暇人でもある。学習者としての役割もありうるだろう。【渡辺先生P49】

4.×:ライフ・キャリア・レインボーの図表から、家庭人であるとともに、市民でもあり、余暇人でもある。【渡辺先生P49】

問28.人生の転機の知識

 両試験を通じて珍しい穴埋め問題です。このような形式で出題されても、慌てずに内容を検討しましょう。

正答.3

A.ホール:プロティアン・キャリア(変幻自在なキャリア)を提唱したのはホールである。【渡辺先生P171】

B.シュロスバーグ:自分の役割、人間関係、日常生活、考え方を変えてしまう出来事を、人生上の出来事の視点から見た「トランジション」とした。【渡辺先生P188】

そして、どんな転機でも、それを見定め、点検し、受け止めるプロセスを通じて乗り越えていくことができるとした。【渡辺先生P193】

問29.人生の転機の知識

 シュロスバーグの理論について、必ずおさえておきたい、基本的な内容が問われています。渡辺先生の著書の該当部分の確認とともに、内容を整理しておきましょう。

1.○:転機は、予測していた転機、予測していなかった転機、期待していたものが起こらなかった転機の3つのタイプに分けられる。【渡辺先生P193】

2.○:転機を乗り越える資源である4Sとして適切である。【渡辺先生P193】

3.○:転機を理解するための構造の3つの部分として適切である。【渡辺先生P193】

4.×:問28のBの内容と関連する。

シュロスバーグは、転機を、発達段階の移行期としてのものではなく、人生上の出来事の視点から捉えている。結婚、離婚、転職、引っ越し、失業、本人や家族の病気などのような、その人独自の出来事自体に注目し、その対処に焦点をあてている。【渡辺先生P188】

問30.個人の多様な特性の知識

 障害者雇用対策基本方針の出題は両試験を通じて初めてです。全18ページほどの資料です。できれば、一読しましょう。

 障害者雇用対策基本方針

1.×:知的障害者は、十分な訓練・指導を受けることにより、障害のない人と同様に働くことができることを踏まえ、作業工程の単純化、単純作業の抽出等による職域開発を行う。【P11】

2.×:精神障害者については、臨機応変な判断や新しい環境への適応が苦手であり、職務の難度を段階的に引き上げたり、短時間労働から始め、勤務時間を段階的に延長するなど、本人の状況に応じ職務内容を軽減する等必要に応じ勤務の弾力化を図る。【P12】

3.×:聴覚・言語障害者ではなく、視覚障害者の内容である。視覚障害者は、あん摩・はり・きゅうといったいわゆる、あはき業における就労に大きく依存せざるを得ない状況にあることから、ヘルスキーパー(企業内理療師)や、特別養護老人ホームにおける機能訓練指導員としての雇用等、職場の拡大に努める。【P10】

4.○:中途障害者とは、脳血管障害や難病、交通事故などで突然に障害をもった人のことをいう。突然の環境変化が起こるため、仕事面、生活面、全般でのサポートが必要となる。

必要に応じて休職期間を確保した上、円滑な職場復帰を図るため、OA機器等の技能習得を図るとともに、必要に応じて医療、福祉等の関係機関とも連携しつつ、地域障害者職業センター等を活用した雇用継続のための職業リハビリテーションの実施、援助者の配置等の条件整備を計画的に進める。【P11】

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