【第27回対策】問31~問40の解説
第27回対策「みん合☆総仕上げ模試」正答と解説
目次
問31.中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識
正答:2
1.×:これは基本訓練(16~25歳)の段階での特定の課題である。【木村先生P232】
2.○:キャリア中期の危機(35~45歳)の段階での特定の課題として適切である。他には、「現実を受け入れるか、別の未来を選ぶか明確な選択を行う」などがある。【木村先生P232】
3.×:これは「非指導者役にあるキャリア後期」の特定の課題であり、40歳から引退までと位置づけられている。家庭の空の巣問題は、子の社会的な独立後などに起こる。【木村先生P232】
4.×:これは「衰え及び離脱」の段階の特定の課題である。【木村先生P233】
問32.人生の転機の知識
正答:3
1.×:シュロスバーグはこのような「発達段階の移行期としてのトランジション」ではなく、結婚、離婚、転職、引っ越し、失業、本人や家族の病気などの「人生上の出来事の視点から見たトランジション」を転機と捉えている。【渡辺先生P188】
2.×:ニコルソンのキャリア・トランジションのプロセスは、準備、遭遇、適応、安定化の4つの段階からなる。
3.○:プライアとブライトのキャリア・カオス理論の内容として適切である。プライアとブライトはクライエントのキャリア行動に影響を与えるものとして「アトラクタ(引き寄せるもの)」による制約に着目して、バタフライ・モデルを提唱している。【ジルP50】
4.×:逆である。ブリッジズは、転機のはじまりを何かが始まるときではなく、何かが終わるときであるとした。【渡辺先生P194】
問33.個人の多様な特性の知識
正答:3
1.×:身体障害者が最も多い。身体障害者は52万6千人、知的障害者は27万5千人、精神障害者は21万5千人、発達障害者は9万1千人である。【令和5年度障害者雇用実態調査/調査結果の概要(P1):PDF】
2.×:身体障害者では、事務的職業が 26.3%と最も多く、次いで生産工程の職業(15.0%)、サービスの職業(13.5%)の順に多くなっている。【令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書(P9):PDF】
なお、知的障害者はサービスの職業、精神障害者は事務的職業、発達障害者はサービスの職業が最も多い。
3.○:身体障害者、知的障害者、精神障害者、発達障害者のいずれにおいても、「会社内に適当な仕事があるか」の割合が最も高い。【令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書(P27):PDF】
4.×:令和6年度は2.5%、令和8年度から2.7%に引き上げられる予定である。【令和5年度からの障害者雇用率の設定等について:PDF】
問34.個人の多様な特性の知識
正答:1
1.○:育児をしている者に占める有業者の割合は、男女別にみると、男性が99.0%、女性が73.4%である。【令和4年就業構造基本調査結果の要約(P22):PDF】
2.×:最も多いのは「医療、福祉」であり、次いで「卸売業、小売業」である。【令和4年版働く女性の実情(P1):PDF】
3.×:最も多いのは、「労働条件が悪かったため」であり、次いで「病気・高齢のため」「定年のため」が続く。【令和4年就業構造基本調査結果の要約(P26):PDF】
4.×:令和4年の一般労働者(常用労働者のうち短時間労働者以外の者)の所定内給与額の男女間の賃金格差は、男性を100とした場合に女性は約75である。【令和4年版働く女性の実情(P29):PDF】
問35.カウンセリングの技能
正答:4
1.×:マイクロカウンセリング技法はアイビーらによって開発されたが、内容はヘルピング技法の特徴である。【木村先生P371】
ヘルピング技法の覚え方:カカオ 煎て くり(かかわり技法・応答技法・意識化技法・手ほどき技法・援助過程の繰り返し)
2.×:ヘルピング技法はカーカフによって開発されが、内容はマイクロカウンセリングの特徴である。【木村先生P371】
3.×:コーヒーカップ・モデルは國分康孝が提唱したが、順序が異なる。リレーションづくりから始まり、問題の把握、問題解決の段階から構成される。【木村先生P374】
4.○:カナダ雇用移民省「個人雇用カウンセリング-システマティックアプローチ」は、かつて、ピービィによるものとされていたが、後に、べザンソンとデコフによるものであることがわかった。【木村先生P376】
「個人雇用カウンセリング-システマティックアプローチ」は、日本では1980年代初頭にカナダから導入し、雇用職業総合研究所(後の労働政策研究・研修機構)で日本語訳したものを1990年代後半にキャリアコンサルティング施策の中に取り込まれることとなった。
問36.カウンセリングの技能
正答:2
1.○:一方、開かれた質問は、一言では答えられないような、クライエントの自由な応答を促すような質問である。【ジルP100】
2.×:これは明確化の内容である。【ジルP100】
「くり返し」は、クライエントが言った通りの言葉を、そのまま繰り返すことであり、積極的に傾聴し、共感的に理解しつつある姿勢がクライエントに感じられるようになる。【ジルP99】
3.○:確認は、質問技法やくり返し、この後で述べる要約などを用いて行う。【ジルP101】
4.○:カウンセラーが理解した内容とクライエントが理解してもらいたいと思っている内容とが一致しているかどうか、お互いに確認していく作業である。【ジルP101】
問37.グループアプローチの技能
正答:4
1.○:その意味では個別カウンセリングの構成と同様である。【キャリアカウンセリング入門:P123】
キャリアカウンセリング入門は新版キャリアの心理学でお馴染みの渡辺三枝子先生の著書です。受験対策上、マストではありませんが、グループアプローチの特徴や目的等の出題が時折ありますので、出題の参考にしました。
2.○:メンバー一人ひとりのキャリア発達を含む心理的発達を促進強化することが目的である。【キャリアカウンセリング入門:P123】
3.○:理屈っぽい人、批判的態度の強い人はグループに向かないといわれている。【キャリアカウンセリング入門:P124】
4.×:グループプロセスでは不十分なことも多く、個別カウンセリングの補完として、グループカウンセリングを用いたり、その逆もありうる。【キャリアカウンセリング入門:P125】
問38.キャリアシートの作成指導及び活用の技能
正答:4
1.○:就職・転職サイトなどの外部ウェブサイトとの連携サービスを行っている。【マイジョブ・カード:PDF】
2.○:職業能力証明(免許・資格)シート(様式3-1)に記入する。
3.○:職業能力証明(学習歴・訓練歴)シート(様式3-2)に記入する。
4.×:自分の価値観、強み、弱みや、将来取り組みたい仕事や働き方などを記入するのは、「キャリア・プランシート」(様式1-1及び1-2)である。
キャリア・プランシート(就業経験のない方用・学卒者用):様式1-2
なお、主なジョブ・カードは他には、職務経歴シート(様式2)がある。
問39.相談場面の設定
正答:2
1.○:また、目標は固定的なものではなく、変更可能である。【木村先生P380】
2.×:明確に宣言され、かつ到達可能であるとき、人を最も動機づける。【木村先生P380】
3.○:カウンセラーとクライエントと共同で目標に向けて、どこまで進んだかなどをチェックする。【木村先生P380】
4.○:なお、目標設定は、クライエントがカウンセリングを終了してよい、と思える状態を明らかにするためにも必要である。【木村先生P380】
問40.自己理解の支援
正答:2
1.○:54枚のカードに書かれている仕事内容への興味や、その仕事を行うことについての自信を判断できることに加えて、カードにはDPTの基礎的志向性が記載されている。【労働政策研究・研修機構】
2.×:これは、キャリア・インサイトではなく、キャリアシミュレーションプログラムである。【労働政策研究・研修機構】
キャリア・インサイトは職業選択に役立つ適性評価、職業リストの参照、職業情報の検索、キャリアプランニングなどを実施できる総合的なキャリアガイダンスシステムである。【労働政策研究・研修機構】
3.○:15種類の下位検査(11種類の紙筆検査と4種類の器具検査)によって9つの適性能を測定する。【労働政策研究・研修機構】
4.○:6種の職業興味はいわゆるRIASECの6領域であり、5つの傾向尺度には、自己統制、男性-女性、地位志向、稀有反応、黙従反応がある。【労働政策研究・研修機構】