第27回問46~問50の解き方

第27回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問46.相談過程の総括

【A】「こんなキャリアコンサルタントは嫌だ」という視点で、面談場面を想像して検討しましょう。

正答:4

1.×:終結の同意に至らない理由などを確認する。

クライエントの同意を得て、カウンセリングを終結する。【木村先生P397】

2.×:キャリアコンサルタントの判断で相談の続行を働きかけるのは不適切である。終結の申し出の理由などを確認する必要がある。

3.×:「よりも」表現には気をつける。

終結の事情よりも、今後の対応を説明することに多くの時間をかける。

4.○:行動の変容や目標達成について、クライエントとカウンセラーで客観的に認識し、共有し、終結やリファーについて話し合うことは適切である。

延々とカウンセリング関係が続くことは好ましくない。【木村先生P399】

問47.ネットワークの認識及び実践

【A】ネットワークはあるに越したことはない、と捉えておきましょう。また、「あれば十分」といった表現に気をつけましょう。

正答:2

1.○:こうしたネットワークの構築は適切である。

2.×:「あれば十分」といった表現には気をつける。外部とのネットワークは必要である。

例えば、働く人の職場復帰支援や治療と仕事の両立支援においては、医療機関や産業医、支援機関など、外部とのネットワークを有効に活用できる場合もある。

3.○:こうしたネットワークの構築は適切である。

4.○:キャリアコンサルタント倫理綱領第8条3において、以下のように規定されている。【PDF

キャリアコンサルタントは、相談者の利益と、より質の高いキャリアコンサルティングの実現に向け、他の分野・領域の専門家及び関係者とのネットワーク等を通じた関係を構築し、必要に応じて連携しなければならない。

問48.自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識

【A】経験豊富なキャリアコンサルタントへのスーパービジョンの必要性については、以前にも問われたことがあります。ベテランだからこその、スーパービジョンの必要性、有効性は「ある」と捉えておきましょう。

正答:4

 キャリアコンサルタントの継続的な学びの促進等に関する報告書

1.○:キャリアコンサルタントの支援内容の前提として適切である。【P6】

2.○:対人支援に携わる者の姿勢として適切である。【P6】

3.○:現状での課題として実践経験に個人差があることを指摘している。【P6】

4.×:経験を積んだキャリアコンサルタントについても、定期的にスーパービジョンを受けること等を通じて、主体的に高みを目指して行動変容することが求められる。【P6】

問49.キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢

【A】やや判断の難しい選択肢もありますが、選択肢2は「こんなキャリアコンサルタントは嫌だ」系の内容ですから、迷わずに判断しましょう。

正答:2

1.○:推測や解釈は、見立てや方針立て、次回以降の面談時に本人に確認する際等に役立つが、事実と推測、解釈が混同しないよう整理しておくことは適切である。

2.×:キャリアコンサルタントの関心事が、クライエントの主訴や問題点であるとは限らないし、決めつけや思い込みはカウンセリングにおいて厳禁である。

3.○:「一言一句正確に」はどこまで記録上で再現できるか、という疑問を感じるものの、沈黙や非言語的な要素もクライエントの心の表れとして記述する。

4.○:スーパービジョンの効果として適切である。

問50.キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢

【A】相談場面を思い浮かべ、支援の基本姿勢から判断しましょう。

正答:3

1.×:キャリアコンサルタントとクライエントは指導的な関係ではなく、支持、支援的な関係である。クライエントが目標を避けたがる理由を丁寧に確認する。

2.×:クライエントがどんな効果や進展を期待しているのかは、まさに目標設定や相談内容に大きく影響する。キャリアコンサルタントとクライエントは同じ目的を持った協働関係にあり、話をよく聞いたうえで、それらの質問を行う。

3.○:スーパーバイザーに意見を聞くことについて、趣旨を説明し、了解を取ることは適切である。

4.×:アセスメントの実施は、実施の目的、理由、特徴などについて説明をした上で行う。「時間が押していた」は省略の理由にならない。

以上、全50問の解説をお伝えしました。おつかれさまでした。

全50問の目次