【技能検定】第33回問31~問35の解き方

第33回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問31.個人の多様な特性の知識

【C】障害者雇用促進法における障害者の定義が問われた難しい問題です。紹介している条文については一読しておきましょう。また、精神障害者保健福祉手帳については、大問として細かな内容が、国家試験第24回問29で出題されています。

正答:2

1.×:短期的なものは含めない。障害者雇用促進法では以下のように用語が定義されている。

障害者:身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者をいう。【障害者雇用促進法第二条

2.○:障害者雇用促進法では以下のように定義されている。

知的障害者:障害者のうち、知的障害がある者であって厚生労働省令で定めるものをいう。【障害者雇用促進法第二条

なお、知的障害者の判定は児童相談所、知的障害者更正相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医または障害者職業センターの「知的障害者判定機関」によって行われる。【厚生労働省:PDF

3.×:障害者雇用促進法では以下のように定義されている。

精神障害者:障害者のうち、精神障害がある者であって厚生労働省令で定めるものをいう。【障害者雇用促進法第二条

なお、障害者雇用促進法における精神障害者の範囲は、次のいずれかに該当し、症状が安定して就労が可能な状態にある人をいう。

1. 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方
2.統合失調症、そううつ病又はてんかんにかかっている方(1に該当する方を除く)

つまり、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けていない場合も該当する。【厚生労働省:PDF

4.×:発達障害者も含む。選択肢1で紹介している定義にも明記されている。

障害者:身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者をいう。【障害者雇用促進法第二条

問32.カウンセリングの技能

【A】カウンセリングの技能(技法)に関する、基本的な内容が出題されています。しっかりと獲得しましょう。

正答:4

1.×:マイクロカウンセリングの「積極技法」は、カウンセラーがより能動的かつ指示的に関わる。たとえば対決技法では、クライエントの言動の矛盾を提示し、その事実について気づかせて積極的にそのことについて考えてもらう。【ジルP83】

2.×:「要約」は、カウンセラーが、ある程度聴いたクライエントの話のポイントをつかんで、自分が理解した内容をカウンセラー自身の言葉で要約してクライエントに伝え返す作業のことである。クライエントの気持ちの部分に触れることもありうる。【ジルP101】

3.×:「自己一致」は、クライエントとの関係において、キャリアコンサルタントが心理的に安定しており、ありのままの自分を受容していることである。自己開示してアドバイスすることではない。【木村先生P110】

4.○:「問題把握」の内容として適切である。

クライエントがある感情を抱いているのに、その感情を曖昧にしか感じられないとき、あるいは気づいていないときに、その気持ちをカウンセラーが汲み取り、カウンセラーの言葉でフィードバックする「明確化」も問題把握の方法の一つである。【ジルP101】

問33.キャリアシートの作成指導及び活用の技能

【B】ジョブ・カードの様式について、細かな内容が問われており、特に正答選択肢3の「様式3-3-1-1職業能力証明(訓練成果・実務成果)シート」の出題は両試験で初出題でもあり、積極的な正誤判断は困難でした。消去法でアプローチしましょう。

正答:3

1.×:キャリア・プランシートには、強みだけではなく、弱みを認識しそれを克服するために努力していることなどを記入する。【マイジョブ・カード:様式1-1キャリア・プランシート

2.×:職務経歴シートには、インターンシップやアルバイトを含め、今までの職歴を記入することで経歴が可視化できる。【マイジョブ・カード

3.○:職業能力証明シートには、様式3-3-1-1職業能力証明(訓練成果・実務成果)シートがあり、訓練前に評価項目の設定などを行い、訓練終了後にこれに記入することにより評価を行う。【厚生労働省

4.×:キャリア・プラン作成補助シートは、自分の個性や性格、大切にしたい価値観、自分の強みや弱みなどを振り返るためのワークから構成されている。

自己理解に役立つシートだが、心理学的な検査は含まれていない。【マイジョブ・カード:キャリア・プラン作成補助シート

問34.グループアプローチの技能

【A】やや解釈が難しい選択肢もありましたが、メンバーの行動を規定する基準や、メ設定された役割、与えられた権利のもとで、グループアプローチが行われる点から、より適切なものを選択しましょう。

正答:1

1.○:このようにルールが守られない場合には、グループワークを軌道に乗せるため、リーダーやファシリテーターは介入を行う。【(参考)木村先生P414】

2.×:選択肢1と同様に、ルールが守られない場合には、グループワークを軌道に乗せるため、リーダーやファシリテーターは介入を行う。【(参考)木村先生P414】

3.×:グループワークへの参加は必ずしも強制されるものではなく、限られた時間の中で原因を明らかにすることは、グループワークの進行上も適切とはいえない。

4.×:積極的に参加しているメンバーに声をかけ、雰囲気を盛り上げることで、さらに参加していないメンバーとの間に温度差が増してしまう状況が予想され、不適切である。

問35.グループアプローチの技能

【A】前回に続いて、構成的グループ・エンカウンターからの出題で、基本的な内容が問われています。また、2級第29回問34の改題と思われます。

正答:3

1.×:インストラクションは、参加への理解を求め、モチベーションを高め、結果としてリーダー、メンバー相互への信頼感を高めるために行う。【木村先生P413】

2.×:インストラクションとは、エクササイズのねらいや内容、留意点などを丁寧に説明することである。【木村先生P413】

3.○:シェアリングとは、エクササイズに取り組んで「感じたこと、気づいたこと」を共有することである。【木村先生P413】

4.×:介入は、メンバーが自分で自分の権利を守れない場合、インストラクション通りの作業をしない場合、ルールが守られない場合などに、グループを軌道に乗せるためにリーダーが必要に応じて行う。【木村先生P414】

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