【技能検定】第33回問36~問40の解き方

第33回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問36.相談場面の設定

【A】カウンセラーの3つの基本的態度である、受容的態度、共感的理解、自己一致に照らして検討しましょう。

正答:1

1.○:温かい信頼に満ちた信頼関係とは、「ラポール」の構築のことである。

「温かい信頼に満ちた信頼関係」をつくり、維持することが大切である。【木村先生P402】

2.×:受容的態度とは、カウンセラーがクライエントに対して無条件の肯定的関心を持つことである。【木村先生P110】

3.×:理解的態度という言葉は、主要な参考書などでは見当たらなかったが、カウンセラーに求められる基本的態度には、共感的理解がある。

共感的理解は、クライエントの内的世界を共感的に理解し、それを相手に伝えることである。【木村先生P110】

4.×:自分の中に起こっている感情や思いを抑圧し、笑顔で対応することは、カウンセラーの基本的態度ではない。

カウンセラーは、(抑圧ではなく)ありのままの自分を受容している自己一致(純粋性)の状態であることが、基本的態度として求められる。【木村先生P110】

問37.方策の実行の支援

【A】珍しい事例(ケース)研究の問題です。カウンセリングのステップやラポールの状況など、不明な点はあるものの、相談者の問題把握に努め、クライエントの動機づけを引き出すことや、権利を尊重した方策の実行の支援として、最も適切なものを検討しましょう。

正答:1

1.○:カウンセリング関係として、クライエントへの支援の姿勢として最も適切である。

2.×:厳格なスケジュール管理や、それを守らせるための監視まで行うことは、個の尊厳を尊重しない内容であり、不適切である。

3.×:自分で解決する能力を引き出すことは大切だが、直面する課題への助言等の支援を、あえて最小限に抑えることは適切とはいえない。

4.×:励ましながら計画通り進めるよう強く求めるのは、問題の把握には繋がらず適切とはいえない。

問38.自己理解の支援

【A】進路や職業選択のための自己理解は、進路や採用に関わる多くの人にも伝わるよう、客観的なアウトプットを行う必要があります。なお、本問は2級第27回問38とほぼ同じ内容でした。

正答:2

1.○:自己理解を通じて、分析された自分の特徴をもう一度全体としてまとめて描写することによって、それまで漠然としていた自分の像が明らかになり、自分の言葉で説明できるようになる。【木村先生P131】

2.×:自分を描写する言葉や方法は、客観的でなければならない。自分にしか通じない言葉や内容であってはならない。【木村先生P131】

3.○:自己理解には、自己の個性について知るだけでなく、自己と環境との関係、つまり環境の中の自己について知ることも含まれる。【木村先生P132】

4.○:個人は生涯にわたって職業活動に従事し、キャリアを形成するが、その間、自己とキャリアの関係は絶えず変化し、選択が繰り返される。【木村先生P132】

問39.自己理解の支援

【A】アセスメントツールの活用法に関する出題で、不適切なものを選択することは比較的容易でした。なお、選択肢4の「VRTカードの事例集」はアンケートに回答すると無料でPDFファイルを入手できます。

正答:4

1.○:アセスメントツールは、クライエントの自己理解の手助けをする。【木村先生P146】

2.○:紙筆検査は紙と筆記用具を使う検査であり、授業やセミナー等での実施に向いている。

3.○:パソコンを用いたキャリアガイダンス・システムの代表的なものには、キャリア・インサイトがある。【労働政策研究・研修機構

4.×:例えば、カードソートタイプのツールの一つである、VRTカードは、学校現場においては、個別指導で活用する場合もあるが、グループワークや、授業においても活用されている。【VRTカード事例集(労働政策研究・研修機構)】

問40.仕事の理解の支援

【C】前回の第32回問40では「しょくばらぼ」の難問が出題されましたが、今回はjob tagの難問が出題されました。

リニューアルにより職業情報の「追加」はあれど、「削除」はないだろう、という視点でのアプローチが出来たかどうかがポイントにて、正しく解答できなくてもやむを得ないでしょう。

job tag(職業情報提供サイト)の2024年3月のリニューアル内容

正答:3

1.○:IT分野の職業に、賃金・タスク情報が追加された。

2.○:職業適性テスト(Gテスト)の検査が拡充され「運動共応」を測定する検査が加わった。

なお、運動共応とは、眼と手または指を共応させて、迅速かつ正確に作業を遂行する能力のことである。

3.×:職業情報は、削除ではなく、新しいデータが追加された。

具体的には、個々の職業情報に UX/UIデザイナー、アニメ制作進行管理、自動車板金塗装等の10職業が追加された。

4.○:サイトの使い方動画が掲載された。【サイトの使い方動画

なお、他のリニューアルのポイントとしては、「教育現場におけるjob tagの活用についてのリーフレットが掲載」された点と、「教育訓練給付制度情報管理・検索システムとの連携が強化」された点がある。

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