【技能検定】第33回問41~問45の解き方

第33回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。

問41.仕事の理解の支援

【C】前回の問41と同じく、職業情報に関するサイトに関する横断的な問題ですが、正答選択肢はやや意地悪な出題内容でした。選択肢2や3に関しても両試験で初出題の難問でした。

正答:4

1.○:職場情報総合サイト(しょくばらぼ)は、勤務実態などの働き方や採用状況に関する企業の職場情報を検索・比較できるサイトであり、若者雇用促進総合サイトは、若者雇用促進法に基づき職場情報の提供を行う企業の情報を検索できるデータベースである。どちらも厚生労働省が開設している。

2.○:2023年3月期の有価証券報告書から、「女性管理職比率」、「男性育児休業取得率」及び「男女間賃金格差」の開示や、「人材育成方針」や「社内環境整備方針」の開示が求められるようになった。【金融庁:PDF

なお、有価証券報告書は、金融商品取引法で定められた、企業の決算情報をまとめた書類であり、主に上場企業に作成義務がある。

3.○:経済産業省のgBizINFO(ジービズインフォ)では、法人番号や法人名から企業等の活動情報が検索できる。

4.×:女性活躍推進法に基づき、全国の企業が女性の活躍状況に関する情報・行動計画を公表しているのは、厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースである。

女性応援ポータルサイトは、各省庁における女性への支援施策に関するリンク集の位置づけであり、内閣府男女共同参画局が開設している。

問42.キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動

【A】生産性向上人材育成支援センターについては、直近の国家試験第27回問15で同様の選択肢が出題されていました。両試験の出題範囲は同様で、出題内容には相互に親和性がありますので、対策に組み込みましょう。

正答:2

1.×:キャリア形成・リスキリング相談コーナーでは、在職労働者・求職者を対象にジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを無料で実施している。【キャリア形成リスキリング推進事業

2.○:生産性向上人材育成支援センター(生産性センター)は、企業の人材育成に関する相談支援から、課題に合わせた人材育成プランの提案、職業訓練の実施まで、企業の人材育成に必要な支援を一貫して行っている。【高齢・障害・求職者雇用支援機構

3.×:ジョブ・カードを活用して様々なキャリア形成支援やリスキリング支援を無料で行っているが、DX人材の養成のためのリスキリング講座は開講していない。【キャリア形成リスキリング推進事業

4.×:最終学歴別の自己啓発の実施率は次の順であり、大学院(理系)が最も高い。

【令和5年度能力開発基本調査(厚生労働省、P50)より一部抜粋:PDF

問43.キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動

【A】職業能力開発推進者の選任状況は、しっかり覚えておきましょう。

正答:3

1.○:直接の出典は不明だが、能力開発基本調査においても、キャリアコンサルティングを行うしくみがない事業所のうち、キャリアコンサルティングを行っていない理由としては、「労働者からの希望がない」が最も多いことが報告されており、このような理由も考えられる。【令和5年度能力開発基本調査(P28):PDF

2.○:直接の出典は不明だが、キャリアコンサルティングの導入における、経営者のコミットメントの重要性については、頻出資料である「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開でもプロセスの最初に位置づけられている。【「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開(P8):PDF

3.×:職業能力開発推進者の選任状況は、「すべての事業所において選任している」とする企業が10.0%である。【令和5年度能力開発基本調査(P10):PDF

4.○:時折、両試験で出題があるが、厚生労働省でも以下の周知をしている。

平成30年7月の職業能力開発促進法施行規則等の改正により、職業能力開発推進者を「キャリアコンサルタント等の職業能力開発推進者の業務を担当するための必要な能力を有する者」から選任するものと規定された。【厚生労働省:PDF

問44.環境への働きかけの認識及び実践

【A】環境への働きかけ、支援の基本姿勢からアプローチしましょう。

正答:3

1.○:従業員が実務の経験を通じて、自ら職業能力の開発および向上を図れるよう、人事・教育部門に働きかけることは適切である。

2.○:キャリア開発研修を、ライフキャリア上での課題が生じやすい時期や年齢の節目等に開催することの重要性を、人事部門に働きかけることは有益である。

3.×:問43の選択肢2でもふれられていた、経営層を始めとした社内の意識醸成だけではなく、対象従業員に係るフォローアップや、組織的な改善措置の実施においても、上司や職場または経営者へ支援することはある。【「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開(P24):PDF

4.○:人事部門や産業医・保健師、現場管理職、労働組合などとあらかじめ連携体制を構築しておくことは適切である。

問45.環境への働きかけの認識及び実践

【A】環境への働きかけに関する問いではあるものの、問われている本質は、守秘義務に関する問題です。本人の了解と相談者の利益の実現の点から検討しましょう。

正答:1

1.×:2つの点から不適切である。

職業能力開発促進法(第三十条の二十七)、キャリアコンサルタント倫理綱領第5条において、キャリコンサルタントの守秘義務が規定されており、それに反する。

また、ストレスチェックの結果を事業者が入手するには、結果通知後の本人の同意が必要である。【ストレスチェック導入ガイド(P9):PDF

2.○:本人の了解のもとに、職場環境の整備を図るなど課題解決に努めることは適切である。

3.○:「ただちに」の表現が気になるが、ハラスメント対策の重要性を考慮した上で、本人の了解のもと、相談内容に応じ必要な体制の整備や雇用管理上必要な措置について、事業主へ直言することは適切である。

4.○:選択肢2と考え方は同様である。

本人の了解のもとに現場の上司や関連部署と相談して、職場環境の整備を図るなど課題解決に努めることは適切である。

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