【技能検定】第33回問46~問50の解き方
第33回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。
目次
問46.ネットワークの認識及び実践
【A】ネットワークに関する基本的な内容が問われています。
正答:2
1.○:人的なネットワークを棚卸しをすることの効果として適切である。
2.×:キャリアコンサルタントのサポート資源は、人的ネットワークが唯一というわけではない。
例えば、医療機関や教育訓練機関、行政機関や各種支援団体や相談窓口もあり、別の角度で言えば、各種アセスメントツール、ハローワークインターネットサービスや、job tag(職業情報提供サイト)などのWebサイトもサポート資源になる。
3.○:キャリアコンサルタントの社会的役割の拡大や、変化への柔軟な対応ができるように、各領域の専門家を招き、学びの機会を設けることは重要である。
4.○:キャリアコンサルタントの任務の範囲や連携については、キャリアコンサルタント倫理綱領においても規定されている。
第8条 キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、自己の専門性の範囲を自覚し、その範囲を超える業務や自己の能力を超える業務の依頼を引き受けてはならない。
(2は省略)
3 キャリアコンサルタントは、相談者の利益と、より質の高いキャリアコンサルティングの実現に向け、他の分野・領域の専門家及び関係者とのネットワーク等を通じた関係を構築し、必要に応じて連携しなければならない。
問47.自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識
【A】スーパーバイザーの面談への同席については、国家試験の第24回問48でも出題実績がありますが、同席の必要性に関する説明と同意が必要です。
正答:4
1.○:スーパーバイザーの同席についての相談者への説明と了解(同意)があれば可能である。
2.○:スーバーバイジーが持つ、スーパービジョンへの期待として当然にありうる。
3.○:スーパービジョンに期待する効果として適切である。
4.×:(注:個人的な見解も込みだが)スーパービジョンにおけるスーパーバイザーとスーパーバイジーの関係は、丁稚奉公の師弟関係ではなく、むしろ、カウンセリング関係に似ている。
そのため、ありのままを伝えることが大切で、それが両者にとって、気づきや成長の機会にもなりうる。
問48.自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識
【A】キャリアコンサルティングの理論的根拠の理解の必要性については、両試験で度々出題されています。なお、2級第29回問47とほぼ同じ問題でした(選択肢2のみ異なる)。
正答:3
1.×:キャリアコンサルタントに求められる学習の領域には、すべてのキャリアコンサルタントが学ぶべき共通領域と、各自の専門性を発揮する領域がある。【キャリアコンサルタントの継続的な学びの促進に関する報告書(P6):PDF】
2.×:自己の相談能力向上とともに、環境へのはたらきかけをスムーズに行えるよう、人事部門との協働を含めた組織理解を深める必要がある。【キャリアコンサルタントの継続的な学びの促進に関する報告書(P4):PDF】
3.○:自身が活動する地域でのネットワークの構築は大切である。問46で問われたネットワークの重要性と繋がる内容である。
4.×:キャリアコンサルティングの理論を理解する重要性は、渡辺先生も著書で触れているが、先生は同時に、理論にもとづいた技法・ツールを選択し使いこなすのもカウンセラー自身であり、理論に振り回されないことが重要であるとも、同時に伝えている。【渡辺先生P6】
問49.キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢
【A】令和6年に改正されたキャリアコンサルタント倫理綱領からの出題です。内容を一読しましょう。
正答:1
1.○:第4条(社会情勢の変化への対応)の内容である。
第4条 キャリアコンサルタントは、個人及び組織を取り巻く社会・経済・技術・環境の動向や、教育・生活の場にも常に関心を払い、社会の変化や要請に応じ、資格の維持のみならず、専門性の維持向上や深化に努めなければならない。
2.×:第9条(説明責任)に反する。
第9条 キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、相談者に対して、キャリアコンサルティングの目的及びその範囲、守秘義務とその範囲、その他必要な事項について、書面や口頭で説明を行い、相談者の同意を得た上で職責を果たさなければならない。
3.×:第5条(守秘義務)に反する。相談者の同意が必要である。
第5条3 キャリアコンサルタントは、スーパービジョン、事例や研究の公表に際して、相談者の承諾を得て、業務に関して知り得た秘密だけでなく、個人情報及びプライバシー保護に十分配慮し、相談者や関係者が特定される等の不利益が生じることがないように適切な措置をとらなければならない。
4.×:第6条(自己研鑽)で情報技術の修得が明記されている。
第6条2 キャリアコンサルタントは、情報技術が相談者や依頼主の生活や生き方に大きな影響を与えること及び質の向上に資することを理解し、最新の情報技術の修得に努め、適切に活用しなければならない。
問50.キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢
【A】支援の基本姿勢からアプローチしましょう。なお、個人の価値観を伝えることについては、2級試験で複数回出題されています。自己開示が有効な場合もありますが、カウンセリングの根幹をなす重要な部分ではありません。
正答:2
1.×:キャリアコンサルタント個人の価値観や生き方を伝えることは、キャリアコンサルティングにおいて重要なことではない。
2.○:どのような変容を望んでいるのか、どうしたらそれができるかを相談者自らが認識できるよう援助することは、支援の基本姿勢として適切である。
3.×:相談対応の中には、学修相談など学生生活を行っていく上での様々な相談もありうるし、キャリア形成に影響する相談もあるため、明確な線引きは困難である。
4.×:自らの限界を自覚して支援する。問46選択肢4でも出題されているが、キャリアコンサルタント倫理綱領第8条(任務の範囲・連携)に明記されている。
第8条 キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、自己の専門性の範囲を自覚し、その範囲を超える業務や自己の能力を超える業務の依頼を引き受けてはならない。
おつかれさまでした。
間違えた問題、正誤判断ができなかった選択肢は、繰り返し確認しましょう。