第28回問36~問40の解き方

第28回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

問36.グループアプローチの技能

【B】構成的グループエンカウンターについて、やや難しい問題でしたが、第28回対策総仕上げ模試(問37)でゲシュタルト療法との関係について触れていたので、印象に残っていた方は解きやすかったでしょう。

正答:4

1.○:ふれあいと自己発見を通して、自分を理解すること(自己理解)、自分を理解するのと同様に他者を理解すること(自他発見)、自らの防衛やとらわれから解放され他者とふれあう過程を体感できることに、構成的グループエンカウンターのねらいがある。【ジルP120】

2.○:「構成する」とは、条件設定(場面設定)をすることであり、「枠を与える」と捉えて問題はない。【ジルP120】

3.○:木村先生の著書にも記述がある。

特に関連する理論として、ゲシュタルト療法、精神分析理論、論理療法、行動療法、来談者中心療法、交流分析、特性因子理論、内観法を挙げている。【木村先生P412】

なお、國分先生の著書においては、さらに踏み込んで、ゲシュタルト療法は構成的グループエンカウンターの基盤であると表現している。【構成的グループエンカウンターの理論と方法(P61)】

4.×:構成的グループエンカウンターは、本音と本音の感情交流(ふれあい)の中で、自己開示を通じて、他者の本音を受け入れるものであり、治療的カウンセリングとするのは違和感がある。【ジルP120】

問37.キャリアシートの作成指導及び活用の技能

【B】選択肢1のキャリア・プラン作成補助シートの種類(3種類)については、第28回対策総仕上げ模試(問38)がズバリ的中でした。お役に立てました。

マイジョブ・カードのサイトについて、知らなかった機能があれば、確認しておきましょう。

正答:1

1.×:キャリア・プラン作成補助シートには、学生用、在職者用、求職者用の3種類がある。【木村先生P344※】※マイジョブ・カードでも実物を見て、作成できます。

2.○:ユーザータイプや年代、フリーワードによりジョブ・カードの記入例を検索・閲覧できる。【マイジョブ・カード

3.○:キャリア・プラン作成補助シート(在職者用)において、ライフラインチャートが作成できる。【マイジョブ・カード

4.○:学生用、在職者用、求職者用の3種類のいずれにおいても、自分の価値観ややりたいことを明らかにできる。【マイジョブ・カード

問38.相談過程全体の進行の管理に関する技能

【A】「見立て」に関する大問は、最近の第26回問38でも出題がありました。あわせて確認しておきましょう。

正答:3

1.○:同定する、というのは見極めることである。キャリアコンサルティングにおいては「治療」の文言に違和感のある方も多いと思いますが、心理療法におけるカウンセリングにおける「見立て」と仮定すると違和感はない。

2.○:同定とは、問題点を特定し、見極めることである。

3.×:心理療法のカウンセリングにおいては、精神医学的なアプローチをすることもありうるが、「まず最初に」は不適切である。

4.○:クライエントの問題把握のために、いずれも必要な要因である。

問39.自己理解の支援

【A】誰でも体験が出来るGテストなどの自己診断ツールは、試験までの間に一度体験しましょう。体験したことがないと解くことが困難な問題も、しばしば出題されます。また、実務においても活用できます。

job tag(職業情報提供サイト:自己診断ツール)

正答:2

1.×:職業適性テスト(Gテスト)には、電卓が必要になるような計算問題はない。【Gテスト

2.○:「やりたい」「やりたくない」「どちらともいえない」で回答をするが、直感的に思ったまま回答することを、冒頭の注意書きで伝えている。。【職業興味検査

3.×:「価値観検査」のコーナーと思われるが、現実にできるかどうかではなく、今自分が感じる価値観を素直に回答することを、冒頭の注意書きで伝えている。【価値観検査

4.×:job tag(職業情報提供サイト)に、作業性格テストは存在しない。

job tag(職業情報提供サイト)の自己診断ツールとしては、2025年3月現在、以下の機能が実装されている。

職業興味検査
価値観検査
職業適性テスト(Gテスト)
仕事能力プロフィール検索
ポータブルスキル見える化ツール
job tag(職業情報提供サイト:自己診断ツール)

問40.自己理解の支援

【A】選択肢2の内容は、今回の問7選択肢1でも出題されていました。不適切な選択肢の判断は容易な問題でした。

正答:3

1.×:「よりも」には注意する。否定的な部分を直視することも必要だが、肯定的な部分を伸ばすことがカウンセリングにおいては、より大切である。

誰もが長所と短所を持っているのだから、長所を発見し、伸ばすようにガイダンスすることが大切である。【木村先生P153】

2.×:ホランドのRIASECは8類型ではなく6類型である。【木村先生P67】

3.○:検査は必要なものを、相談者には検査の目的を十分に理解してもらい、合意の上で行う。

検査の際の留意点については、木村先生の著書にある。【木村先生P138】

4.×:ジョブ・カードは、厚生労働省が様式を定めた「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」の機能を担うツールだが、例えばキャリア・プランシートで自らの価値観や強みを整理するなど、自己理解の促進を図ることができる。【マイジョブ・カード

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