キャリアコンサルタント試験出題実績の分析

キャリコンサルタント試験(学科試験)の特徴といえば、出題範囲が非常に広いことがあります。その広い出題範囲の中で、特に出題の多いトピックを、学習の過程で意識しておくことも、試験対策上、有効です。どの範囲からどのくらいの出題がこれまでにあるのでしょうか。

キャリアコンサルタント試験対策というと、スーパー、ホランド、クルンボルツにシュロスバーグ、ホール、サビカスetc…のキャリア理論(理論家)が真っ先に思う浮かぶ方も多いと思いますが、それらの出題は、毎回概ね、7問です。

7問が占めるウエイトは確かに大きいのですが、皆様の目標は35問の正解獲得です。バランスよく、過去問を使い知識を整理し、身につけていきましょう。

出題実績集計表を作成しました。

第1回~第4回の解説の改訂に併せ、これまでの7回分の出題実績をあらためて集計してみました。下記の集計表(PDF)をご覧いただき、学習の参考資料としてください。

 キャリアコンサルタント試験出題実績集計表(みん合調べ)

公表されている出題範囲には同じような内容が、科目間で重複していることもありますが、問題の順序なども加味して、どちらに属するか判断をしています。分類の難しい問題も中にはありますので、あくまで「みん合」調べとしてご覧ください。

なお、過去問解説では、この集計表のとおりの分類表記しています。

科目別出題数ランキング

出題範囲の表に沿った「科目別(全5科目)」の出題問題数のランキングです。(第1回~第7回)

順位 科目名 各回の問題数 これまでの合計
1位 4.キャリアコンサルティングの実務 17~20問 128問
2位 3.職業能力開発促進法、その他関係法令 14~16問 106問
3位 2.キャリアコンサルティングの理論 9~10問 67問
4位 1.キャリアコンサルティングの社会的意義 5問 35問
5位 5.キャリアコンサルタントの倫理と行動 2問 14問

最も出題の多い科目は第4科目。続いて多いのが、第3科目です。各科目の各回の問題数は毎回ほぼ同様で、全体に占める割合は概ね一定であることがわかります。なお、第4回試験以降の第3科目の存在感の大きさが気になります。

範囲別出題数ランキング

科目の一段階下の階層である「範囲」での出題数ランキングです。こちらの方が、より試験対策の学習で意識をしておきたい内容になります。「範囲」に内訳(分類)があるものについては、内訳(分類)ごとに集計しています

 キャリアに関する理論 問題数49

理論家の問題です。対策のポイントは、各理論家の理論の特徴のまとめ、ジル資料や渡辺先生、宮城先生、岡田先生の著書で理解を深めます。第1回試験から横断的に学習されると良いでしょう。仕上げは一問一答です。

 カウンセリングの技能・知識 問題数38

アイビーのマイクロカウンセリングやカーカフのヘルピングなど、カウンセリング技法が問われる範囲です。出典が多岐に及ぶこともありますが、基本書としては木村先生になります。過去問基点の学習が効率的です。

 自己理解の支援 問題数23

この範囲を含む、第4科目②相談過程において必要な技能・知識は、これまでに出尽くした感も感じられる出題範囲です。基本書は木村先生。過去問基点の学習に加え、心理検査などのアセスメントの種類についてよく整理しておきましょう。

 人事管理及び労務管理の知識 問題数22

やや対策がしづらい範囲です。よく出題される内容の一つには職能資格制度やCDPといった人事制度や施策があります。人事関連の職種の方には解きやすいのかもしれませんが、過去問以上の学習がむしろ難しいのが特徴です。

 職業能力の開発の知識 問題数21

5位は同数で2範囲ありました。まずは職業能力の開発の知識。この範囲で出典ナンバーワンは、頻出資料の「能力開発基本調査」です。また、職業能力評価基準などが頻出です。

 労働関係法令及び社会保障制度の知識 問題数21

毎回きっちり3問ずつ出題されています。学習内容は非常に幅広く、労働基準法や労働契約法といった労働関連法規から雇用保険などの社会保険関連法規までと幅広いです。深堀するときりがありませんから、過去問での出題法令を中心に重要なポイントを確認しておきましょう。

試験までの学習法≪横に解いてみよう≫

過去問を中心とした学習で、これまでの出題内容を確認し、出典をよく読み知識を入れ込みましょう。

なお、過去問は、回数ごとに1問~50問を一気に解く「縦に解く方法」と、出題範囲ごとに「横に解く方法」があります。

横に解く方法の例

例えば、今日は「範囲」の一つ、「メンタルヘルスの知識」を攻略しよう、と考えたら、第1回試験から、第7回試験の問49と問50(各回2問×7回分)を用意して解きます。

すると、これまでの出題内容(出典資料)にはいくつかのパターンがあることに気が付くでしょう。「みんなのメンタルヘルス」、「復職支援の手引き」、「職場における心の健康づくり」、「こころの耳」など…。

中には繰り返し出題されている内容もあり、出題傾向を肌で感じることができます。また、精神疾患の種類や特徴、治療法などをまとめておく必要性も感じるでしょう。

出題範囲ごとに「横に解く方法」によると、これまでの出題の偏りにも気づきますし(同じ選択肢とか出ています…)、何より、知識の肉付けがしやすく、短期的にこの試験を攻略するにはオススメの方法です。

みん合☆一問一答などで知識を固めましょう。

回を横断して横に解いた後には、みん合☆一問一答で、知識の確認をしてみてください。みん合☆一問一答は、「範囲」別に問題を用意していますから、スムーズに知識の確認ができるでしょう。

だまされたと思って、過去問を横に解いてからのみん合☆一問一答をやってみてください。

なお、みん合☆一問一答は、手軽にスマホ等で移動時間などに出来ますから、机に向かってじっくり学習できるときは、過去問を是非、横断的に解いてみてください。