第24回問36~問40の解き方
第24回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
問36.カウンセリングの技能
【C】選択肢の解釈において、選択肢1と4の客観的な適否の判断が困難な問題でした。
正答:4
1.×:被受容性は、他者から受容されている感覚であり、相談者の言葉を受け止め(評価し)、それをフィードバックすること自体は、不適切とは言えないのではないかとみん合では捉えている。
ただし、出題意図が、カウンセラーが感じた善悪良否などの「評価」と「フォードバック」の場合には、それは安心感や被受容性を高めることには繋がらず、不適切と判断することができる。
2.×:相談者の問題は、個別的で多様なものであり、単純化して捉えることは適切ではない。
3.×:「直ちに具体的な提案」は適切ではない。
ラポールを作り、問題を把握し、解決へと進む。拙速表現は指示や診察、代筆などと同様に、正誤判断におけるNGワードである。
4.○:キャリアコンサルティングの一般的内容として、木村先生の著書には次のような記述があるものの、自身の知識や情報、人脈などは限りがあり、相談者の利益の最大化を考えると、それを適切なものとするにはやや違和感がある。
・助言:援助者自身の知識、経験に基づいて助言する。【木村先生⑤P218、⑥記載なし】
判断の難しい問題である。
問37.グループアプローチの技法
【A】出典は不明なものの、正誤選択は容易な問題でした。
正答:2
1.○:グループメンバーからも情報を入手し、共有できる。
2.×:「自分だけが悩み孤立していることがわかる」ことは、グループアプローチに期待される効果ではない。
3.○:これらの経験により、肯定的な自己概念が形成されうる。
4.○:私的感情交流が促され、ソーシャルスキル(他者と適切に関係をつくる知識や技術)を学習できる。
問38.キャリアシートの作成指導及び活用の技能
【B】ジョブ・カードの書式の種類に関する出題は度々出題されています。百聞は一見に如かずですから、マイジョブ・カードの「作成する」画面で内容を確認しましょう。
正答:2
1.×:持っている免許・資格などは、「職業能力証明シート」に記載する。
2.○:「キャリア・プラン作成補助シート」は、キャリア・プランシートの作成に難しさを感じる方や、これまでの経験を具体化・整理したい方のための、キャリア・プランシートの作成前の準備段階に役立つシートである。
3.×:将来の目標とする職業、職務、働き方、習得・向上すべき能力等を実現するための職業生活設計を記載するのは、「キャリア・プランシート」である。
4.×:正社員経歴のほか、雇用形態にかかわらず、アルバイト、期間雇用、雇用型訓練等の経歴の棚卸しを記載するのは、「職務経歴シート」である。
問39.相談場面の設定
【A】支援の基本姿勢からアプローチしましょう。
正答:2
1.×:ラポールは、一旦形成されたとしても、全体を通して自然に維持されるものではない。
2.○:事務的にならないよう意識することも有効である。
温かい雰囲気の中で、クライエントが安心して話のできる信頼関係を樹立する。【木村先生⑤P285、⑥P378】
3.×:クライエントを取り巻く環境の問題や矛盾の確認は問題の確認に欠かすことはできない。
4.×:クライエントの内的準拠枠(内面的な意味づけ、思考の枠組み)を共感的に理解することがカウンセラーの態度には必要なのであり、カウンセラー自身の内的準拠枠や経験から解釈するのは適切ではない。
問40.自己理解の支援
【B】キャリア・インサイトは選択肢レベルでは度々出題されていますが、大問では、第13回問44、2級第22回問13のみです。消去法で3が残る、というアプローチもありますが、4と迷った方も多いと思われます。
4つ目の「機能」についてはしっかりと押さえておきましょう。なお、木村先生の著書が今回の出典と思われますので、該当箇所を確認しておきましょう。
正答:3
1.○:総合的なコンピュータ支援型キャリアガイダンス・システム(CACGS:Computer Assisted Career Guidance System)の1つである。【木村先生⑤P266、⑥P167】
なお、Webで閲覧するタイプではなく、パソコンにインストールして利用するスタンドアロン型である。また、購入にあたっては、講習受講が原則として必要である。職業訓練やハローワーク等での支援で活用しているキャリアコンサルタントも多い。【雇用問題研究会】
2.○:若年者用は単に「キャリア・インサイト」と呼ばれることもあるが、「EC」は、アーリーキャリア(Early Career)の略である。【木村先生⑤P266、⑥P167】
3.×:キャリア・インサイトには、次の「4つの機能」がある。【特徴と4つの機能】
問題文の3つの機能に加え、「キャリア・プランニング機能」がある。【木村先生⑤P266、⑥P167】
①適性評価機能(適性診断コーナー)
②職業情報の検索機能(職業情報コーナー)
③適性と職業との照合機能(総合評価コーナー)
④キャリア・プランニング機能(キャリア・プランニングコーナー)
4.○:興味の評価では、「職業レディネス・テスト」などと同様、職業興味の6領域
の考え方(RIASEC)でプロフィールが作成される。【木村先生⑤P267、⑥P168】
参考文献・資料
キャリアコンサルティング理論と実際6訂版木村周、下村英雄著(雇用問題調査会2022年)
雇用問題研究会