第26回問01~問05の解き方

第26回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!

選択肢の正誤と解説、参考文献をお伝えします。試験対策にお役立てください。なお、過去の類題の過去問解説のリンク先の内容は、直近3回分以外はみん合☆プラス会員限定公開です。

問1.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

【B】令和5年版労働経済の分析からの出題です。今回は本資料からの出題が3問ありました。次回11月(27回)、3月(28回)でも要注意です。

楽習ノートプラスにはまとめを用意していますので、ご活用ください。

令和5年版労働経済の分析第Ⅰ部ダイジェスト

令和5年版労働経済の分析第Ⅱ部ダイジェスト

 令和5年版労働経済の分析

正答:3

1.×:2019年までは転職等希望者と転職者の比率も上昇していたが、感染症の影響等もあり、2020年以降、転職等希望者と転職者の比率は大きく低下している。【P178】

2.×:転職しなかった理由をみると、「転職活動をする時間がない」に次いで「賃金や処遇の条件に対して希望に合うものが少ない」があげられる。【P182】

3.○:「新しい環境に不安だったから」が最も多くあげられている。中高年層では、会社の文化や求められる役割の違い等への不安が強いことがうかがえる。【P182】

4.×:「年齢層にかかわらず」は不適切。賃金変動を「増加-減少」で集計すると、20-34歳や35-44歳は「増加」の傾向がみられるものの、45-54歳は「減少」の傾向がみられる。【P180】

問2.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解

【A】前回に続き、時事問題が2問体制でした。職業能力開発促進法の改正については、第25回対策の総仕上げ模試で大きく取り上げていましたが、「義務付け」に注意すれば、正答選択は比較的容易でした。

正答:3

1.○:2022年4月の改正法の施行により、キャリアコンサルティングの機会を確保する場合には、キャリアコンサルタントを有効に活用するように配慮することが明文化された。【職業能力開発促進法第十条の三

2.○:労働者の求めに応じてキャリアコンサルティングの機会を確保することその他の援助を行うことが明文化された。【職業能力開発促進法第十条の三

3.×:キャリアプランを記入した人事台帳を整えることは、特に改正内容とは関係なく、義務化されているものでもない。

4.○:改正以前から明記されている内容である。【職業能力開発促進法第十条の三

【参考サイト:パーソルキャリアコンサルティング

問3.キャリアコンサルティングの役割の理解

【A】本資料からの出題は、問13でもありました。学び・学び直しは、問22の「三位一体の労働市場改革の指針」において、三位一体の一角をなしており、もはや国の労働政策の柱です。

 職場における学び・学び直し促進ガイドライン

正答:2

1.×「のみ」の表現には注意する。

学び・学び直しの方向性・目標の決定に際してのみ支援するのではなく、学び・学び直しが継続できるような伴走支援を行う。【P5】

2.○:キャリアコンサルタントは、管理職等の現場のリーダーへのサポート役や、管理職等の現場のリーダーと労働者との仲介役としての役割も期待される。【P6】

3.×:職業キャリアが長い労働者であればあるほど、これまでのキャリアをどう活かすかという観点がより重要になってくるため、キャリアの棚卸しの効果が一層期待できる。【P10】

4.×:自社で得ることのできない能力・スキルや経験の獲得・実践の場 として、副業・兼業や在籍型出向を活用し 、本業に活かすことが期待されるものであり、企業内のキャリアコンサルティングの対象にもなりうる。【P13】

ヨコ解きリンク

「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」からの出題(大問)は次のとおりです。

第23回問13 第24回問42 今回問13 

問4.キャリアに関する理論

【A】パーソンズに関する大問(選択肢4つ分の問題)は、第24回でもありました。「錨」といえば、アンカーです。

正答:2

1.○:特性因子論は、マッチングの理論ともいわれる。【木村先生P64】

キャリアコンサルティング理論と実際

木村先生の著書「キャリアコンサルティング理論と実際」は、学科試験出典ナンバー1のバイブルですので机上にぜひご用意のうえ、出題箇所を参照しましょう。参照ページ数は6訂版のページ数です。

2.×:船を係留する「錨(いかり)」といえば、シャインのキャリア・アンカーを想起させる。【木村先生P234】

3.○:特性因子論は、個人の差異性は測定できるものであり、複数のパターンで示すことができる、という立場に立っている。【木村先生P65】

4.○:特性因子論は、個人差と職業差を合致させることが、良い職業選択や職業適応であるとする、合理的な推論による、マッチング理論である。【木村先生P64】

問5.キャリアに関する理論

【A】クランボルツの理論にジェラットの理論を組み合わせた問題です。どちらも未来を予測することができないという前提に立っている点で、考え方は似ている部分があります。

なお、クランボルツとジェラットは、テニス仲間で大の仲良しというエピソードもあります。【渡辺先生P113】

正答:1(積極的不確実性の予測)

クランボルツは、キャリア意思決定に影響を与える要因として、次の4つのカテゴリーをあげている。【渡辺先生P137】

①遺伝的な特性・特別な能力(選択肢3)
②環境的状況・環境的出来事(選択肢2)
③学習経験
④課題接近スキル(選択肢4)

選択肢1の積極的不確実性は、ジェラットの理論であるが、それを予測することは困難である。「未来は存在せず、予測できないものである。」としている。【渡辺先生P120】

キャリアの理論に関する出題は、渡辺三枝子先生の「新版キャリアの心理学」が出典と思われる出題が多く、木村先生の著書とともに机上に用意しておきたい参考書です。なお、2018年7月に出版された第2版のページ数を表記しています。

新版キャリアの心理学(第2版)

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