第26回問16~問20の解き方
第26回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
目次
問16.企業におけるキャリア形成支援の知識
【B】1と4については、人材開発支援助成金の基本的な内容として確認しておきましょう。
正答:1
1.○:実際には(一部というよりも)多くのコースで、事業内職業能力開発計画の作成や職業能力開発推進者の選任が支給要件となっている。【厚生労働省】
2.×:人材育成訓練への経費助成率は、正規雇用労働者への場合と非正規雇用の場合で異なる。【人材育成支援コースのご案内P16:PDF】
3.×:人材開発支援助成金の対象には、OFF-JTによる「人材育成支援」のほか、OJTとOFF-JTを組合せる「認定実習併用職業訓練」や「有期実習型訓練」があり、OFF-JTだけではない。【人材育成支援コースのご案内P16:PDF】
4.×:人材開発支援助成金は、事業主等が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合等に、「訓練経費」や「訓練期間中の賃金の一部」等を助成する制度である。【厚生労働省】
問17.企業におけるキャリア形成支援の知識
【B】選択肢4のアンケート調査結果については、よく確認しておきましょう。大企業では約7割が認める方向ですが、より対象を広くすると、約半数程度の状況のようです。
正答:3
1.×:「いかなる場合であっても」には気をつける。
副業・兼業は、基本的には労働者の自由であるが、以下の場合には、企業のおいて制限することが許される。
①労務提供上の支障がある場合
②業務上の秘密が漏洩する場合
③競業により自社の利益 が害される 場合
④自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
2.×:労働基準法は適用されるが労働時間規制は適用されない「管理監督者」などは複数の事業場における労働時間が通算されない。【P9】
3.○:ガイドラインでは、企業のメリットして以下をあげている。
①労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。
②労働者の 自律性 ・自主性を促すことができる。
③優秀な人材の獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する。
④労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。
4.×:「認めている」のは約半数である。
副業・兼業に関するアンケート結果
2022年時点において、日本経団連会員企業(275社が回答)のうち、自社の社員が社外で副業・兼業することを「認めている」のは53.1%、「認める予定」は17.5%であり、70.6%が認めているか、認める予定である。【副業・兼業に関するアンケート調査結果(日本経団連)】
一方、公益財団法人産業雇用安定センターによる、より調査対象の広い調査では次の結果となった(2023年調査)。
・雇用による副業・兼業を認めている+認める予定:31.9%
・個人事業主等としての副業・兼業を認めている+認める予定:16.5%
両方を合わせると48.4%である。
なお、従業員規模が大きい企業ほど、副業・兼業を認める割合が高くなるとしており、従業員規模5000人以上の企業に関して、78.6%%と約8割が認めている又は認める予定であり、日本経団連の調査結果に近い結果が出ている。【従業員の「副業・兼業」に関するアンケート調査結果の概要(産業雇用安定センター):PDF】
問18.企業におけるキャリア形成支援の知識
【B】選択肢4の解釈が難しく、解答速報での解答公開を見合わせていました。その理由については、解説末尾に記載しています。
正答:4
キャリア形成リスキリング推進事業(キャリア形成リスキリング支援センター)
1.×:雇用形態を問わず、キャリアコンサルティングを実施している。【個人の方】
2.×:職業紹介は実施していない。
「本事業におけるキャリアコンサルティングでは職業紹介は行っておりません。」【個人の方】
3.×:雇用型訓練は、企業内での実習(OJT)と教育訓練機関内で座学(OFF-JT)を組合せた訓練であり、キャリア形成・リスキリング支援センターで支援を行っている。
雇用型訓練には「有期実習型訓練」があり、訓練生を新たに雇い入れて行う「基本型」と、既に雇用しているパートやアルバイトを訓練生とする「キャリアアップ型」がある。【企業・団体の方】
4.○:キャリア形成・リスキリング支援センターでは、学生の方を対象にジョブ・カードを活用したキャリア形成支援を行っている。【学校関係者の方】
なお、解答速報で本問の解答公開を見合わせていたのは、「個人の方」にある、キャリアコンサルティングの受付に関する次の記述の内容があったためです。
「※4.在職労働者・求職者の方を対象としておりますので、学生の方は学内のキャリアセンターや進路指導部などにご相談ください。」
「学校関係者の方」にあるように、ジョブ・カードを活用したセミナーの実施などを通じて学校関係者への支援は行うが、個々の学生へのキャリアコンサルティングなどの支援は行っていないため、解答速報を見合わせ、という判断をしました。
問19.企業におけるキャリア形成支援の知識
【B】正答選択肢である3を積極的に選ぶことは難しいかもしれませんが、その他は過去問や模試などで繰り返し問われていますから、それらの選択肢は積極的に消去して判断したい問題です。(令和5年度版の内容を追記しています。)
正答:3
1.×:もっと、もっと、低い。教育訓練休暇制度の導入状況は次のとおりである。【P10】
導入している:7.4%
導入を予定している:10.0%
導入していないし、導入する予定はない:82.4%
令和5年度版では8.0%である。【令和5年度P12】
2.×:半数は超えておらず、これまでにも超えたことはない。【P20】
正社員に対してしくみがある:45.2%
正社員以外に対してしくみがある:29.6%
令和5年度版では正社員41.6%、正社員以外24.7%である。【令和5年度P24】
3.○:正社員以外に対して実施した事業所は23.8%である。【P16】
・正社員と正社員以外、両方に実施:21.0%
・正社員以外のみ実施:2.8% (合わせて23.8%)
令和5年度版では正社員60.6%、正社員以外23.2%である。【令和5年度P20】
4.×:多くの事業所が作成していない。【P6】
・すべての事業所において作成:14.5%
・一部の事業所において作成:6.9%
・いずれの事業所においても作成していない:78.4%
令和5年度版では「いずれの事業所においても作成していない」は77.2%である。【令和5年度P8】
問20.労働市場の知識
【A】選択肢1はアプローチが難しいかもしれませんが、推測方法を記しました。
果たしてどのくらいなんだろう、という確認も時にはしてみましょう。
正答:3
1.×:2022年の完全失業者数は179万人(前年から16万人減)である。【P18】
雇用指標は大づかみで捉えつつ、柔軟に推論しましょう
○○○万人を超えている、という数字を問われることは珍しいのですが、2022年のデータを確認しておきましょう。
日本の総人口は、約1億2494万人で労働力人口は6902万人であるため、総人口の約55%が労働力人口です。
そして、完全失業率は2.6%ですから、6902万人に乗じると、約179万人が完全失業者となります。500万人まで多くはないでしょう、と推測できる根拠を持っておきましょう。
2.×:雇用者に占める非正規雇用労働者の割合は、約3割である。【P16】
就業者は約6700万人であり、雇用者は6000万人、自営業者(及び家族従事者)は約650万人である。そして、雇用者のうち約6割の約3600万人は正規雇用労働者であり、約3割(強)の約2100万人が非正規雇用労働者である。
3.○:2012~2019年まで、非労働力人口は減少を続けたが、2020年の感染症の影響により非労働力人口は増加したものの、2021年以降は、再び、非労働力人口は減少傾向にある。【P18】
4.×:2008年のリーマンショックにより完全失業率は上昇したが、2009年以降は低下傾向で推移している。2020年には感染症の影響により上昇したものの、2022年は低下に転じた。【P20】
近年の完全失業率の推移を確認しても、正誤判断が可能である。2020年以降、上昇傾向ではない。
2020年:2.8%
2021年:2.8%
2022年:2.6%
2023年:2.6%
雇用指標については、今後の試験では2023年(年度)への対策も必要です。2022年とそれほど趨勢(トレンド)を楽習ノートプラスで確認しましょう。