第27回問26~問30の解き方
第27回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
目次
問26.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
【B】最低賃金法については、2級技能検定では出題があるものの、国家試験では初めての出題でした。(2級第26回問19、2級第29回問20)
正答:3
1.×:労働基準法において、労働条件の明示が義務づけられており、明示された労働条件が事実と相違する場合には、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。【労働基準法第十五条】
2.×:労働契約法において、使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させることが規定されている。【労働契約法第十条】
3.○:最低賃金法において、都道府県労働局長が定めている最低賃金を下回る額での労働契約は無効であり、最低賃金額で契約したものとみなされることが規定されている。【最低賃金法第四条】
4.×:地域別最低賃金及び特定最低賃金の両方が同時に適用される場合には、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。【最低賃金法第六条】
地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、各都道府県に1つずつ、全部で47件の最低賃金が定められている。一方、特定最低賃金は、特定の産業について設定されている最低賃金である。【厚生労働省】
問27.学校教育制度及びキャリア教育の知識
【A】「進路指導主事」については、前回第26回問29でも出題がありました。学校関係者以外にはなじみの薄い役職名であり、難しそうに見えますが、正答選択肢3は、落ち着いて考えると、選択しやすい内容でした。
正答:3
1.○:中学校に置かれる担当者(校務分掌)として適切である。
中学校には進路指導主事を置くものとする。進路指導主事は、指導教諭又は教諭をもって、これに充てる。【文部科学省:PDF】
2.○:直接の出典は不明だが、中学校における進路指導は、教育活動全体を通じ、計画的、組織的に行われるものである。【文部科学省(P37):PDF】
3.×:「関わらない」は不適切である。
校長の監督を受け、生徒の職業選択の指導その他の進路の指導に関する事項をつかさどり、当該事項について連絡調整及び指導、助言に当たる。【文部科学省:PDF】
4.○:個々の生徒が学校生活に適応し、円滑な人間関係を形成することができるようになったり、現在及び将来にわたり、主体的な選択やよりよい決定を行う態度や能力を育成することがガイダンス機能の役割である。【佐賀県教育センター】
問28.学校教育制度及びキャリア教育の知識
【A】選択肢3と4については、第27回対策みん合☆総仕上げ模試(問26)が、そのままお役に立てました。以下の資料にキャリア教育推進のポイントがまとめられています。
正答:1
1.×:地域や産業界等の協力の下に「校内の活動」に特化する、は不適切である。
地域や産業界等との連携を図り、産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設ける。【P9】
2.○:前回(第26回問28)も同じ趣旨の内容が問われているが、キャリア教育の説明として適切である。【P5】
3.○:キャリア教育の定義として適切である。【P1】
4.○:基礎的汎用的能力の4つの内容として適切である。【P2】
問29.学校教育制度及びキャリア教育の知識
【A】もはや定番となった「インターンシップ…基本的考え方」からの出題です。前回、前々回に続いての出題です(3回連続)。
以下のヨコ解きリンクを活用して、ポイントを理解しておきましょう。
インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方
正答:2
1.○:取組の目的として適切である。その教育的効果や学生のインターンシップを始めとするキャリア形成支援における効果が十分に期待できる重要な取組である。【P1】
2.×:インターンシップを始めとするキャリア形成支援に係る取組は、就職・採用活動そのものではなく、産学協働による取組全体に対する信頼性を失わせるようなことにならないよう、関わる者それぞれが留意する、と明記されている。【P3】
3.○:取組の利点として適切である。キャリア形成支援に係る取組は、タイプ1からタイプ4について整理され、基本的な考え方があらためて示されることとなった。【P1】
4.○:大学等及び学生にとっての意義、企業等における意義はどちらにもあり、それぞれの側において積極的に対応していくことが望まれる。【P2】
令和4年に改正のあった、「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」からの出題(大問)は次のとおりです。
問30.メンタルヘルスの知識
【B】この資料からの出題は初めてで、初見では判断の難しい内容もありましたが、類題が2級第31回で2問出題されており、その内容で対応が可能でした(2級第31回問17、2級第31回問25)。
このような2級からのスライド出題もありますので、2級の最近の過去問も学習素材として活用しましょう。
令和4年度我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況
正答:4
1.○:メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は、令和3年は59.2%、令和4年は63.4%である。【P30】
2.○:事業所規模別の割合では100人以上の場合には100%に近い水準になるが、それよりも小規模になると規模が小さくなるにつれて、取り組んでいる事業所の割合が低くなる。
10人~29人の事業所規模においては、55.7%で最も少ない。【P30】
3.○:取組内容で最も多いのは、「ストレスチェックの実施」である。【P31】
4.×:最も多いのは「仕事の量(36.3%)」であり、「仕事の質(27.1%)」は3位である。2位は「仕事の失敗、責任の発生等(35.9%)」である。【P27】