第27回問41~問45の解き方
第27回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
問41.仕事の理解の支援
【A】職業情報提供サイト(jobtag)で「できること」に関する出題です。見ておかないとその判断はできませんから、これらの公的サイトは一度じっくりと見ておきましょう。
正答:4
1.○:以下の画面からイメージ検索(地図)ができる。
2.○:重視する仕事の性質、できるだけ避けたい仕事の性質、避けたい仕事の性質から、職業を検索できる。
3.○:免許・資格名から職業を検索できる。
4.×:職業情報提供サイト(jobtag)は、職業(仕事)図鑑であり、個別の事業所の検索はできない。
「所在地や電車沿線で検索」から(求人している)事業所を検索できるのは、ハローワークインターネットサービスである。
なお、沿線検索は首都圏、東海圏、近畿圏の主な路線のみである。【ハローワークインターネットサービス】
問42.自己啓発の支援
【A】第26回問43、第25回問42で同じ趣旨(啓発的経験の種類)が問われており、三回連続の出題です。
「啓発的経験」は働く意味・意義の理解や、自身の適性や興味を確認して、職業選択の材料となる経験全般のことをいい、出題範囲表にも例示されています。
キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目
インターンシップ、職場見学、トライアル雇用等により職業を体験してみることの意義や目的について相談者自らが理解できるように支援し、その実行について助言すること。
正答:1
1.×:職業選択の材料するための啓発的経験とはいえない。
キャリア開発ワークショップⓇは、自己カウンセリング、グループ・カウンセリング、キャリア・カウンセリングなどにより、自己理解を深め、その上で自分のキャリア・ゴールを設定できるように設計されたワークショップである。【日本キャリア・カウンセリング研究会】
2.○:職業選択の材料とするためのインターンシップは、啓発的経験である。
3.○:職業選択の材料とするためのトライアル雇用は、啓発的経験である。
4.○:職業選択の材料とするための職場見学は、啓発的経験である。
問43.意思決定の支援
【B】意思決定の支援に関する、理論的背景も考慮する必要がある、ひと捻りある問題でした。選択肢4の読み取りも難しかったですが、認知的不協和理論に気づけたかどうかがポイントでした。
正答:3
1.○:これは出題範囲表の内容が出典と思われる。【キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目(P5):PDF】
「職業だけでなくどのような人生を送るのかという観点や、自身と家族の基本的生活設計の観点等のライフプランを踏まえ、相談者の中高年齢期をも展望した中長期的なキャリア・プランの作成を支援する。」
2.○:自己理解、仕事理解、啓発的経験などによる具体的な目標設定やキャリア・プランが描けていない可能性がある。
3.×:調和よりも不協和(不快感のようなもの)に着目し、不協和の解消を行う。具体的には自身の捉え方(認知)を見直したり、あらためて他の選択肢の検討を行う。
これはヒルトンが提唱した、キャリア意思決定における、認知的不協和理論を元に考案された内容と思われる。
個人が持つ自己概念や希望、期待、職業観等の「前提」と外界からの情報との間に生じた 不協和(不一致)の解消が意思決定の過程であるというものである。【ジルP29】
4.○:意思決定方策は、本人の意思や願望に耳を傾け、選択肢を並べる→吟味する→選択肢の中から1つを選ぶ→選択を実行するための契約を結ぶ、というプロセスをとる。【木村先生P389】
これらのプロセスは、転機に対する支援の方策として、適切である。
問44.意思決定の支援
【A】正答選択肢は選びやすくホッとしましたが、各シートの特徴を確認しておく必要があります。各様式は必ず目を通しておくようにしましょう。なお、第27回対策みん合☆総仕上げ模試(問38)がお役に立てました。
正答:2
1.○:キャリア・プランシートには、就業経験のある方用と、それがない方及び学卒者用の2種類がありますが、どちらにも、自分が大事にしたい価値観や興味、強み、将来取り組みたい仕事や働き方を記入できる。【例:キャリア・プランシート(就業経験がある方用:PDF】
2.×:「就業経験のない方・学卒者等用」のキャリア・プランシートがある。【キャリア・プランシート(就業経験のない方・学卒者等用:PDF】
3.○:キャリア・プラン作成補助シートには、学生用、在職者用、求職者用がある。【マイジョブ・カード】
4.○:様式1-1、1-2のキャリア・プランシート、様式2の職務経歴シート、様式3-1の職業能力証明(免許・資格)シート、様式3-2の職業能力証明(学習歴・訓練歴)シートが、ジョブ・カードの主な様式である。【マイジョブ・カード】
問45.方策の実行の支援
【B】ダウィスとロフキストの「職場適応理論」は、第27回みん合☆総仕上げ模試(問41)にて出題、詳しく解説をしていましたので、お役に立てました。
総仕上げ模試の解説を引用し、ポイントを解説します。参考資料として木村先生の著書に解説があります。【木村先生P66】
ダウィスとロフキストは、人-環境適合理論(P-E fit)の代表的なものである、職場適応理論を提唱している。
適合の軸を「満足感」と「充足度」に分け、満足感は人のニーズが環境に満たされている程度を示し、充足度は環境のニーズを人が満たしている程度を表す。
この適合度が高い場合に、人は満足感を感じ、職場は要求水準を満たしていると考えるが、個人は適合を高めるために環境に働きかけたり、自らのニーズを低めたりする。
適合性に影響する4つの要因:
①柔軟性(許容)
②活動性(働きかけ)
③反応性(対処)
④忍耐(持続)
正答:3
1.×:職場適応理論では、人と職場の関係は動的・流動的な関係として捉えている。
2.×:職場の要請に応えるだけではなく、相談者の職場に対する満足度を高めることも必要である。
3.○:適合性に影響する要因には、柔軟性、活動性、反応性、忍耐の4つがある。
4.×:いずれか一方ではなく人の満足感と職場環境の充足度の両方を高める。