第28回問26~問30の解き方
第28回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
目次
問26.労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
【A】正答選択肢4以外は比較的容易に正誤判断ができたかもしれませんが、労災保険の保険料は事業主の全額負担であることや、パート・アルバイトを問わず適用されることは、しっかりとおさえておきましょう。
正答:4
1.×:労働者災害補償保険制度の保険料は、事業主が全額を負担する。【厚生労働省】
2.×:労災保険は、原則として一人でも労働者を使用する事業は、業種の規模の如何を問わず、すべてに適用される。【厚生労働省】
3.×:労災保険における労働者とは、「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」をいい、労働者であればアルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係ない。【厚生労働省】
4.○:労災年金給付等の算定の基礎となる給付基礎日額は、毎月勤労統計の平均給与額の変動等に応じて、毎年自動的に変更されている。【厚生労働省】
問27.学校教育制度及びキャリア教育の知識
【B】キャリア・パスポートは一時期は連続して出題されていましたが、しばらくの間、出題がなく、第21回問26以来の出題でした。正答選択肢のみ、判断が難しい問題でした。
正答:3
1.○:教師が対話的に関わり、児童生徒一人一人の目標修正などの改善を支援し、個性を伸ばす指導へとつなげながら、学校、家庭及び地域における学びを自己のキャリア形成に生かそうとする態度を養うよう努めなければならない。【P2】
2.○:特別活動の学級活動及びホームルーム活動を中心として、各教科等と往還し、自らの学習状況やキャリア形成を見通したり、振り返ったりしながら、自身の変容や成長を自己評価できるよう工夫されたポートフォリオのことである。【P2】
3.×:「作成・活用」の意味することが不明だが、学校での導入状況や取組方法には差があると考えられる。
キャリア・パスポートの内容で「アンケートやポートフォリオを盛り込んでいる」と答えた学校は、高等学校で79パーセント・中学校で77パーセント・小学校でも60パーセントであることを示す資料がある。【キャリア・パスポートって何だろう?(P2):PDF】
4.○:各地域・各学校における実態に応じ、学校間で連携しながら、柔軟な工夫を行うことが期待される。【P2】
問28.学校教育制度及びキャリア教育の知識
【A】第28回対策総仕上げ模試では、さらに踏み込んだ出題内容を予想しましたが、正答選択肢は、よりオーソドックスな「オープン・カンパニーがインターンシップであるかどうか」の知識が問われました。なお、本資料からの出題は4回連続でした。
インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方
正答:2
1.○:採用選考時に参照し得る学生の評価材料の取得は、企業にとっての意義である。【P3】
2.×:タイプ1のオープン・カンパニー、タイプ2のキャリア教育は、インターンシップとは称されない。【P1】
3.○:教育内容・方法の改善・充実に繋がることは、大学等及び学生にとっての意義である。【P2】
4.○:高い職業意識の育成に繋がることは、大学等及び学生にとっての意義である。【P2】
問29.学校教育制度及びキャリア教育の知識
【A】生徒指導提要からの出題は、第25回問25以来の2回目です。キャリア教育は単独、独立で行うものではなく、特別活動を要としつつも、生徒指導や各教科の学習と連携して行うことを念頭に置きましょう。
正答:1
1.×:個別ではなく、一体の取組である。
生徒指導を進める上で、キャリア教育との相互作用を理解して、一体となった取組を行うことが大切である。【P15】
2.○:日頃から児童生徒の社会的自立に向けた支援を行うことはもとより、生涯を見通したキャリア教育や適切な進路指導を行うことも大切である。【P38】
また、必要な場合には、就労支援事業所や子供・若者相談機関などにつなぐといった支援を行うことも求められる。
3.○:中途退学を余儀なくされる状態を未然に防ぐためには、生徒指導、キャリア教育・進路指導が連携し、小・中学校の段階も含め、生活、学業、進路のそれぞれの側面から社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けるように働きかけることが大切である。【P209】
4.○:それぞれが分離、独立するものではないという認識が大切である。
生徒指導、進路指導・キャリア教育は、ガイダンスという範疇では同一の機能を持っており、進路の課題と生活の課題はつながっているという意識の下で支援を行うことが求められる。【P219】
問30.メンタルヘルスの知識
【A】具体的な障害や疾患に関する出題は実は久しぶりで、第23回以来でした。
自信を持っての解答は難しかったかもしれませんが、選択肢1~3の症状の特徴の内容に対し、選択肢4は他とは問う内容が異なることや言い回しの独特さに注意しましょう。
精神疾患の知識については、次のサイトが情報源として役立ちます。
正答:4
1.○:ADHD(Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder:注意欠如・多動症)の特徴として適切である。
発達年齢から期待される水準と比べ、学校、家庭、職場などの複数の場面で、落ち着きがない、待てない、注意が持続しにくいといった特性が見られる。
2.○:SLD(Specific Learning Disorder:限局性学習障害)の特徴として適切である。
全般的な知的発達には問題がないものの、読む、書く、計算するなどの特定の学習のみに困難が認められる状態をいう。
3.○:ASD(Autism Spectrum Disorder:自閉スペクトラム症)の特徴として適切である。
自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手であり、特定のことに強い関心をもつ、こだわりが強い、感覚が過敏であるといった特徴を持ち合わせる。
4.×:発達障害は、同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、他の発達障害や精神疾患を併せ持つことがある。
うつ病の症状で受診したところ、そもそもの原因が発達障害であるケースもある。【参考サイト:うつのトリセツ】
問31~問35へ進む(制作中)