第28回問41~問45の解き方
第28回キャリアコンサルタント試験学科試験問題を徹底解説!
問41.仕事の理解の支援
【B】職業分類に関しては、最近では第25回問41や第26回問41で出題されています。職業分類、産業分類の特徴を確認しておきましょう。
テキスト&問題集第3版(P235)より転載
正答:2
1.○:この文章はこれまでにも度々出題されている職業理解の定義の文章だが、木村先生の著書に出典を見出せる。【木村先生P176】
2.×:自分が属する世帯の家業に従事している家族従業者が行う仕事は、報酬を受けているかどうかにかかわらず、一定時間、当該仕事に従事している場合には、その仕事を職業とみなす。【日本標準職業分類一般原則(P1):PDF】
3.○:日本標準職業分類は、統計を職業別に表示する場合における統計基準として、個人が従事している仕事の類似性に着目して区分し、それを体系的に分類しているものである。【総務省】
4.○:厚生労働省編職業分類は、総務省日本標準職業分類に準拠の上、労働力需給調整機関(ハローワーク)において共通して使用されるべきものとして作成されている。【厚生労働省:PDF】
問42.自己啓発の支援
【A】職場体験の意義、効果に関する出題です。正答選択肢3は、やや正誤判断のポイントが掴みにくいため、消去法でアプローチするのもよいでしょう。
職業体験を始めとした啓発的経験は、働く意味・意義の理解や、自身の適性や興味を確認して、職業選択の材料となる経験全般のことをいい、ほかに職場見学やインターンシップなどがある。
正答:3
1.○:職場体験の意義、効果として適切である。
2.○:トライアル雇用は、職業経験の不足などから就職が困難な人が、試行雇用を経て無期雇用に移行するための制度である。【厚生労働省】
3.×:働くことの楽しさ、やりがい、厳しさに触れることは、定年退職者というよりもむしろ、若い世代にとっての働く意義の理解の促進に対して有効である。
4.○:職場体験の意義として適切である。
問43.意思決定の支援
【A】難しい内容ではありませんが、システマティックアプローチは頻出ですので、木村先生の著書にある「システマティックアプローチの一般的指針(P402)」を一読しておくとよいでしょう。選択肢1については、第28回対策模試(問45)がお役に立てました。
正答:1
1.×:「よりも」には注意する。
心理的な関係を確立してから、問題を明らかにしていく。
問題がどこにあるかを明らかにするためには、まずは心理的な関係を確立できなければならない。【木村先生P402】
2.○:クライエントが何を期待しているかを認識する能力を持つべきである。【木村先生P402】
3.○:カウンセラーは、クライエントが目標を立て、学習できる状況をつくり出し、かつ目標達成のための学習計画や方策を実行するのを援助する。【木村先生P389】
4.○:クライエント自らが、どのような変容を望み、どうしたらそれができるかを認識する力を持つべきである。【木村先生P402】
問44.意思決定の支援
【A】目標設定について、ケーススタディの形で問われていますが、木村先生の著書に裏付けとなる考え方が記載されています。また、選択肢2の情報提供の原則は、第28回みん合☆総仕上げ模試(問44)にて出題していました。
正答:3
1.×:目の前の授業に注力することも大切だが、目標を具体化しておくことも適切である。
目標設定は、クライエントの考えを方向付け、行動するのを援助する。【木村先生P380】
2.×:キャリアコンサルタントが判断、情報収集をするのは不適切である。
情報提供の原則は、クライエントが自分で情報を得る方法を教えることである。【木村先生P387】
3.○:目標をスモールステップで捉えることは有効である。
木村先生の著書にも以下の記述がある。
具体的で小さなターゲットごとにカウンセリングを進めることで、クライエントは早い段階から成功感を味わえる。【木村先生P380】
4.×:支援の姿勢として不適切である。
目標は固定的ではなく、変更可能なものである。【木村先生P380】
問45.方策の実行の支援
【B】方策の実行の支援での出題であるものの、カウンセリングの各アプローチの内容理解を問う、よい問題と捉えていますが、第9回問40と全く同じ内容でした。
正答:4
1.×:感情に焦点を当て、考え方の変容につながる介入を行うのは、クライエント中心療法を始めとした人間性アプローチである。
応用行動分析は、スキナーが提唱した行動療法の知見を、人間の適応的行動の形成や不適応行動の修正に応用したものであり、行動的アプローチと捉えるとよい。【ジルP123】
2.×:クライエント中心療法に基づくならば、事務職を希望するに至った経緯(経験)やその時々の感情に焦点をあて、受容と共感を持って話を聴くのがよい。
3.×:精神分析理論に基づくならば、未来のありたい姿よりも過去の経験にアプローチする。
精神分析的アプローチでは、キャリア選択や仕事への適応に関連する現在の行動と過去の経験を関連づけて考える。【ジルP103】
4.○:認知行動的アプローチの内容として適切である。
認知の変容を通して行動の変容を図るのが認知行動療法の特徴である。【木村先生P117】