【第28回対策】問31~問40の解説
第28回対策「みん合☆総仕上げ模試」正答と解説
目次
問31.中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識
正答:3
1.×:バルテスは心理的発達を「能力の獲得」と「能力の喪失」の視点から捉え、中年期以降は獲得が少なくなり、喪失が多くなるとした。
なお、バルテスは発達心理学の研究者であり、それまでの発達心理学は幼児期から青年期にかけての研究が主流であったが、バルテスは「老年期までの生涯発達」を研究の対象とした。
【参考:エピソードでつかむ生涯発達心理学(岡本祐子、深瀬裕子編著)P178】
2.×:これは維持段階(45歳~)の課題である。
探索段階(15歳~)の課題は、職業的好みを具現化、特定化し、実行に移すことである。【渡辺先生P46】
3.○:トーンスタムが提唱した概念である。
老年的超越とは、老年になり、起床、食事、排便、話す、歩く、寝るなどの日常の行為をするにも「ありがたい」という感覚が生じることであるという。【参考サイト:医療法人和楽会】
4.×:40歳前後を「人生の正午」であるとしたのはユングである。
なお、ハヴィガーストは、6つの発達段階を整理し、各段階に対応する発達課題を最初に提唱した。
問32.人生の転機の知識
正答:3
1.○:ニコルソンは、準備、遭遇、適応、安定化の4つのサイクルで転機を捉えている。
2.○:ドリフトは漂流の意である。金井壽宏は偶然の機会も楽しみながら生かす「キャリア・ドリフト」の概念を提唱している。ただし、そのためには節目における「キャリア・デザイン」が必要であるとしている。【岡田先生P68】
3.×:積極的不確実性を提唱したのは、ジェラットである。【渡辺先生P119】
ブリッジスの転機は「終わり→中立圏→始まり」で知られる。【渡辺先生P194】
4.○:シュロスバーグは、トランジションを自分の役割、人間関係、日常生活、考え方を変えてしまうような人生途上のある出来事と捉えている。【渡辺先生P189】
問33.個人の多様な特性の知識
正答:2
1.×:令和5年度の2.3%から、令和6年度に2.5%へ引き上げられた。なお、令和8年度は2.7%に引き上げられる予定である。【令和5年度からの障害者雇用率の設定等について:PDF】
2.○:令和5年の法定雇用率達成企業の割合は 50.1%である。【令和5年障害者雇用状況の集計結果(表紙)PDF】
3.×:「1,000人未満」の企業の方が低い。
従業員数「1,000人以上」の企業では62.1%、1,000人未満の企業ではいずれも4~5割程度となっている。【令和5年版労働経済の分析(P30):PDF】
4.×:身近な地域において障害者の就業面及び生活面における一体的な相談・支援を行っているのは、障害者就業・生活支援センターである。
地域障害者職業センターは、ハローワークとの連携の上、職業評価、職業準備支援、職場適応支援等の専門的な各種職業リハビリテーションを実施している。【厚生労働省】
問34.個人の多様な特性の知識
正答:3
令和6年度年次経済財政報告(PDF版:第3章第3節)
1.○:社会全体として、高齢者の就労意欲を阻害せず、後押しする取組が不可欠である。【P287】
2.○:70歳までの就業機会確保措置は努力義務である。なお、65歳までの高年齢者雇用確保措置は法的義務である。【P288】
3.×:我が国の65 歳~74 歳の労働参加率は男性は51.8%、女性 33.1%で、欧米主要国より高い傾向にあり、近年の伸び幅も大きいが、韓国の方がより労働参加率が高い。なお、比較的、労働参加率が高いアメリカでは男性30%、女性20%程度である。【P293】
4.○:介護や家事負担の高齢男女間の偏りが、女性の就業率を就業意欲対比で低めていることが示唆される。【P294】
問35.カウンセリングの技能
正答:2
1.×:この内容は、「問題の把握」の段階である。「カウンセリングの開始」では、カウンセリング関係を樹立し、クライエントが安心して話のできる信頼関係を樹立する。【木村先生P378】
2.○:「目標の設定」の内容として適切である。【木村先生P378】
3.×:この内容は、「カウンセリングの開始」の段階である。「方策の実行」では、選択した方策を実行する。主な方策は、意思決定、学習及び自己管理である。【木村先生P378】
4.×:この内容は「方策の実行」である。「結果の評価」では実行した方策とカウンセリング全体を評価する。【木村先生P378】
問36.カウンセリングの技能
正答:4
1.○:ミラクル・クエスチョンは、相談者の理想的な解決の姿を知るための質問である。【臨床心理学用語事典】
2.○:スケーリングの質問は、良い時、悪い時の具体的な差異を明らかにする質問である。
3.○:例外探しの質問は、「自分は○○ばかり」と思い込んでいる相談者に、「○○ではなかった」ことの経験を確認するための質問である。
4.×:これは、コーピングの質問である。コーピングとは、ストレスなどへの対処を言うが、逆境を乗り越えるために、クライエントが用いることができる回復力や持久力を評価するための質問である。それにより、クライエント自身がもつ自分の強さや資源を発見できるよう援助する。【臨床心理学事典】
なお、関係性の質問(リレーションシップ・クエスチョン)は、自分にとって重要な(大切な)人ならばどう思うかを考えさせ、人間関係を利用して新しい視点を与えるための質問である。
問37.グループアプローチの技能
正答:1
1.×:前段の目的は正しいが、様々な具体的な技法が取り込まれる。
他には精神分析理論や行動療法、交流分析、内観法など、複数のカウンセリング理論が構成的グループエンカウンターを支えており、適宜取り込まれる。【木村先生P412】
2.○:「構成的」とは、条件設定(場面設定)をするという意味であり、その場合にはルールの設定も大切である。【ジルP120】
3.○:他の原理には、本音(あるがままの自分)に気づくこと、物事の見方や受け取り方、考え方である認知の拡大・修正をねらいとしている。【ジルP120】
4.○:シェアリングによって、メンバーは各人の固有性を共有でき、自分の感じたこと、考え、行動を整理し、理解できる。【木村先生P414】
問38.キャリアシートの作成指導及び活用の技能
正答:4
木村先生の著書の参照ページを紹介していますが、マイジョブ・カードで実際の様式を見ておくのも大切です。
1.×:これはキャリア・プランシートである。【木村先生P343】
2.×:これは職務経歴シートである。【木村先生P343】
3.×:キャリア・プラン作成補助シートには、学生用、在職者用、求職者用の3種類がある。【木村先生P344】
4.○:職業能力証明シートには「免許・資格」、「学習歴・訓練歴」、「訓練成果・実務成果」の3つの様式がある。【木村先生P343】
問39.相談場面の設定
正答:2
1.○:沈黙の意味を考え、理解することも大切である。
2.×:このようなクライエントに対して沈黙で対峙するのは適切ではなく、かかわり行動としても「対峙」の姿勢は適切ではない。
3.○:沈黙や非言語の動作に意味が隠されている可能性があり、クライエントの心の表れとして記述する。
4.○:沈黙には様々な意味があり、カウンセラーは沈黙による不安に耐えなければならないときもある。
問40.自己理解の支援
正答:2
1.×:これはVPI職業興味検査の内容である。【木村先生P164】
2.○:職業レディネス・テストは、ホランド理論により類型化された6つの職業領域への興味と自信度、3方向(対情報、対人、対物)の基礎的志向性を測定できる。【木村先生P164】
3.×:これは厚生労働省編一般職業適性検査(GATB)の内容である。【木村先生P161】
4.×:これはキャリア・インサイトの内容である。キャリア・インサイトには若者向けのECコースと中高年齢者向けのMCコースがある。【木村先生P167】