国が行う調査の種類と特徴(2024年改訂版)
Check Sheet機能をご活用ください。
労働市場に関して国が行う主な調査には様々なものがあります。国のどの機関がどのような目的で調査を行い、どのような項目(調査結果)がわかるのかを整理しておきましょう。
各資料のタイトルから、各省庁の該当ページへリンクをしています。結果の概要などの内容を見ておくと印象づけに繋がります。
労働力調査(総務省)
労働力調査は、我が国における就業及び不就業の状態を明らかにするための調査で、完全失業率がわかる。調査は毎月、総務省が行っている。
■コロナ禍前の2019年・年度からコロナ後の2023年・年度の完全失業率の推移
年 | 完全失業率 ( )は年度 |
2019年・令和元年 | 2.4%(2.3%) |
2020年・令和2年 | 2.8%(2.9%) |
2021年・令和3年 | 2.8%(2.8%) |
2022年・令和4年 | 2.6%(2.6%) |
2023年・令和5年 | 2.6%(2.6%) |
正規雇用労働者は2023年まで9年連続で増加しているが、非正規雇用労働者は2020年、2021年の2年連続で減少したものの、2022年、2023年は増加している。
一般職業紹介状況(厚生労働省)
一般職業紹介状況は、公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況(新規学卒者を除く)を集計し、毎月の有効求人倍率がわかる。調査は毎月、厚生労働省が行っている。
■2019年・年度~2023年・年度の推移
年 | 有効求人倍率 年度は( ) |
2019年・令和元年 | 1.60倍(1.55倍) |
2020年・令和2年 | 1.18倍(1.10倍) |
2021年・令和3年 | 1.13倍(1.16倍) |
2022年・令和4年 | 1.28倍(1.31倍) |
2023年・令和5年 | 1.31倍(1.29倍) |
2019年の1.60倍から2020年は1.18倍へ、2021年は1.13倍へと低下したが、2022年に持ち直し1.28倍、2023年は1.31倍へと改善した。
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)
賃金構造基本統計調査は、主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにするものである。調査は年に1回、厚生労働省が行っている。
毎月勤労統計調査(厚生労働省)
毎月勤労統計調査は、雇用、給与及び労働時間について、全国調査にあってはその全国的変動を毎月明らかにすることを、地方調査にあってはその都道府県別の変動を毎月明らかにすることを目的に、毎月、厚生労働省が行っている。
労働経済動向調査(厚生労働省)
労働経済動向調査は、景気の変動、労働力需給の変化等が、雇用、労働時間等に及ぼしている影響や、それらに関する今後の見通し、対応策等について調査し、労働経済の変化の方向、当面の問題等を迅速に把握することを目的として、四半期ごとに、厚生労働省が行っている。
就労条件総合調査(厚生労働省)
主要産業における企業の労働時間制度、定年制度、賃金制度等について総合的に調査し、我が国の民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的として、毎年、厚生労働省が実施している。
賃金事情等総合調査(厚生労働省)
中央労働委員会が取扱う労働争議の調整の参考資料とするため、賃金(春闘の賃金妥結状況等)、退職金や定年制、労働時間などの情報収集することを目的として、毎年、厚生労働省が行っている。
就業構造基本調査(総務省)
就業構造基本調査は、国民の就業及び不就業の状態を調査し、全国及び地域別の就業構造を明らかにするものである。昭和57年(1982年)以降については、5年ごとに総務省が行っている。
景気動向指数(内閣府)
景気動向指数は、景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指標であり、景気動向指数には、景気の動きに対して、いつ反応を示すかによって、先行系列、一致系列、遅行系列に分けられている。作成は内閣府が毎月行っている。
景気動向指数として採用されている雇用関連の指標
系列 | 雇用関連の指標 |
先行系列 | 新規求人数 |
一致系列 | 有効求人倍率 |
遅行系列 | 完全失業率 |
景気の動きに先行して反応するのが新規求人数であり、景気の動きに合わせて反応するのが有効求人倍率、景気の動きに遅れて反応するのが完全失業率といえる。
また、統計の種類に関する出題は次の回で出題されています。