令和4年賃金構造基本統計調査のまとめ

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賃金構造基本統計調査に関する問題は、これまでにも定期的に出題されていますが、このページではその内容を確認することができます。

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賃金構造基本統計調査は、令和4年版が令和5年3月に公表されています。

調査について

賃金構造基本統計調査は、主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態を労働者の「雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにする」ものであり、1年に一度、調査が行われ結果が公表される。【厚生労働省

賃金構造基本統計調査は、労働者の雇用形態、年齢、性別などの属性と賃金の関係を明らかにすることを目的としている。

 令和4年賃金構造基本統計調査の概況

用語の定義

・常用労働者:期間を定めずに雇われている労働者+1か月以上の期間を定めて雇われている労働者

・賃金:調査実施年の6月分の所定内給与額の平均(時間外手当などは含めない。所得税等の控除前)

・就業形態:一般労働者と短時間労働者に区分している。

・役職:一般労働者のうち雇用期間の定めのない者について、役職者を「部長級」、「課長級」、「係長級」に区分し、それ以外の者を「非役職者」としている。

一般労働者の賃金

(1)賃金の推移

賃金は、男女計 311.8 千円、男性 342.0 千円、女性 258.9 千円となっており、男女間賃金格差(男=100)は、75.7となっている。

令和4年賃金構造基本統計調査の概況P6より転載

趨勢(トレンド):男女間賃金格差は、約75と押さえておく。令和2年は約74であり、格差の縮小傾向が続いている。

令和4年賃金構造基本統計調査の概況P6より転載

なお、推計方法が変更された令和2年以降をみると、令和3年はほぼ横ばい、令和4年は男女計、男性、女性ともに賃金の上昇がみられる。

(2)性別にみた賃金

男女別に賃金カーブをみると、男性では、年齢階級が高くなるにつれて賃金も高く55~59 歳で 416.5千円と賃金がピークとなり、その後下降している。

女性では、55~59 歳の 280.0千円がピークとなっているが、男性に比べ賃金の上昇が緩やかとなっている。

令和4年賃金構造基本統計調査の概況P7より転載

(3)学歴別にみた賃金

男女計では、高校273.8千円、専門学校294.2千円、高専・短大292.5千円、大学362.8千円、大学院464.2千円となっている。

(4)企業規模別にみた賃金

企業規模別に賃金をみると、男女計では大企業348.3千円、中企業303.0千円、小企業284.5千円となっている。

企業規模間賃金格差(大企業=100)は、男女計では、中企業87.0、小企業81.7であり、男性で、中企業85.7、小企業79.7、女性で、中企業92.4、小企業86.7となっている。

趨勢(トレンド):企業規模別に賃金カーブをみると、男女いずれも企業規模が大きいほど傾きは大きくなっており、男性は女性に比べてその傾向が大きい

(5)産業別にみた賃金

主な産業別に賃金をみると、男女計では「電気・ガス・熱供給・水道業」(402.0千円)が最も高い。

男性では「金融業、保険業」(480.6千円)が最も高く、「サービス業(他に分類されないもの)」(285.4千円)が最も低い。

女性では、「電気・ガス・熱供給・水道業」(326.5千円)が最も高く、「宿泊業、飲食サービス業」(216.1千円)が最も低い。

(6)雇用形態別にみた賃金

雇用形態別の賃金をみると、男女計では、正社員・正職員328.0千円に対し、正社員・正職員以外221.3千円となっている。

雇用形態間賃金格差(正社員・正職員=100)は、男女計で約67.5である。

男女別では男性70.0、女性72.0である。

令和4年賃金構造基本統計調査の概況P13より転載

雇用形態間賃金格差は、男女計でみると賃金格差が最も大きいのは、企業規模別では企業で、主な産業別では「電気・ガス・熱供給・水道業」となっている。

(7)役職別にみた賃金

一般労働者のうち、雇用期間の定めのない者について、役職別の賃金をみると、男女計では、部長級が586.2千円、課長級486.9千円、係長級369.0千円となっている。

(8)在留資格区分別にみた賃金

外国人労働者の賃金は248.4千円で、在留資格区分別にみると、専門的・技術的分野299.6千円、特定技能205.7千円、身分に基づくもの280.7千円、技能実習177.8千円、その他(特定活動及び留学以外の資格外活動)220.9千円となっている。

令和4年賃金構造基本統計調査の概況P5より転載

(9)新規学卒者の学歴別にみた賃金

新規学卒者の賃金を学歴別にみると、男女計で高校181.2千円、専門学校212.6千円、高専・短大202.3千円、大学228.5千円、大学院267.9千円となっている。

(10)都道府県別にみた賃金

都道府県別の賃金をみると、全国計(311.8千円)よりも賃金が高かったのは5都府県(東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県)となっており、最も高かったのは、東京都(375.5千円)となっている。

短時間労働者の賃金

(1) 性別にみた賃金

短時間労働者の1時間当たり賃金は、男女計1,367円、男性1,624円、女性1,270円となっている。

男女別に1時間当たり賃金を年齢階級別にみると、最も1時間当たり賃金が高い年齢階級は、 男性では 35~39歳で2,438円、女性では、30~34歳で1,457円となっている。

(2) 企業規模別にみた賃金

企業規模別に1時間当たり賃金をみると、男女計では大企業1,307円、中企業1,493円、小企業1,339円となっている。

男性では、大企業1,458円、中企業1,950円、小企業1,575円、女性では、大企業1,249円、中企業1,327円、小企業1,250円となっている。

男女いずれも、企業の1時間あたり賃金が最も高い点に注意する。

(3)主な産業別にみた賃金

主な産業別に1時間当たり賃金をみると、男女計では、「教育、学習支援業」(2,447円)が、男性では「医療、福祉」(3,613円)、 女性では「教育、学習支援業」(2,052円)が最も高くなっている。

過去問解説リンク

これまでに大問で出題されているのは次の問題です。選択肢レベルでの出題も時折あります(第22回問19等)。

第5回問23 第9回問23※ 第10回問19 第11回問24

※第9回問23は現在の資料には記載が無い内容の出題のため、確認不要と位置づけています。