ダグラス・T・ホールの理論
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ホールといえば…、プロティアン・キャリア!
ホールによるキャリアの定義
「キャリアとは、生涯にわたる期間において、仕事に関する諸経験や諸活動と結びついており、個人的に知覚された一連の態度や行動である」(Hall,2002)
・定義の前提
①組織階層の上方への移行することがキャリアであるという視点はとらない。
②キャリアにおける成功と失敗は本人によって評価される。
③キャリアには主観的側面と客観的側面があり、両方を考慮する必要がある。
④キャリアとはプロセス(経験の連続)である。
プロティアン・キャリア
・プロティアン・キャリア=変幻自在なキャリアのこと
・プロティアン・キャリアと伝統的キャリアの比較
項目 | プロティアン・キャリア | 伝統的キャリア |
主体者 | 個人 | 組織 |
核となる価値観 | 自由、成長 | 昇進、権力 |
移動の程度 | 高い | 低い |
重要なパフォーマンス側面 | 心理的成功 | 地位、給料 |
重要な態度的側面 | 仕事満足感、専門的コミットメント | 組織コミットメント |
重要なアイデンティティ側面 | 自尊心、自己への気づき | 他者からの尊敬、組織における気づき |
重要なアダプタビリティ側面 | 仕事関連の柔軟性、現在のコンピテンシー(測度:市場価値) | 組織関連の柔軟性(測度:組織で生き残ることができるか) |
・心理的成功のためには、「アイデンティティ+アダプタビリティ」が必要
・アイデンティティ=自己理解の程度および過去と現在と未来の自己概念の統合の度合い
・アダプタビリティは、反応学習、アイデンティティの探索、統合力、適応モチベーションの4つを意識的かつ継続的に行おうとする傾向およびその準備度である。
・アダプタビリティ=適応コンピテンス×適応モチベーション
どちらか一方がゼロならば、ゼロになる。
関係性アプローチ
・個人のキャリアの心理的成功に重要な意味を持つ関係を「発達的関係」という。
メンタリング
メンタリング=経験豊かな人(メンター)が、未熟な人(プロテジェまたはメンティー)のキャリア形成に関して、一定期間継続的に行う支援をいう。
・メンタリング行動(クラム)
機能 | 誰が? | 何を? |
キャリア的機能 |
上司が行うことが多い (外的キャリア支援) |
スポンサーシップ |
推薦と可視性 | ||
コーチング | ||
保護 | ||
挑戦しがいのある仕事の割り当て | ||
心理・社会的機能 |
相互信頼と親密性 (内的キャリア支援) |
役割モデル |
受容と確認 | ||
カウンセリング | ||
友好 |
・メンタリングの種類
種類 | 内容 |
インフォーマル・メンタリング | 働く人々の間で自然発生的にメンタリングが行われる |
フォーマル・メンタリング | 組織を仲介してメンタリング関係を構築させている |