2022年度までの完全失業率と有効求人倍率【まとめ編】
一読しておくだけで得点になるかもしれない、楽習ノートプラス。
今回のテーマは、完全失業率と有効求人倍率の数値や傾向(趨勢)といった、雇用情勢に関する内容です。
出題範囲「労働市場の知識」からの出題が多く、完全失業率や有効求人倍率に関連する問題は、第22回試験まででは、第2回、第4回、第5回、第6回、第8回、第9回、第11回、第12回、第13回、第14回、第15回、第17回、第18回、第19回、第20回、第22回、第23回で出題があります。
って、ほとんどですね。
いつの時点のデータが要チェック?
これまでの試験では、試験実施の前年度や前年(暦年)もしくは、さらにその前年(度)の雇用指標が問われること多いです。
なお、直近の試験で言えば、2023年7月の第23回試験(6月の2級第30回)や11月の第24回試験(12月の1級や2級)では、2021年(度)と2022年(度)のどちらも出題可能性がありますが、どちらかと言うと2021年(度)の方が可能性が高いかもしれません。
コロナ禍の影響のあった2020年(度)から、回復基調が見られた2022年(度)の推移はよく確認しておきましょう。
動画編もご用意しました。まとめを読む前でも後でも、内容理解にご活用ください。
赤字の箇所を隠すことができます。Check Sheet機能をご活用ください。
完全失業率
完全失業率とは、労働力人口に占める完全失業者の割合をいう。
用語の定義自体が出題されることもあり、みん合☆テキスト&問題集にもまとめを掲載している。(学科試験テキスト&問題集第2版P103)
完全失業率の推移
完全失業率は、厚生労働省ではなく、総務省統計局による労働力調査により、毎月公表されます。
2020年は暦年(1月〜12月)と年度(4月〜3月)での平均を表記しています。
年度 | 完全失業率 ( )は暦年 |
2019年度(令和元年度) | 2.3%(2.4%) |
2020年度(令和2年度) | 2.9%(2.8%) |
2021年度(令和3年度) | 2.8%(2.8%) |
2022年度(令和4年度) | 2.6%(2.6%) |
コロナ前と後の完全失業率の比較
2019年度平均の完全失業率は2.3%の低い水準であったが、2019年後半からの景気後退及び2020年前半からのコロナ禍の影響により、2020年度平均で2.9%まで悪化したが、その後は改善がみられ、2022年度では2.6%まで改善している。
なお、コロナ禍において最も完全失業率が上昇したのは、2020年10月の3.1%である。
完全失業者数と就業者数の2021年度から2022年度の動き
2022年度平均の完全失業者数は178万人と前年度に比べ13万人減少しており、就業者数は6,728万人と、前年度に比べ22万人増加している。
正規、非正規の就業者数の2021年度から2022年度の動き
2022年度平均の正規の職員・従業員数は3,597万人と、前年度に比べ3万人増加(9年連続の増加)。非正規の職員・従業員数は2,111万人と34万人増加した(2年連続)※。
※参考:2020年には非正規の職員・従業員数が97万人減少している。
雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は、約37%(36.98%)である。正規:非正規の比は、概ね6:4と覚えておく。
なお、2021年度に続き、2022年度は、前年度比で正規及び非正規の職業・従業員数はどちらも増加している。
また、コロナ禍への手探りの対応が繰り返された2020年度は、正規の職員・従業員数は増加した反面、非正規の職員・従業員数は減少している。
非正規の職員・従業員数は男性672万人、女性1,439万人で、その割合は男性が約32%、女性が約68%であり、概ね3対7とおさえておく。
有効求人倍率
有効求人倍率は求職者1人に対し何人分の求人があるのかを示し、倍率が1を上回ると人を探している企業が多く、下回ると仕事を探している人が多いと捉えることができる。
なお、有効求人倍率は公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめたものであり、民間の職業紹介事業者でのそれらの状況は含まれない。
有効求人倍率の推移
年度(4月〜3月)と( )内は暦年(1月〜12月)の数値を確認する。
年度 | 有効求人倍率 暦年は( ) |
2019年度(令和元年度) | 1.55倍(1.60倍) |
2020年度(令和2年度) | 1.10倍(1.18倍) |
2021年度(令和3年度) | 1.16倍(1.13倍) |
2022年度(令和4年度) | 1.31倍(1.28倍) |
2022年度の有効求人倍率は、1.31倍で、2021年度から0.15ポイント上昇している
コロナ禍の影響などを受けて低下した2020年度から、徐々に回復している状況が読み取れるが、まだコロナ前の状況に戻っているとは言えない。
出典:一般職業紹介状況(令和5年3月分及び令和4年度分)について
有効求人倍率は、毎月、厚生労働省が調査公表する「一般職業紹介状況」でわかります。
有効求人倍率は平成30年度までは上昇が続いていましたが、令和元年度より低下に転じています(グラフの左側参照)。そして、新型コロナウイルスの流行が追い打ちをかけます。
2020年4月の緊急事態宣言の発出などの影響により、有効求人倍率は一時は急激に低下しましたが、2020年秋頃から2021年3月にかけて下げ止まり、1倍をキープ。その後徐々にゆっくりながら回復基調は感じられます。
有効求人倍率に関するその他の気になる指標等
正社員有効求人倍率
パートタイムを除いた、正社員有効求人倍率は2022年3月は0.94倍であったが、翌年の2023年3月は1.02倍となり、1倍を超えた。ちなみにコロナ前の2019年3月は1.16倍であった。
有効求人倍率の地域差
2022年3月の就業地別・季節調整値による都道府県・地域別有効求人倍率の最高は、福井県の1.89倍、最低は神奈川県の1.09倍であり、地域差は明らかに「ある」と認識しておく。
景気動向指数
景気の現状把握や将来予測のための指標として景気動向指数があり、景気動向指数には3種類の系列がある。
景気の動きに先行して反応を示す「先行系列」、現状の景気の動きに反応する「一致系列」、景気の動きにやや遅れて追随して現れる「遅行系列」にわけることができるが、新規求人数、有効求人倍率、完全失業率は、次のように分類することができる。
先行系列:新規求人数
一致系列:有効求人倍率
遅行系列:完全失業率
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