2022年(度)までの完全失業率と有効求人倍率【まとめ編】
一読しておくだけで得点になるかもしれない、楽習ノートプラス。
今回のテーマは、完全失業率と有効求人倍率の数値や傾向(趨勢)といった、雇用情勢に関する内容です。
この内容は、出題範囲「労働市場の知識」からの出題が多く、完全失業率や有効求人倍率に関連する問題は、第25回試験まででは、第2回、第4回、第5回、第6回、第8回、第9回、第11回、第12回、第13回、第14回、第15回、第17回、第18回、第19回、第20回、第22回、第23回、第24回、第25回で出題があります。
ほとんど毎回、出題があります。
いつの時点のデータが要注意なのか?
これまでの試験では、試験実施の前年(度)もしくは、さらにその前年(度)の雇用指標が問われること多いですが、ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の流行の影響により、それまでに比べると数年間での変化があります。
そのため、コロナ禍前の2019年、感染症対策に追われた2020年及び2021年、徐々に通常の生活を取り戻してきた2022年までの推移を確認しましょう。
動画編もご用意しました。まとめを読む前でも後でも、内容理解にご活用ください。
赤字の箇所を隠すことができます。Check Sheet機能をご活用ください。
完全失業率
完全失業率とは、労働力人口に占める完全失業者の割合をいう。
用語の定義自体が出題されることもあり、みん合☆テキスト&問題集にもまとめを掲載している。(学科試験テキスト&問題集第3版P122)
完全失業率の推移
完全失業率は、総務省統計局による労働力調査により、毎月公表される。
年 | 完全失業率 ( )は年度 |
2019年・令和元年 | 2.4%(2.3%) |
2020年・令和2年 | 2.8%(2.9%) |
2021年・令和3年 | 2.8%(2.8%) |
2022年・令和4年 | 2.6%(2.6%) |
なお、2023年(令和5年)は暦年2.6%、年度2.6%で、どちらも前年(前年度)と同率である。
コロナ前と後の完全失業率の比較
2009年以降、完全失業率は低下傾向が続いていたが、2020年4月に感染拡大による最初の緊急事態宣言が発出され行動制限等が要請されると、景気の減退に伴い、いずれの数値も悪化した。
2019年平均の完全失業率は2.4%と低い水準であったが、2020年に2.8%(年度では2.9%)まで悪化した。その後は持ち直し、2022年では2.6%まで改善しているものの、感染拡大前の水準には回復していない。
また、コロナ禍において最も完全失業率が上昇したのは、2020年10月の3.1%である。
就業者数と完全失業者数の2021年から2022年の動き
2022年平均の就業者数は前年に比べ10万人増加し6,723万人、完全失業者数は16万人減少し179万人となった。
2022年平均の就業者のうち、前年に比べ最も増加した産業は「医療、福祉」であり、最も減少した産業は「卸売業、小売業」である。
なお、2021年に最も増加したのは「医療、福祉」だが、最も減少したのは「宿泊業、飲食サービス業」である。
正規、非正規の就業者数の2021年から2022年の動き
2022年平均の正規の職員・従業員数は3,597万人と、前年に比べ1万人増加(8年連続の増加)。非正規の職員・従業員数は2,101万人と26万人増加した(3年ぶりの増加)。
正規の職員・従業員数は、2020年、2021年も増加していることに注意する。
役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は、約37%である。正規:非正規の比は、概ね6:4と覚えておく。
非正規の職員・従業員数は男性669万人、女性1,432万人で、その割合は男性が約32%、女性が約68%であり、概ね3対7とおさえておく。
有効求人倍率
有効求人倍率は求職者1人に対し何人分の求人があるのかを示し、倍率が1を上回ると人を探している企業が多く、下回ると仕事を探している人が多いと捉えることができる。
なお、有効求人倍率は公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめたものであり、民間の職業紹介事業者でのそれらの状況は含まれない。
有効求人倍率の推移
暦年(1月〜12月)と年度(4月〜3月)の数値を確認する。
年 | 有効求人倍率 年度は( ) |
2019年・令和元年 | 1.60倍(1.55倍) |
2020年・令和2年 | 1.18倍(1.10倍) |
2021年・令和3年 | 1.13倍(1.16倍) |
2022年・令和4年 | 1.28倍(1.31倍) |
2022年(令和4年)の有効求人倍率は、1.28倍で、2021年から0.15ポイント上昇している。
なお、2023年(令和5年)の有効求人倍率は、暦年では1.31倍で前年に比べて0.03ポイント上昇、年度では1.29倍で、前年度に比べて0.02ポイント低下している。
コロナ禍の影響などを受けて2020年は大幅に低下、2021年は下げ止まり、2022年は回復している状況が読み取れるが、コロナ禍前の水準には戻っていない。
出典:一般職業紹介状況(令和4年12月分及び令和4年分)について
有効求人倍率は、毎月、厚生労働省が調査公表する「一般職業紹介状況」でわかる。
有効求人倍率は平成30年までは上昇が続いていたが、令和元年より低下に転じている(グラフの左側参照)。
有効求人倍率に関するその他の気になる指標等
正社員有効求人倍率
パートタイムを除いた、正社員有効求人倍率は2021年12月に0.86倍だったが、翌年の2022年12月は1.03倍となり、1倍を超えた。
なお、新型コロナウイルス流行直前の2019年12月は1.13倍であった。
有効求人倍率の地域差
2022年12月の就業地別による都道府県・地域別有効求人倍率の最高は、福井県の1.94倍、最低は神奈川県と沖縄県の1.08倍であり、地域差は「ある」と認識しておく。
景気動向指数
景気の現状把握や将来予測のための指標として景気動向指数があり、景気動向指数には3種類の系列がある。
景気の動きに先行して反応を示す「先行系列」、現状の景気の動きに反応する「一致系列」、景気の動きにやや遅れて追随して現れる「遅行系列」にわけることができるが、新規求人数、有効求人倍率、完全失業率は、次のように分類することができる。
先行系列:新規求人数
一致系列:有効求人倍率
遅行系列:完全失業率
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(2024年2月改訂)