発達理論
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知能の発達
スイスの心理学者ピアジェは知能の発達について発生論と構造論の視点から論じた。
用語 | 内容 |
均衡 | 自己と外界が適応的に構成された状態 |
同化 | 外界の自分自身の行動シェマ(概念)の中に取り入れること |
調節 | 自分自身の行動シェマを外界に応じて変化させること |
・知能の発達過程
過程 | 内容 |
①感覚運動期 | 0~2歳。対象の永続性 |
②前操作期 | 2~7歳。模倣やごっこ遊びのような記号的機能。自己中心性 |
③具体的操作期 | 7~12歳。数や量の保存概念が成立。可逆的な操作可能 |
④形式的操作期 | 12歳~。形式的、抽象的操作可能、論理的思考ができるようになる |
12歳以降の形式的操作期に入ると論理的思考が可能になる。
生涯発達の視点に立つ発達理論
階層的発達理論は、発達を上昇的ないし階層的順序で進むものと考え、順序的発達理論はそれぞれの発達段階を高くもなければ優れてもいないと捉えている。
階層的発達理論 | ピアジェの知能の発達 |
コールバーグの道徳性の発達 | |
順序的発達理論 | エリクソンの漸成的(ぜんせいてき)発達理論 |
レビンソンの成人発達理論 |
エリクソン「漸成的発達理論」
エリクソン=アイデンティティの概念を提唱したことで有名。アンナ・フロイトと出会い、精神分析家として社会に自分を位置づけた。
・漸成的発達理論の発達段階と葛藤
段階 | 特徴 | 心理社会的課題(危機) | 徳 |
乳児期 | 授乳関係 | 基本的信頼VS基本的不信 | 希望 |
幼児期 | 自立歩行可能 | 自律性VS恥・疑惑 | 意志 |
遊戯期 | 新たな世界 | 自主性VS罪悪感 | 目的 |
学童期 | 学校生活 | 勤勉性VS劣等感 | 有能感 |
青年期 | 自分は何者? | アイデンティティVS混乱 | 忠誠 |
前成人期 | パートナー | 親密性VS孤立 | 愛 |
成人期 | 育てること | 生殖性VS停滞 | 世話 |
老年期 | 振り返り | 統合VS絶望 | 英知 |
・レビンソンの人間の発達段階の分類
前成人期 | 0~22歳 |
成人前期 | 17~45歳 |
成人中期 | 40~65歳 |
成人後期 | 60~85歳 |
加齢に伴う発達順序は暦年齢と一致、中年の危機を実証的に明らかにした。
発達理論に影響を与えたその他の理論家
名前 | 国 | 特徴 |
ハヴィガースト | アメリカ | 「発達段階に対応する発達課題」。発達課題で養成される項目の特徴は、「身体的成熟」、「文化・社会からの要請」、「個人の価値観や要求水準」の3つ。 |
レヴィン | ドイツ | フロイトと並ぶ「力動論」の代表的論者。人の行動はパーソナリティか環境かのどちらかではなく相互作用。B=F(P.E)の公式を提唱。ゲシュタルト心理学の影響を受け、「社会心理学の父」と呼ばれる |
ギンズバーグ | アメリカ | 職業選択は一時の選択ではなく、生涯にわたる発達的プロセスと提唱。個人の望み・欲求⇔現実的選択肢との間で妥協をしながら最適化を求める過程。職業発達プロセスは、空想期(~11歳)→試行期(11~17歳)→現実期(17歳~20代前半)の3段階 |
ブロンフェンブレンナー | 旧ソ連出身 | アメリカの発達心理学者。個人と環境との相互作用に注目。環境要因には多くの異なるレベルがあり(マトリョーシカのような入れ子構造)、内側から、「ミクロシステム」→「メゾシステム」→「エクソシステム」→「マクロシステム」があり、相互に影響を及ぼし合っている |
B=F(P.E)の公式
Bはbehabior(行動)、Pはpersonarity(個人の特性)、Eはenvironment(環境)、fはfunction(関数)を意味しており、人の行動は個人の特性と環境の関数(相互作用)であるとレヴィン先生は言っています
アイデンティティのラセン式発達モデル
アイデンティティは中年期、定年退職期においてもライフイベントに遭遇するたび、その危機を克服することによってラセン状に発達していく。
効用と限界
効用 | 生物学的年齢による心理的特徴や心理機能の分化度の把握がアセスメントに活かせる |
限界 | 発達理論は一般化されたモデルであり、文化差や個人差など捨象(しゃしょう)されたもの |