令和4年度能力開発基本調査【2事業所調査:まとめ編】
Check Sheet機能をご活用ください。
事業所調査からは、キャリアコンサルティングの実施に関する出題が多いです。資料を一読の際には、まずは大ざっぱにイメージを掴みましょう。細かな数字は暗記する必要はありません。Check Sheet機能を活用して、隠された内容を想像しましょう。赤色シートを開きながら確認をしていきましょう。
その内容がご自身の感覚とギャップが有る場合には、よく印象付けておきましょう。まとめを確認したあとは、問題編(会員限定)で試験での出題に備えましょう。
(1)教育訓練の実施に関する事項について【P11】
①OFF-JTの実施状況
・正社員に対してOFF-JTを実施した事業所は、前回と同水準の70.4%となり、3年移動平均の推移でみると、近年は低下傾向となっている。[第2回問1]
・正社員以外に対してOFF-JTを実施した事業所は、前回と同水準の29.6%であり、正社員に比べて低い割合になっている。[第7回問17]
・OFF-JTを実施した事業所の割合を産業別にみると、正社員では、「電気・ガス・熱供給・水道業(96.4%)」、「複合サービス事業(91.9%)」が高く、正社員以外では「複合サービス事業(80.4%)」、「医療、福祉(45.7%)」が高い。
複合サービス事業とは、郵便局や農業協同組合など、郵便事業や農業関連事業を行うとともに、銀行業務や保険業務、市町村等からの委託業務など、複合的にサービスを提供する事業所のことをいいます。
・実施したOFF-JTの教育訓練機関では、正社員、正社員以外ともに「自社」が最も多く、約8割を占めている。
・実施したOFF-JTの研修内容ランキング[第14回問20]
新規採用者など初任層を対象とする研修(75.1%)
新たに中堅社員となった者を対象とする研修(47.8%)
・今後実施したいOFF-JTの内容
新たに管理職になった者を対象とする研修(36.6%)
新たに中堅社員になった者を対象とする研修(35.6%)
②計画的なOJTの実施状況
・計画的なOJTの実施状況を階層別にみると、新入社員が52.0%で最も多く、中堅社員は36.9%、続いて、管理職層、正社員以外が続く。[第7回問17]
・正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所は60.2%であり、前回と比べて1.1ポイント上昇しているが、3年移動平均の推移では、低下傾向である。[第2回問1、第7回問17]
・正社員以外に対して計画的なOJTを実施した事業所は23.9%であり、3年移動平均の推移では、低下傾向が続いており、正社員に対する割合と比較して、2分の1に満たない水準で推移している。[第2回問1]
・正社員、正社員以外ともに、企業規模別では規模が大きくなるほど実施率は高い。
(2)能力開発や人材育成について【P19】
・能力開発や人材育成に関して、何らかの問題があるとする事業所は、80.2%である。
・「問題がある」事業所の問題点ランキング
指導する人材が不足している。(58.5%)
人材を育成しても辞めてしまう。(50.8%)
人材育成を行う時間がない。(45.3%)
(3)労働者のキャリア形成支援について【P20】
①キャリアコンサルティングを行うしくみの導入状況
・正社員または正社員以外に対してキャリアコンサルティングを行うしくみを導入している事業所は、45.3%である。[第10回問1、第11回問17、第12回問4、第14回問16]
キャリアコンサルティングを行うしくみがあるのは、半数に満たない。
今回 | 前回 | |
正社員 | 45.2% | 41.8% |
正社員以外 | 29.6% | 29.7% |
・産業別では正社員では「金融業・保険業」が、正社員以外では「複合サービス事業」が最も割合が高い。
・企業規模別にみると、企業規模が大きくなるほど、キャリアコンサルティングを行うしくみを導入している割合が高い。[第10回問1、第7回問17]
・キャリアコンサルティングの実施時期は、正社員、正社員以外ともに「労働者の求めがあった時に実施する」が最も多い。[第2回問2、第12回問4]
令和3年度版では、正社員は「1年に1回、3年に1回など、定期的に実施する」が最も多く、正社員以外では「労働者の求めがあった時に実施する」が最も多かった。
・キャリアコンサルティングを行う目的ランキング[第2回問2、第5回問3、第10回問1、第11回問17、第12回問4、第14回問16]
«正社員・正社員以外»
労働者の仕事に対する意識を高め、職場の活性化を図るため。
労働者の自己啓発を促すため。
労働者の希望等を踏まえ、人事管理制度を的確に運用するため。
・キャリアコンサルティングを行った効果は、正社員、正社員以外ともに、「労働者の仕事への意欲が高まった」が最も多い。
・キャリアコンサルティングを行う仕組みを導入している事業所のうち、キャリアコンサルティングを行う上での問題点がある事業所は正社員で66.2%、正社員以外で61.8%である。
・キャリアコンサルティングを行う上での問題点は、正社員は「キャリアに関する相談を行っても、その効果が見えにくい」が最も多く、正社員以外は「労働者からのキャリアに関する相談件数が少ない」が最も多い。[第2回問2、第7回問17]
・事業所で相談を受けているのがキャリアコンサルタントであるのは、10.7%である。[第11回問17、第14回問16]
前回の8.8%より上昇していますが、キャリアコンサルタントの活用は10%前後とインプットしておきましょう。
・キャリアコンサルティングを行うしくみがない事業所のうち、キャリアコンサルティングを行っていない理由で最も多いのは、正社員、正社員以外ともに、「労働者からの希望がない」である。[第2回問2、第11回問17、第12回問4、第14回問16]
②ジョブ・カードの認知状況
ジョブ・カードの認知状況は、「内容を含めて知っており活用している」は2.0%である。[第1回問17]
③労働者の主体的なキャリア形成に向けた取組について
・労働者の主体的なキャリア形成に向けて実施した施策として、正社員では「上司による定期的な面談(1on1ミーティング等)」(66.0%)が最も多い。
④労働者の自己啓発に対する支援の実施状況
・正社員に対して、自己啓発の支援を行っている事業所の割合は82.5%で、3年移動平均では大きな変動はうかがえない。[第1回問15]
・正社員以外に対して、自己啓発の支援を行っている事業所の割合は62.6%で、近年はやや上昇傾向となっている。
・支援の内容は、正社員、正社員以外のいずれも、「受講料などの金銭的援助」が最も多い。[第14回問20]
(4)労働者の職業能力評価について【P29】
①職業能力評価の実施状況
・正社員に対して職業能力評価を行っている事業所は正社員で54.3%であり、正社員以外で37.4%である。[第4回問17、第15回問12、第23回問17]
②職業能力評価における検定・資格の利用状況
・職業能力評価における検定・資格を利用している事業所は、60.8%であり、利用している検定・資格は、「国家検定・資格(技能検定を除く)又は公的検定・資格」が78.7%で最も多い。[第15回問12、第23回問17]
③職業能力評価の活用方法
・職業能力評価の活用方法は、「人事考課(賞与、給与、昇格・降格、異動・配置転換等)の判断基準」が最も多い(81.3%)。[第4回問17、第15回問12、第23回問17]
④職業能力評価に係る取組の問題点
・職業能力評価に係る取組に問題を感じている事業所は69.5%であり、問題点の内訳は、「全部門・職種で公平な評価項目の設定が難しい」が最も多い。[第4回問17、第23回問17]
(5)技能の継承について【P34】
令和3年度版には「(5)技能検定について」がありましたが、令和4年度版からは記載が無くなり、「技能の継承について」が(5)として繰り上がりました。「(5)技能検定について」は令和3年度版で初めて記載されましたが、一度のみで令和2年度版の形に戻った状況です。
①技能継承の問題
・技能継承に問題があるとする事業所は、41.2%であり、産業別では「建設業」が最も多い。
②技能継承の取組状況
・技能継承の取組を行っている事業所は85.1%で、産業別では「建設業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」などの割合が高い。
取組の内容の内訳では、「退職者の中から必要な者を選抜して雇用延長、嘱託による再雇用で指導者として活用している」が最も多い(65.2%)。
2事業所調査のまとめ編は以上です。対応する問題編で知識を固めましょう(みん合☆プラス会員限定)。