令和5年度能力開発基本調査【1企業調査:まとめ編】

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能力開発基本調査は、第3回、第25回試験を除き、本稿制作時点の第26回まで毎回出題がある、最もよく出題される官公庁資料であり、念入りな対策が必要かつ可能な資料です。

これまでに出題された箇所や、未出題ながら出題が予想される内容を中心にまとめ編と問題編(会員限定)を作成しました。試験対策にご活用ください。

これまでの出題内容から対策として、細かな数字などを暗記する必要はありません。
正社員と正社員以外ではどちらが多いのか?割合は何割くらいか?ランキング1位は何か?などを想像しながら、Check Sheet機能をONにして、マウスオーバー又はタップをしながら要点を確認していきましょう。

資料対策の秘訣は、ご自身の感覚とギャップのあったものをよく印象づけておくことです。資料原本はぜひダウンロードしてすぐに参照できるようにしておきましょう。まとめ編や問題編での【P××】は資料でのページ数を表しています。

 令和5年度能力開発基本調査

(1)OFF-JT及び自己啓発支援に支出した費用について【P1】

①OFF-JTまたは自己啓発支援に費用を支出した企業の割合は54.6%である。

②支出した費用の労働者一人あたりの平均額は、OFF-JTは1.5万円であり、自己啓発支援は0.3万円である。

(2)能力開発の実績・見込みについて【P3】

・正社員に対する過去3年間のOFF-JTに支出した費用の実績は、「増加した」(21.6%)が「減少した」(9.2%)より多くなっており、「実績なし」は45.7%であった。

・正社員に対するOFF-JTへの今後3年間の支出見込みは、「増加させる予定(37.5%)」が「減少させる予定(1.0%)」を36.5ポイント上回っているものの、実施しない予定も36.9%と多い。

・正社員に対する過去3年間の自己啓発支援に支出した費用の実績では、「増加した 」( 10.1%) が 「 減少した」(6.0%) より多くなっているが 、「実績なし」 が68.4%であった。

・正社員以外に対する過去3年間のOFF-JTに支出した費用の実績は、実績なしが71.7%で最多となった。

・正社員以外に対するOFF-JT費用の今後3年の支出見込みは、「増加させる予定」が「減少させる予定」を17.7ポイント上回っている一方で、「実施しない予定」が61.9%と最多となった。

・正社員以外に対する過去3年間の自己啓発支援に支出した費用の実績では、実績なしが83.9%であり、今後3年間の支出見込みについても、「実施しない予定」が61.9%と最多となった。

(3)能力開発の考え方について【P5】

①と②の調査は平成30年度調査まで掲載がありましたが、その後は調査結果の概要には掲載されておらず復活、③と④は初めての調査項目でした。

①正社員に対する能力開発方針は、「企業主体で決定する」又はそれに近いとする企業は72.9%、「労働者個人主体で決定する」又はそれに近いとする企業は26.8%であった。

企業主体労働者個人主体

②正社員に対する教育訓練に当たっては、「OJTを重視する」又はそれに近いとする企業は78.5%、「OFF-JTを重視する」又はそれに近いとする企業は21.1%であった。正社員以外についても似た割合となっている。

OJTOFF-JT

③正社員に対する能力開発の成果を活かす機会や実践の場について、「提供する」又はそれに近いとする企業は83.4%、「提供しない」又はそれに近いとする企業は16.2%であった。なお、正社員以外の場合には、その割合の比は7対3となる。

提供する提供しない

④正社員に対して能力開発の成果を評価し、賃金や役職等に「反映する」又はそれに近いとする企業は80.0%、「反映しない」又はそれに近いとする企業は19.6%であった。なお、正社員以外の場合には、「反映する」又はそれに近いとする企業は66.4%であり、「反映しない」又はそれに近いとする企業は33.2%であり、「反映する」が減少する。

反映する反映しない

新登場の(3)のまとめ「能力開発、多いのはどっち?」
①企業主体か個人主体か?では「企業主体」
②OJTかOFF-JTか?では「OJT」重視
③能力開発の成果を活かす場作りは「提供する」
④能力開発の成果を賃金や役職等に「反映する」

(4)労働者に求める能力・スキルについて【P7】

 労働者に求める能力・スキルについては、正社員(50歳未満)、正社員(50歳以上)、正社員以外に分類して調査結果が発表されています。

ランキングは1位を確認しましょう。なお、令和4年度版から第1位の変動はありません。

≪50歳未満の正社員≫

 チームワーク、協調性・周囲との協力(60.0%)

≪50歳以上の正社員≫

 マネジメント能力・リーダーシップ(56.1%)

≪正社員以外≫

 チームワーク、協調性・周囲との協働力(58.6%)

(5)事業内職業能力開発計画及び職業能力開発推進者について【P8】

①事業内職業能力開発計画の作成状況は、「すべての事業所において作成している」が14.1%であり、「いずれの事業所においても作成していない」が77.2%と多くを占めている。

・産業別で事業内職業能力開発計画の作成企業の割合が最も高いのは、「電気・ガス・熱供給・水道業」( 43.7%)である。

なお、令和4年度版では、情報通信業が最も高かった。

②職業能力開発推進者の選任状況は、「すべての事業所において選任している」とする企業が10.0%であり、「いずれの事業所においても選任していない」企業が83.2%と多くを占めている。

・産業別で職業能力開発推進者の選任企業の割合が高いのは、情報通信業(35.7%)であり、唯一3割を超えている。

・職業能力開発推進者を選任している企業における選任方法は、「本社が一人を選任し、すべての事業所について兼任させている」が60.9%で最も多い。

事業内職業能力開発計画は7割以上が作成しておらず、職業能力開発推進者も約8割が選任していないという状況です。

なお、職業能力開発推進者は、キャリアコンサルタント等からの選任が推奨されています。

【職業能力開発推進者には、専門的な知識・技術をもつキャリアコンサルタント等から選任しましょう!:PDF

(6)教育訓練休暇制度、教育訓練短時間勤務制度及び教育訓練所定外労働時間免除制度の導入状況について【P12】

・教育訓練休暇制度は「導入している」とする企業は8.0%であり、「導入していないし、導入する予定はない」とする企業が81.9%である。

・教育訓練短時間勤務制度は「導入している」とする企業は7.1%であり、「導入していないし、導入する予定はない」とする企業が81.7%である。

・教育訓練所定外労働時間免除制度は「導入している」とする企業は6.3%であり、「導入していないし、導入する予定はない」とする企業が82.7%である。

・教育訓練休暇制度を導入している企業のうち、長期休暇(30日以上連続の休暇) の取得、有給休暇としての取得可否については、「長期休暇の取得はできないが、有給休暇として取得できる」が最も多い( 51.7%) 。

参考:有給休暇を積み立てることができる、積立休暇制度の導入事例を紹介する(事例3)。【厚生労働省:PDF

・教育訓練休暇制度、教育訓練短時間勤務制度及び教育訓練所定外労働時間免除制度の導入予定がない理由の第1位

 代替要員の確保が困難であるため

第2位は「制度自体を知らなかったから」、第3位は「労働者からの制度導入の要望がないため」である。

企業調査のまとめ編は以上です。対応する問題編で知識を固めましょう(みん合☆プラス会員限定)。

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