令和3年版労働経済の分析第Ⅰ部ダイジェスト(2)
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こちらのページでは、第Ⅰ部の労働経済の推移と特徴の第5章、第6章から、重要なポイント、今後の試験で出題されそうなポイントを確認します。
なお、例年の労働経済の分析には、第5章と第6章は存在していないため、第1章~第3章で見られるような過去問の出題実績はありません。
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第5章 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が雇用・労働に及ぼした影響
第1節 雇用・労働全体の状況
・2020年の就業者数、雇用者数は4月に大幅に減少した後、緩やかに回復傾向であった。(P101)
・2020年の有効求人数は4、5月にかけて大幅に減少した後、弱いながらも持ち直しの動きがみられ、有効求職者数は夏頃に増加傾向のあと、おおむね横ばいの動きである。(P107)
・就業者数の減少要因としては、労働力率要因(非労働力人口の増加)が目立つが、完全失業率要因(完全失業者の増加)も目立ってきている。(P109)
・感染拡大による影響は正規雇用労働者よりも非正規雇用労働者に強く表れており、特に非労働力化の動きが目立つ。(P110)
・リーマンショック期には正規雇用労働者、非正規雇用労働者ともに前年同期比で減少がみられたが、感染拡大期においては正規雇用労働者は増加しているのに対して、非正規雇用労働者が大きく減少している。(P111)
・感染拡大期における労働投入量の最大減少幅はリーマンショックより大きい一方、総雇用者所得はリーマンショック期よりも小幅な減少にとどまっている。(P111)
・感染拡大期には企業は主に人員・賃金削減以外の方法で雇用調整等を行っている。(P114)
なお、人員・賃金削減以外の雇用調整等の方法には、「残業規制」「休日・休暇の増加等」「配置転換」「出向」がある。
・求人・求職や失業への影響は地域によっても異なり、地域別の完全失業率の動向をみると、2020 年第Ⅱ四半期には「北海道」「東北」「南関東」「近畿」で比較的大きく上昇し、第Ⅲ四半期には「東海」「中国・四国」においても上昇がみられた。(P117)
・就業者は正規雇用労働者が増加したものの、特に女性の非正規雇用労働者の大幅減少等により減少している。また、休業者は女性の非正規雇用労働者を中心に増加している。(P118)
・感染拡大期における総実労働時間は、2020年3月以降、5月を底として大幅に減少した後、減少幅が縮小し、10月には前年水準に一旦戻ったものの、11月以降再び減少している。(P122)
・感染拡大期における賃金は、2020 年4月から5月にかけて大きく減少し、5月を底として減少幅が縮小したが、11月以降減少幅が拡大し、12月は5月を上回る減少となった。(P124)
第2節 産業別の動向
・経済活動は、感染拡大によって幅広い産業において影響を受けたが、業種によって落ち込みの度合いにばらつきがみられた。(P129)
特に、2020年4~5月の緊急事態宣言発出時には「宿泊業,飲食サービス業」や「生活関連サービス業,娯楽業」を中心に業況等が大幅に悪化した。
・感染拡大の影響により全ての業種で人員の不足感が急速に弱まったが、再び人手不足感が強まる動き。(P132)
・2020年4月以降、「宿泊業,飲食サービス業」「卸売業,小売業」「生活関連サービス業,娯楽業」「製造業」等で雇用者数が減少した。(P132)
・2020年は多くの産業で転職者が減少した一方、「卸売業,小売業」では失業者となった者が、「宿泊業,飲食サービス業」「生活関連サービス業,娯楽業」等では非労働力人口となった者が多い。(P137)
第3節 労働者の属性別の状況
・就業者数の変動要因としては、男性は完全失業者の増加、女性は非労働力人口の増加が大きい。(P145)
・男女別・雇用形態別の雇用者数の動向をみると特に女性のパート・アルバイトを中心とする非正規雇用労働者が大幅に減少している。(P146)
・非労働力人口のうち就職希望のある者が求職活動をしていない理由の推移をみると、「今の景気や季節では仕事がありそうにない」という理由で非労働力人口になった者が特に女性で増加した。(P160)
・7~14歳の子どもを持つ女性において、非労働力人口が小中学校の臨時休校措置がとられていた時期を中心に一時的に大きく増加した。(P160)
・学生のパート・アルバイトにおいても「卸売業,小売業」「宿泊業,飲食サービス業」「生活関連サービス業,娯楽業」といった産業で雇用が減少し、非労働力人口が増加するとともに、若年無業者が増加した。(P162)
・2020年には若年無業者が増加しており、特にそのうち「15~24歳」の層で比較的大きく増加している。(P163)
第6章 新型コロナウイルス感染症の感染拡大期における雇用対策
・感染拡大期においては雇用維持のための支援などの雇用対策が過去に例をみないスピード感、規模により講じられた。(P166)
・雇用維持・継続に向け、雇用調整助成金については、大幅な特例措置がとられるとともに、雇用保険被保険者以外の労働者についても助成対象とする緊急雇用安定助成金が設けられた。(P168)
・雇用調整助成金の利用状況は、調査産業計では、2021 年2月時点で「申請し受給した」企業の割合が37.3%、「現在、申請中」の企業の割合が2.3%、「申請しなかった」企業の割合が60.4%と、約4割の企業が利用している。(P170)
・雇用調整助成金の利用状況を産業別にみると、「飲食・宿泊業」で73.2%と約7割と高く、次いで「製造業」で49.9%、「運輸業」で49.7%と約5割に上る。
・雇用調整助成金等による完全失業率抑制効果は、雇用調整助成金により2.1%程度、緊急雇用安定助成金により0.5%程度、合計2.6%程度と見込まれ、リーマンショック期以上に雇用の維持に役割を果たしたことが示唆される。(P178)
・雇用調整助成金の財源(雇用安定資金残高)や失業等給付の積立金(雇用調整助成金の財源として貸出し)の残高は著しく減少している。(P181)
令和3年版労働経済の分析の予想問題は下記からご覧ください(会員限定)。
第Ⅰ部の前半や、第Ⅱ部については、次のダイジェストでご確認ください。
動画のご案内
厚生労働省では令和3年版労働経済の分析の動画版を公開しています。約30分ほどで、内容を確認することができ、大変コンパクトにまとまっています。
移動時間や隙間時間に、試験までにはぜひご覧ください。
第1章:新型コロナウイルス感染症が雇用・労働に及ぼした影響等
第2章:感染拡大下で業務の継続を求められた労働者の分析
第3章:テレワークを活用して働いた労働者の分析