2021年度までの有効求人倍率と完全失業率【まとめ編】
一読しておくだけで得点になるかもしれない、楽習ノートプラス。
今回のテーマは、有効求人倍率と完全失業率の数値や傾向(趨勢)といった、雇用情勢に関する内容です。
雇用情勢に関しては、出題範囲「労働市場の知識」からの出題が多く、関連する問題は第19回試験まででは、第2回、第4回、第5回、第6回、第8回、第9回、第11回、第12回、第13回、第14回、第15回、第17回、第18回、第19回で出題があります。
…ほとんどですね(汗)
列挙しているように出題実績はこれまでほとんどの回と言ってよく、出題可能性が非常に高いトピックです。
なお、これまでの試験では、試験実施の前年度や前年(暦年)のデータが問われることが多いのですが、新しい年度が始まったばかりの2022年7月の第20回試験や11月の第21回試験では、2020年(度)と2021年(度)のどちらも出題可能性があると言えるでしょう。
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有効求人倍率
有効求人倍率は求職者1人に対し何人分の求人があるのかを示し、倍率が1を上回ると人を探している企業が多く、下回ると仕事を探している人が多いと捉えることができる。
なお、有効求人倍率は公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめたものであり、民間の職業紹介事業者でのそれらの状況は含まれない。
有効求人倍率の推移
2020年と2021年は暦年(1月〜12月)と年度(4月〜3月)での平均となります。
年度 | 有効求人倍率 | 備考 |
2019年度(令和元年度) | 1.55倍 | 前年度比0.07ポイント低下↓ |
2020年(令和2年暦年) | 1.18倍 | 前年比0.42ポイント低下↓ |
2020年度(令和2年度) | 1.10倍 | 前年度比0.45ポイント低下↓ |
2021年(令和3年暦年) | 1.13倍 | 前年比0.05ポイント低下↓ |
2021年度(令和3年度) | 1.16倍 | 前年度比0.06ポイント上昇↑ |
2021年度の有効求人倍率は、1.16倍で2020年度から0.06ポイント上昇しています。
コロナ禍の影響などを受けて低下した2020年度から、若干ではありますが、2021年度は雇用情勢は落ち着き、僅かながら好転をしていると言えます。
出典:一般職業紹介状況(令和4年3月分及び令和3年度分)について
有効求人倍率は、毎月、厚生労働省が調査公表する「一般職業紹介状況」でわかります。
有効求人倍率は平成21年度から平成30年度までは上昇が続いていましたが、令和元年度より低下に転じています(グラフの左側参照)。そして、新型コロナウイルスの流行が追い打ちをかけます。
2020年4月の緊急事態宣言の発出などの影響により、有効求人倍率は一時は急激に低下しましたが、2020年秋頃から2021年3月にかけてはなんとか下げ止まり、1倍をキープしていることがわかります。
有効求人倍率に関するその他の気になる指標等
正社員有効求人倍率
パートタイムを除いた、正社員有効求人倍率は2021年3月は0.84倍であったが、2022年3月は0.94倍となっており、好転しているものの、引き続き1倍を下回っている。
有効求人倍率の地域差
2022年3月の就業地別・季節調整値による都道府県・地域別有効求人倍率の最高は、福井県の2.05倍(前年同時期1.70倍)、最低は沖縄の0.85倍(前年同時期0.76倍)であり、いずれも好転しているものの、地域差については明らかに「ある」と認識しておく。
完全失業率
完全失業率は、労働力人口に占める完全失業者の割合をいう。
用語の定義自体が出題されることもあります。みん合☆テキストにも掲載していますが、一度きちんと確認しましょう。(学科試験テキスト&問題集第2版P103)
完全失業者とは、働く意思や能力を持ち、求職活動を行っているものの、就職の機会を得られない者のことをいう。
完全失業率の推移
完全失業率は、厚生労働省ではなく、総務省統計局による労働力調査により、毎月公表されます。
2020年は暦年(1月〜12月)と年度(4月〜3月)での平均を表記しています。
年度 | 完全失業率 |
2019年度(令和元年度) | 2.3% |
2020年(令和2年:暦年) | 2.8% |
2020年度(令和2年度) | 2.9% |
2021年(令和3年:暦年) | 2.8% |
2021年度(令和3年度) | 2.8% |
2020年度と2021年度の完全失業率の比較
2019年度平均の完全失業率は2.3%と低い水準であったが、2019年後半からの景気後退及び2020年前半からの新型コロナウイルスの流行による経済低迷により、2020年度平均で2.9%まで悪化したが、2021年(暦年及び年度)は2.8%と悪化を食い止めている。
また、2022年3月の完全失業率は、2.6%と改善の傾向がみられる。
なお、コロナ禍において最も完全失業率が上昇したのは、2020年10月の3.1%である。
完全失業者数と就業者数の2020年度から2021年度の動き
2021年度平均の完全失業者数は191万人と前年度に比べ8万人減少しており、就業者数は6,706万人と、前年度に比べ4万人増加している。
正規、非正規の就業者数の2019年度から2020年度の動き
2021年度平均の正規の職員・従業員数は3,594万人と、前年度に比べ19万人増加(8年連続の増加)。非正規の職員・従業員数は2,077万人と3万人増加した。
雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は、約37%(36.62%)である。概ね6対4と覚えておく。
なお、2021年度はコロナ禍のなかでも、前年度比で正規及び非正規の職業・従業員数はどちらも増加している。ちなみに、2020年度は、正規の職員・従業員数は増加した反面、非正規の職員・従業員数は減少している。
また、非正規の職員・従業員数は男性656万人、女性1,422万人で、その割合は男性が約32%、女性が約68%であり、概ね3対7とおさえておく。
参考資料
景気動向指数
景気の現状把握や将来予測のための指標として景気動向指数があり、景気動向指数には3種類の系列がある。
景気の動きに先行して反応を示す「先行系列」、現状の景気の動きに反応する「一致係数」、景気の動きにやや遅れて追随して現れる「遅行指数」にわけることができるが、新規求人数、有効求人倍率、完全失業率は、次のように分類することができる。
先行系列:新規求人数
一致系列:有効求人倍率
遅行系列:完全失業率
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